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第352話 どうするか決まった

 呪いの人形を持ちながらレイアは魔王城に帰って来た。


「レイア様、お帰りなさいませ、いかがなさいましたか?」


 レイアの魔力を感知したライムがレイアを迎える。


「ああ、ちょっと用事があって帰って来たんだ、他の皆は用事で出かけているってところか」


「はい、今は幹部は私一人だけです、それで急に戻られてどうしましたか? それにその持っている人形は?」


「ああ、人間界にあった意思を持った魔道具だ、人間界で作られたから力に目覚めていないみたいだがこのままほっとくわけにもいかないと思って持って来たのさ」


「なるほど、そういう事でしたか」


『あらやだ、とっても素敵なおじさま』


 顔は変わってないが両頬に手を当てて今にもキャーと言いそうな感じである。


「おや、さすが意思を持った魔道具ですな、そのような言葉をいただき恐縮です」


『やだ紳士、ますます私の好みだわ~』


「こいつをどうにかしたいと考えてたらちょうどこれが欲しそうな心当たりを思い出してな、ライム、ミーミイはいるか?」


「ミーミイならちょうど今部屋におられます」


「そうか、ならちょうど良い」


 レイアはそのままミーミイと呼ばれる者の部屋に行くのだった。


「ミーミイいるか?」


 レイアが部屋の前で呼ぶと扉が開き中から少女が出てくる。

 その少女は見た目はシャロと同じくらいの身長で黒のゴスロリ系の服を着ている。


「レイア様、どうしました?」


 ミーミイと呼ばれた少女は答える。

 ミーミイ、魔族の女性でありレイア軍第四部隊の隊長をしている。


「ああ、お前に見せたい物があってな」


「見せたい物?」


「これだ」


 レイアは持っていた人形をミーミイに見せる。


「これは」


「人間界で拾った意思を持った魔道具だ、お前持ってた人形が壊れたって言ってたろ? そのせいでどこか落ち着かないって、だからこいつはどうかと思ってな、お前の好みにも合うと思うんだが」


 ミーミイは人形を手に取りじーっと見つめる。


『・・・・・・』


「・・・・・・」


『・・・・・・』


「・・・・・・」


『・・・・・・』


「・・・・・・」


『・・・・・・っていつまで続くのよ、この間は!!』


 見られた事に痺れを切らしたのか人形が声を上げる。


「・・・・・・」


 ミーミイは人形を色々な角度から見て手を動かし足を動かし顔を伸ばしたりする。


『ちょっとアンタ、無言でやってんじゃないわよ、めっちゃ怖いわ!!』


「・・・・・・」


 最後にミーミイは人形を両腕で抱えて手に持つ。


「・・・・・・」


「ミーミイ、どうだ?」


 一通りの確認を終えたと判断したレイアはミーミイに問う。


「これ、凄く良い」


「そうか」


「とてもしっくりくる、凄く良いです」


「なら良かった、これからそいつを頼む」


「はい、ところでレイア様」


「何だ?」


「子供の姿で人間界にいるとは聞いてましたが、本当に子供の姿なんですね、私より小さい」


「まあ、お前より小さな子供達のいる学年だからな」


「いつも私の方が見上げていたのに、これはこれで新鮮な感じですね」


 レイアを下に見ながら淡々とミーミイは言う。


「ああ、それより僕が人間界に行く時はいなかったが、他の隊長達はどんな感じだ?」


「皆レイア様がいなくても特に問題ないです、レイア様がいなくても大丈夫なように鍛えられましたので」


「そうか、何か変わった事は?」


「魔族側にはありませんが、人間側にはあります」 


「人間側? もしかして帝国の事か?」


 レイアの問いにミーミイは頷くのだった。



読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「スキルホルダーの少女達」もよろしくお願いします。

それとこの作品のショートストーリーを投稿しました。

興味があれば見てくれると嬉しいです。

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