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第367話 またやって来た、ゴールデンウィーク 10 喰らう者VS作る者

 真央はあっと言う間に郁恵の焼いたお好み焼きを平らげる。


「今まで食べたお好み焼きより旨い」


「当然さ、あたしはこれ一筋でやって来たからね、マズいなんて言う奴はよっぽどのひねくれ者だよ」


「さすがだな、お嬢ちゃん」


「あっと言う間に一枚完食ですね」


「でも勝負は始まったばかり、ここからだ」


 このみ、高遠、平岡、いつもいる三人ができて当然のように言う。


「さて、どんどん焼くよ」


「なら僕は、どんどん喰らう」


 ここからが本番と言うように郁恵はその年齢からは想像できない早さでお好み焼きを次々と焼いていく。


「アンタは同じ味が続くと飽きるんだろ? 色々なのを作ってやるからじゃんじゃん食べな」


「気遣いは感謝するが、勝負で手を抜く気はないぞ」


「当たり前だよ、そんな事したらあたしが許さないよ」


 真央は出来上がったたくさんのお好み焼きを喰らっていく。


「豚の次は海鮮か、こっちはサラダ、これはチーズかどれも旨い」


「どんどん焼いて行くよ」


 郁恵はさらに焼くスピードを上げてお好み焼きを作っていく。


「会長、容赦なしだな」


「当然だろ、相手が相手だ」

 

 カレー屋の店主、寿司屋の大将が最初から全力である事に冷や汗をかく。

 

「ん、ん」


 真央も負けじとお好み焼きを食べるスピードを上げていく。


「ほう、お嬢ちゃんも負けじと食べるペースを上げてるな、さすがだ」

 

 ラーメン屋の店主が感心する。

 それから時間にして数分過ぎただけなのに周りにとっては数時間にも感じるものだった。


「にしてもあのお嬢ちゃんが一枚食べる度に会長はもう五枚ほど作ってな」


「会長容赦なしだな」


 ハンバーガー屋の店主、ステーキ屋の店主が二人のスピードを見て言う。


「でもそれは、会長があの子を全力を出す相手と認めた事になるわ」


「そう、あの二人は今互角の戦いをしているのよ」


 スイーツ店の店主、ピザ屋の店主が二人の本気度を見て言う。


「どうした? 随分ゆっくり食べるじゃないか?」


 郁恵が作りながら真央を見て言う。


「そんなペースだと他に作ったのが冷めてしまうよ、アンタも旨味が減るのは嫌だろ?」


「そうだな、確かにその通りだ」


(ん? 雰囲気が変わった?)


 真央の雰囲気が変わった事に気づいた郁恵は警戒心を出す。


「このまま今のペースで食べていたらもう出来上がっている物が冷めて旨さが減ってしまう、それは僕も避けたい、せっかく作ってくれたんだ、できたての美味しさをいただきたい、だから」


 そう言って真央は割り箸を置く。


「これを使わせてもらうが、構わないか?」


 真央はヘラを手に持ち郁恵に問うのだった。





 

読んでいただきありがとうございます。


VSってタイトルに入ってるけど、大食い勝負ですから。


面白ければブクマと評価をよろしくお願いします。

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