第378話 またやって来た、ゴールデンウィーク 21 最終日
「で、これがその時貰ったトロフィーだよ」
「あー、もうアンタの胃袋はブラックホールだと思う事にしたよ」
真央の言葉に沙月はそう答える。
ゴールデンウィーク最終日、真央達は集まってゴールデンウィークでの思い出を語り合っていた。
真理亜達は旅行に行ったり田舎に行ったりなどを話して真央は郁恵との大食い勝負についての話をしていた。
もちろん山に修行に行って主と戦ったのは伏せている。
「真央さんも楽しいゴールデンウィークを過ごしたんですね」
「さすが真央姉さん、全制覇しちゃうなんて凄いよ」
「皆も楽しいゴールデンウィークを過ごしたみたいだな」
「うん、楽しかったよ」
真央の言葉に真理亜が答えると他の皆も頷く。
「明日からまた学園が始まるな」
「今度は林間学校がありますね、今からワクワクしますね」
「彩音、お前宿題終わったか?」
「大丈夫!! おじいちゃん、おばあちゃんの家で終わらせて来たから!!」
彩音は胸を叩いて自信満々に言う。
「そうか、なら良いんだ」
「楽しみだね」
「ああ、そうだな」
笑顔で言う真理亜に真央も笑って答えるのだった。
(まあ、僕の場合はこれだけじゃないけどな)
真央は思い返していた。
それは最終日前日に時は遡る。
郁恵との戦いを終えたレイアはトロフィーを持って自分の住むマンションへと帰ろうとしている途中の事だった。
『レイアお姉ちゃん、聞こえますか?』
頭の中に声が響く。
「シエラか?」
『はい、通話の魔法を使っています』
「何かあったか?」
『はい、少し問題が起こりました、イゴールさんの店に来てくれますか?』
「わかった」
レイアはすぐにマンションに帰りトロフィーを置いてリズにイゴールの所に行くとリズに伝えるがリズも共に行くと言い二人はそのままイゴールの店に行くのだった。
「あ、レイアお姉ちゃん」
イゴールの店に入るとシエラが中にいてイゴールも共にいた。
「レイア様、お待ちしていました」
「わざわざイゴールの店に来いと言ったからには、魔族関連か?」
「はい、真理亜様の命を狙おうとしていた者を捕らえました、ですがどうしてもレイアお姉ちゃんにも会わせた方が良いと判断しました、リズさんも一緒ならリズさんに会わせた方が良いですね」
「どう言う事だ?」
「・・・・・・まさか、私達の知り合いでしょうか?」
リズの問いにシエラは頷く。
「はい、私は知りませんがその方はレイアお姉ちゃんを知っていましたので、私も名前だけしか知りませんでした」
「名前だけ?」
「実際に見に行った方が早いでしょう、こちらへ」
イゴールが促すとレイア達はイゴールについて行く。
向かっているのは店の地下へと続く階段だった。
「この店に地下があったのか?」
「ええ、本来は使う事がない部屋ですね、この店は夜の世界ですからね、表にいない人達もたくさん来ますがルールを守らない輩もいますからね、そういう方達を相手にする部屋ですよ」
「なるほど」
イゴールが何を言いたいか理解するレイアだがそれ以上は聞かない方が良いと思いそれ以上は何も聞かずに黙ってついて行くと扉の前で止まる。
「開けますが」
「ああ、良いぞ」
イゴールは扉を開けるとその部屋は物騒な物が多くあった。
いわゆる拷問部屋と言える場所である。
そしてその部屋の真ん中に椅子がありその椅子に鎖で拘束されている者がいたのだった。
読んでいただきありがとうございます。
タイトルは最終日なのにゴールデンウィークはまだ終わりません。
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