第344話 可視化
「それで梓美、どういう事なんだ?」
「わかった、説明をする」
沙月の問いに梓美は説明するのだった。
「あれはそう、朝早く登校して作っていた発明品を動かして見たら何やら思ってたのと違う反応が起きてな、そしたら大きな音がして大量の煙が出てしまったんだ、それで煙が晴れたら」
「この頭の数字が出ていたと」
「その通りです」
沙月の問いに梓美は答える。
ちなみに今梓美は正座した状態で座っていて首から反省してますと言う札を下げているのだった。
「それより何で亜子もいるんだ?」
沙月が言うと隣には亜子が同じように正座した状態で座っていて首から連帯責任と言う札を下げている。
「いやぁ、嫁の責任は旦那の責任とも言うしねぇ、あずみんの責任は私の責任だよぉ」
「誰が嫁だ!!」
「でも相沢さん、あずみんだって悪気があったわけじゃないんだよぉ、ちゃんと設計して作った発明品がいきなりこんな反応を起こすなんてあずみんにも予想できなかったんだから」
「亜子」
「だから、あずみんの事をあまり怒らないであげて」
亜子が懇願するように沙月に言うが沙月は特に怒っているわけではなかった。
「別に怒ってるわけじゃないよ、ただ何でこうなったのか知りたかっただけだから、それでこれはどうなるんだ?」
「おそらくだが一時的なもので時間が経てば消えると思うし、数字が浮かんでるだけで人体とかに害はないからそこは安心してくれ」
「そうか、ところでこれ何の数字なんだ?」
「それは、わからない」
「そうか、気になるけどわからないなら仕方ないか」
何の数字かはわからないが特に何の問題もなくいつもの学園生活が始まるのだった。
「結局この数字何なんだ?」
「先生の頭の上にもありましたね」
「でも一番気になるのは真央ちゃんの数字だね」
「「「確かに」」」
真理亜に言われて真央の頭を見ると数字の隣に?マークなどがついている。
「真央のだけ何かゲームでバグった時の表示になってるよな」
「真央姉さんだけ特別って事?」
「謎が謎を呼びますね」
「・・・・・・」
真央は自分の頭の数字を見るが特に気にした様子ではなかった。
他の子達も数字の事での話になっている。
「私の数字、花音より小さいね」
「この数字何なんだろうね」
「見た所、わたくしの数字がかなり高い方ですわね」
「茜様が高いという事はそれなりの基準という事でしょう」
「財力とかでしょうか?」
「それでしたらわたくし、そんなにお小遣い貰ってませんわよ」
「じゃあ、将来率いていく部下の数とか?」
「いくらなんでもこんな大勢な数を率いて行くとなるととんでもなく大きな会社を持つ事になりますわね」
「ミーシャの数字もかなり大きいよね」
「茜さんとかも大きいからやっぱ何かしら優れている何かかな?」
「私達三人は同じくらいだけど」
「うん、何な、ん、だろう、ね」
こんな感じで他の子達も数字について色々な考察を述べたりしていた。
「本当にこの数字何の数字なんでしょうね?」
「やっぱ気になるな」
「私この数字が可視化する動画アニメ見た事あるけど、大体はとんでもない内容だったりするよね?」
「彩音ちゃん、とんでもない内容ってどんなの?」
「えっとね、今まで嘘をついた数だとか今までいじめて来た数だとか何か悪い事をした数とかでそのせいで今まで友達だった子達と嫌な関係になっちゃったりとかって内容だったかな」
「この数字もそんなのだったら嫌だな」
「いや、それはないんじゃないのか」
「そうですね、もし悪い事をした数字ならこんなに高いわけないですし、仮にそうだとしたらとんでもない悪ガキって事になりますね」
「そもそも、この数字が何なのかわかる方法ならあるだろ?」
「「「「え?」」」」
真理亜達だけでなく皆の視線が真央に向く。
「これは梓美が作った発明品がちょっとした化学反応でこうなったんだろ? だったら梓美に何の発明品だったのか聞けば良いんじゃないのか?」
「あ、そっか、それがわかればこの数字もそれと関係した数字かもしれないね」
「その通りだ真理亜、梓美に聞いて何の発明品だったのかを聞けば良い」
真央に言われて早速梓美に発明品が何だったのかを聞きに行くのだが。
「その、すまないが何の発明品なのかわからないんだ」
話は振り出しに戻るのだった。
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