第355話 健康診断 2
健康診断は続き真央は次に血圧の検査に並ぶのだった。
「はい、次の人」
「はい」
真央は血圧を測る機械に腕を入れると検査の先生が機械を動かす。
「おお」
機械は真央の腕をどんどん圧迫するように押していきしばらく止まってから圧迫する力は抜かれていった。
「はい、これで終わりです」
「はい」
真央は診断の紙を持って次の場所に向かうのだった。
「あ、真央」
「やあ、ミーシャも次はここか?」
「うん」
次の場所に並ぶと真央の前にはミーシャがいた。
「真央、どう、だった?」
「ああ、いくつか検査の先生を驚かせてしまったが特に問題はないと思う、ミーシャはどうだ?」
「さっき、真央が、やって、いた、機械、が、ちょっと、にが、て」
「ああ、血圧を測定するあれか」
「うん、強く、掴まれた、感、じで、ちょっと、び、っくり」
「あれには僕も驚いたよ」
「そろ、そろ、私の、順番」
「ああ、心電図検査だな」
「いろん、なの、ついて、ちょっと、驚く」
「そうか、僕も去年はちょっと驚いたな」
「うん、じゃあ、また、ね」
「ああ」
ミーシャは先に行き、続いて真央も隣の方へ行くのだった。
「では、力を抜いて少しじっとしててください」
「はい」
検査の先生に言われて真央はベッドに横になり身体に機器を取り付けられて少しの時間じっとするのだった。
「はい、良いですよ」
先生に言われて真央はそのまま最後の場所に向かうのだがその最後の場所へと向かうのだった。
「ここで最後だな」
最後は聴診器を当てる検査である。
並んでいると検査を終えた生徒達が心配そうな顔をしている事に気づいた真央は生徒達が話している声に耳を傾ける。
「何か、先生凄く変だったよね?」
「具合悪いのかな?」
「何もないと良いけど」
(先生の調子がおかしいと言う事か)
そんな話を聞いて真央も少し心配になったがしばらくすると自分の番がやって来たので真央は椅子に座るのだった。
「はい、次はあなたね、真央ちゃん」
聴診器を手に持っているのは清涼女子学園の保険の先生をしている佐藤奈央であった。
「それじゃ、聴診器を当てるね、少し冷たいけどすぐに終わるわ、さ、服をまくってもらって良いかしら?」
佐藤先生に言われた真央は服をまくり佐藤先生が聴診器を当てて真央の心音を聴く。
(調子が悪そうとか言っていたが特にそんな事はなさそうだが)
「・・・んぅ・・・ふぅ」
(ん?)
見ると佐藤先生が変な声を出している。
(な、何だ?)
「んぅ、い、良いわよ真央ちゃん、次は後ろを向いてくれるかしら? 背中の音も聴くから」
「あ、はい」
言われて真央は後ろを向き背中を見せると佐藤先生は聴診器を背中に当てて音を聴く。
だが。
「・・・うぅ・・・ふぅ」
(な、何なんだ?)
先程と同じように後ろから佐藤先生が変な声を出していて真央はどうしたんだと心配になって来ていた。
「はい、終わったわ、お疲れ様」
「あ、はい、あの、佐藤先生、大丈夫ですか? 何か変な声がしたのですが」
「え、ええ、大丈夫よ」
「そうですか、体調悪いなら無理しない方が」
「心配してくれてありがとう、でも本当に大丈夫よ、私はこれでも医者だからね。自分の体調管理くらいはできるわ」
「そうですか、本当に無理しないでくださいね」
そう言って真央は健康診断の紙を集めている人達の所に行き提出して教室に戻るのだった。
「佐藤先生、どこか体調悪いのかな?」
教室に戻ると真理亜が心配そうに佐藤先生の話をする。
「確かに佐藤先生変な声出てたよね」
「いや、あれは変な声って言うか」
「そうですね、どちらかと言えば」
彩音も真理亜と同じように佐藤先生を心配するが沙月と唯は何かわかっているような反応をする。
「確かに心配だな」
真央も佐藤先生を心配しているのだった。
「私は、私は耐えきったぞ」
真央達が心配している佐藤先生は激しく呼吸をしていた。
「ちょっと佐藤先生、大丈夫?」
そんな佐藤先生を心配してか柳瀬先生が声を掛け他の先生も気になって見ている。
「ええ、大丈夫よ、ちょっと天使達の素肌を見て理性がどこか行かないように精神を集中していたからね、終わったからどっと疲労が来ただけよ」
「精神って何に使ったの?」
「そんなの決まってるでしょ、天使達の綺麗な肌を見てバカな事をしない自分を抑えるためよ!!」
そこから佐藤先生は語りだす。
「天使達が私に何の抵抗もなく肌を見せたのよ、天使達の柔らかい肌、そして綺麗な肌、さらに背中を見た時には美しい曲線美!! あんなの見せられて理性を失う人間がいないと思う!!」
「いや、私は別に子供の素肌を見ても特に何も思わないけど」
柳瀬先生の言葉に他の先生方も頷く。
「とにかく私は純真無垢な天使達の素肌を見せられて理性が吹っ飛びそうにならないように頑張ったのよ、本当に大変だったんだから、ほら、こうして思い返すと・・・・・・ぐはあっ!!」
思い出したのか佐藤先生は耐え切れなくなり鼻血を出して倒れるのだった。
「って、佐藤先生大丈夫ですか!!」
一条先生が駆け寄り佐藤先生を起こす。
鼻血が出ているが今にも昇天しそうなくらい幸せな顔に満ちていた。
「はあ、天使達よ、何て美しいの」
「幸せに満ちたような顔をしてますね」
「あー、やっぱりまたこうなったか、山岡先生手伝ってもらって良いですか?」
「良いですけど、佐藤先生のこれはどうにかならないんですか?」
「確かにもう慣れたけど、これから入る新人の先生にこれを見せるとなると厄介な状況になりそうだね」
「まだ六年生の子達が残ってますから、この調子だと・・・・・・また起きますよね」
和久井先生、桜井先生の言う事に他の教師達も頷くのだった。
そしてそんな事など知らずに佐藤先生は幸せな顔をしていたのだった。
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