第380話 またやって来た、ゴールデンウィーク 23 シエラのゴールデンウィーク
レイアがお好み焼き屋に言っている時間帯、シエラは奈津美と樹里と一緒に待ち合わせ場所に集まり街をお出掛けして遊びに行く約束をしていた。
「お姉様ー!!」
樹里が手を振っているのでシエラはそこに行く。
「待たせてしまいましたね」
「大丈夫だよ、私達が少し早く来ただけだから」
シエラが申し訳なさそうに言うが奈津美は特に気にしていない事を伝え樹里も頷く。
「なら良かったです、それでどこに行くのですか?」
「遊ぶと言っても何をするか決めてなかったね、適当に色々な所に行く?」
「それでしたら、最近できたショッピングモールはいかがですか?」
「この前できたあのショッピングモールね、結構大きいよね」
「では、樹里さんの提案を採用しましょう」
樹里の提案でシエラ達はショッピングモールに行く事に決まった。
二人が歩き出しシエラも歩こうとしたがふとシエラは背後を見る。
「・・・・・・」
自分の背後には何もないがシエラはどこか遠くを見ている。
「シエラちゃん?」
「お姉様どうしました?」
「いえ、何でもありませんよ、さあ、行きましょう」
二人に変な気を遣わせないようにシエラは何事もない事を伝えると二人はそのまま歩き出す。
シエラも歩き出そうとするが。
「・・・・・・」
鋭い目つきでもう一度背後を見ながら二人の後を追うように歩き出し三人はショッピングモールに向かうのだった。
「ここがそのショッピングモールですか、大きくて広いですね」
到着したショッピングモールは広く色々な店が並んでいた。
「これだけ広いと迷子になったら大変だね」
「二人共、こちらに案内図がありますよ」
樹里が店の案内図を見つけた事で三人はその案内図を見て面白そうな所に行くのだった。
「色々な物が売ってますね、こんなのなんて何に使うんですかね?」
「お姉様、これどうですか?」
「おや、どうしましたって何ですかそのバカでかい帽子は?」
樹里に呼ばれてシエラは振り向くと樹里は頭に普通じゃない大きな帽子を被っていた。
「魔法使いの帽子って書いてありました、魔法使いに見えますか?」
「ほうきとマントを羽織れば完璧ですね、コスプレ衣装って奴ですか?」
「はい、あちらにたくさんありましたよ、コスプレエリアって書いてありましたね」
樹里が指差した方を見るとたくさんのコスプレ衣装が置かれていた。
「こんなにたくさんあるんですね、ところで奈津美さんはどこに?」
「奈津美さんならあそこにいますよ」
樹里が指差した方を再び見ると何やら商品を手に取って真剣に見ている奈津美の姿があった。
「あそこは、カードゲーム売り場ですか」
「魔王少女カードゲームのパックを選んでいるみたいですね」
「魔法少女カードですか、確か去年あたりから発売したカードゲームでしたね」
「はい、でもあまりにも人気だからコンビニに行っても売り切れてる事が多いんですよね」
「魔法少女は日本だけでなく海外でも有名になってますからね、むしろ何故もっと早く発売しなかったのかと言われているくらいですし、しかし奈津美さんやけに真剣に選んでますね」
シエラの言うように奈津美はパックを次々と手に取りどれにするかを真剣な顔で選んでいる。
「後一枚でコンプリートするそうですよ」
「コンプリートですか?」
「はい、奈津美さんはカードゲームで対戦するより集める方を専門にしているんですよ、それで後一枚が出ればそのパックに収録されている全カードをコンプリートできるって言ってましたよ」
「なるほど、カードバトラーと言うよりカードコレクターですか、確かにカードゲームだからって対戦するだけが目的じゃないですからね」
「でも、奈津美さんもう十分以上もああしてる気が」
「んー、見た感じ何パック買うか迷ってるようですね」
「確か一パック百七十円だった気がしますね、しかも人気だからお一人様五パックまでらしいですね」
「五パックだと八百五十円ですか、大体千円の消費ですね、小学生で千円はかなりにきついですね」
「そうですね、千円はかなりの出費ですね」
「と言うか、お嬢様学校に通ってるお金持ちだからてっきりお小遣いもかなり貰っていると思いましたが意外と普通の小学生家庭と同じなんですね」
シエラの言う通りで奈津美も樹里もお金持ちだがお小遣いはそんなに貰ってないのだ。
「奈津美さんの家は親が子供の内から自由に使える金が多いと贅沢な子に育つからそんなにお小遣いを与えないそうですよ、カードも家の手伝いやテストで良い点を取ったりしたら買って貰えるそうですよ」
「なるほど、ちなみに樹里さんは? 遊びに行った時に見た感じだと結構甘やかしそうな感じがしますけど」
「いえ、私はその、好き勝手した人間がどう言う風になるかを知ってるので、ああいう思いは申したくないので」
樹里は顔を逸らして頭を抱える。
シエラに出会う前の自分を思い出して恥ずかしい思いをしているようだ。
いわゆる樹里にとっての黒歴史である。
「もう樹里さんったらまだ気にしてるのですか? そんなのもう誰も気にしてませんよ、今は皆と仲良くできてるんですから、楽しみましょう」
「お姉様、はい」
「あ、奈津美さんが来ましたよ」
「お待たせ」
シエラと樹里が話していると奈津美が買い物を終えて帰って来る。
「結局どうしたんですか?」
「うん、五パック買った」
「勝負に出ましたね、良いですね、私も試しに一パック買ってみますか」
そして時間はお昼になったので三人は休憩がてらお昼を食べる事にするのだった。
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シエラのゴールデンウィーク編が始まりました。
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