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第370話 またやって来た、ゴールデンウィーク 13 参戦

 割り箸を置いた真央はヘラを持つ。


「ああ」


「やっぱりか」


 カレー屋の店主と寿司屋の大将は見覚えがあったから真央がする事に気づく。

 真央はヘラで激辛お好み焼きを切ってそのまま口に運ぶ。


「何だと!?」


「嘘だろ!?」


「マジか!?」


 ラーメン屋の店主、ハンバーガー屋の店主、ステーキ屋の店主が激辛お好み焼きを半分も一気に食べた事に驚く。


「アンタ、辛くないのかい?」


「問題ない、もうこの辛さに慣れた」


 郁恵の問いに真央はそう答えてもう半分も口に入れて激辛お好み焼き一枚完食して次の激辛お好み焼きにヘラを入れる。


「辛さに慣れるって、そんなのできるの?」


「少なくとも甘い物を作っている私じゃ絶対に無理ね」


 ピザ屋の店主の言葉にスイーツ店の店主が答える。

 そんな二人の会話などお構いなしに真央はヘラで食べ続けて郁恵も様々な激辛お好み焼きを作る。


「面白いね、アンタ本当に面白いよ、激辛調味料を使ったお好み焼きに慣れるなんて」


「どうだろうな、辛さに慣れたって言っても舌が麻痺しただけかもしれないし、もしかしたら僕の身体は今とんでもない事になっているかもな」


「これだけの量を食えるアンタの身体にとんでもない事が起きてるとしたらその頑丈な胃袋じゃないのかい?」


「なるほど、確かにそうかもしれない」


 郁恵と談笑しながらも真央は食べる手を止めずに食べ続ける。


「なあ、あれからどれくらい経ったんだ?」


「そうだな」


 カツ丼屋の店主に言われて喫茶店のマスターが腕時計を見る。


「三十分ってところだね」


「まだそれしか経ってねえのか、それなのにあの二人全くペースが落ちてねえ」


「そうかもしれないね、もう私達が見ている事も忘れているのかもしれないね、それだけ今の二人は食べる事と作る事に集中しているって事だ」


「楽しそうにしやがって、ただ何て言うか」


 カツ丼屋の店主が二人を見て何か考えているような顔をしている。


「どうしたのかね?」


「俺はよ、納得したと思ってたんだ、あの時嬢ちゃんに負けて、清々しい気分になったと思っていたんだ、だけどよ」


「わかりますよ、カツ丼屋さん」


 カツ丼屋の店主の言葉にカレー屋の店主が答えて他の店主達も次々に答える。


「俺だって、自分の特大デカ盛りカレーを完食されて、その時は参ったと思った、だけど」


「俺も同じだ、自分の特大の寿司を完食されて、天晴だと思ったんだ、思ったはずだったんだ」


「そうだな、俺も同じ事を思っていた」


「俺もだな」


「俺も」


 ラーメン屋の店主、ハンバーガー屋の店主、ステーキ屋の店主も同じ事を言う。


「そうね、私も自慢のパフェを完食されたけど」


「あたしも自慢だったピザを完食されたけどさ、やっぱ」


「このままじゃ終われない、そうだろ?」


 店主達の言葉に喫茶店のマスターが続きを言うと皆が頷く。


(辛い調味料もそろそろ終わって来るか、さて次はどうするか)


「なあ、会長」


 郁恵は次に何を作ろうか考えているとカツ丼屋の店主が郁恵に話し掛ける。


「何だい?」


「俺達もアンタの手伝いとして混ぜてくれねえか?」


 カツ丼屋の店主が参戦する事を告げるのだった。






読んでいただきありがとうございます。


さらなる展開になりそうです。


面白ければブクマと評価をよろしくお願いします。

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