第361話 またやって来た、ゴールデンウィーク 4 修行
郁恵から宣戦布告された真央は勝負に備えて気合を入れるのだった。
「勝負までにはまだ日にちがあるし、宿題を終わらせるか」
レイアはゴールデンウィークに出された宿題を始める。
「・・・・・・終わってしまった」
ゴールデンウィークは始まったばかりなのにレイアは出された宿題を全て終わらせてしまうのだった。
「さて、どうしたものか」
「レイア様、何か悩みでもあるのですか?」
お昼を作っていたリズがレイアに問う。
「ん?」
「宿題をしている時も何か考え事をしていましたので何か悩みでもあるのかと」
「ああ、実は」
レイアはリズにお昼前に起きた事を伝える。
「なるほど、つまりその会長さんと戦うためにどうすれば良いのかがわからないという事ですね」
「ああ、郁恵さんは今までにない気迫を感じていた、僕との戦いで全てを失っても良いという気迫だった、だから僕も生半可な気持ちで挑みたくないんだ」
「なるほど、それほどの気迫を感じたのですね、この世界にもそれほどの覚悟を持った人間がいたとは、ならレイア様も半端な覚悟で挑まない方がよろしいのも納得しました、では、こういう時は大抵するべき事は決まっていますね」
「何だそれは?」
「修行ですよ」
「修行か」
リズの言葉にレイアは顎に手を当てて考える仕草をする。
「漫画とかでこういう日にちを決めて勝負する時って大抵修行をして決闘する展開になりますよね? それと同じです」
「なるほど、良いかもな、だがどこですればいいのか」
「そう言えばこの街には裏山がありましたね」
「ああ、そう言えば学園の裏側に山があったな、中には入ると森林もあるし」
「そこで休日はキャンプをする人もいるみたいですよ」
「なるほど、漫画でも修行と言えば山籠もりとも言うしな、よしなら行くか」
レイアは決心するのだった。
~次の日~
「よし、行くか」
レイアは裏山に入って行くのだった。
場所は清涼女子学園の裏にあり、裏山と言ってもちゃんと整備されていて道もハッキリとしており、所々矢印の看板があり、さらに電波も通りやすくなっていて、さらに防犯カメラも所々にあるので迷子になっても大丈夫なように手入れされている裏山であった。
要するに子供が一人で入っても大丈夫な場所なのである。
「人の手入れがされていると聞いたが思ったより良い場所だな、エルフ族や妖精族が気に入りそうだな」
周りの景色を楽しみながらレイアは手入れされた山道を歩いて行く。
「ん? 何か音がするな」
歩いて行くとどこかから音が聞こえたのでその音のする場所へと向かう。
「音が大きくなってきたな、おお、これは」
音のした方に出るとそこには大きな滝が音を立てて流れていた。
「滝の音だったのか、こんな場所に滝が流れてるなんてな」
レイアは流れている川に手を入れる。
「冷たくてひんやりしてるな、透き通っていて綺麗だし、魚も泳いでるな、ここでキャンプをしている人が多いのも納得だな」
滝の壮大な音と静かに流れる川の音が良い感じに心地良くゴールデンウィークという事もありキャンプをしている人達も多くいる。
「ここだと人が多いし、もう少し奥に行ってみるか」
今は一人になりたいと思ったレイアはその場を後にして奥の方へと進んで行く。
「おお」
奥の方へと進んで行くと先程の流れている滝よりもさらに大きな滝があった。
「こんな大きな滝があったんだな、ここなら人もいないし問題ないな」
念のために当たりを見渡したレイアは人がいない事を確認する。
「よし、それじゃ早速始めるか」
レイアの修行が開始されるのだった。
読んでいただきありがとうございます。
何か修行が始まりました。
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