第339話 予想会
「それでは私が司会の立ち位置をやらせていただきますね、お題は今後出る魔法少女の物語を予想です、皆さんたくさん予想してみてください」
「番組でこんな感じにやるのあったな」
「それでは皆さん挙手をして発言してください」
「じゃあ、はい!!」
「はい、彩音さん」
「私が今後予想する魔法少女は体術を主体にやる魔法少女です」
彩音が拳法のような構えをして言う。
「それはどんな感じですか?」
「今までの魔法少女ってマジックアイテムなどの武器を使うのが当たり前だったから拳法などの体術を使うのが主な感じになると思うんだよね、体術が主体だけど手から炎を出したりとか風を纏ったりするのが魔法要素だね」
「なるほど、魔法と体術を組み合わせた魔法少女ですか、面白そうですね」
「彩音、お前真面目に考えてるんだな」
「何言ってるのさっちゃん、魔法少女なら真面目に考えるよ」
「それくらい勉強も真面目にしろよ」
「最初から面白い予想をしてくれましたね、では次の方どうぞ」
「じゃあ」
「はい、真央さん」
「僕が予想するのは色々な世界を行く魔法少女だな」
「それはどんな感じですか?」
「まず物語の舞台はかなり未来な世界で色々な世界が存在していてその世界に異変が起きると全ての世界に影響が起きてしまうからそれを防ぐために異変があるかどうかを確認する施設が存在して主人公はその施設で暮らしている少女なんだよ」
「おお、それで」
「それである日一つの世界に異常な反応があってその世界にある強大な力が封印されているカードのような物が存在して、その封印を解いてしまった敵が現れて封印されていた人の姿をした者や怪人の姿をした者達がたくさんの世界に散らばって大変な事になってしまうんだ」
「凄い展開ですね」
「で、そのカードに封印されていた者達を再度封印するために主人公が色々な世界を旅して行くって物語なんだ、そして主人公はただ封印させるだけじゃなくて封印したカードを使えば封印した者の力を使う事ができて敵の幹部クラス達も同じように封印されているカードを使う事ができる設定」
「なるほど、敵を封印して敵だったものの力を使って戦う事ができる魔法少女ですか、面白いですね」
「じゃあ、次は私良いかな?」
「はい、真理亜さん」
「えっと、私が予想している魔法少女は魔法少女花みたいに本格的に魔法を使う物語で主人公達は魔法の国に住んでいてそこで一人前の魔法使いになるために修行しているんだけどある日闇の魔法使いの集団が現れて魔法の国を支配しようとするの」
「王道な話ですね」
「それで、闇の魔法使いの集団を倒した後でさらに大いなる災い的な感じでこう混沌を司る神々との戦いになるみたいな感じのお話だよ」
「一つの組織を倒したら別の大きな存在しかも神々との戦いは今までになかった展開で面白いですね、さて次は沙月さんですね」
そう言って唯は沙月に対してどこか期待している眼差しを向ける。
「何だよ、その期待感たっぷりな目は?」
「いえ、魔法少女の作者の妹ですからきっと凄いのを用意しているかと」
「何だよそれ、優秀な姉の妹だからって必ずしも妹も優秀だとは限らないんだからな、そんな大した事じゃないぞ、期待するなよ」
前もって沙月はそう言って自分の予想を言う。
「私の予想する魔法少女は、魔法少女同士のバトルみたいなものだよ」
「魔法少女同士のバトルですか?」
「ああ、去年出た魔法少女オールバトルのゲームをやってた時に思いついたものでさ、魔法少女がいわゆるスポーツとかゲームとかそんな感じの競技になっている世界で主人公達が魔法少女に変身して相手チームの魔法少女と戦ったり立体映像で出した怪人達と戦ったりして競い合うって感じだよ」
「おお、魔法少女をあえて競技の選手としてゲームという感じにするのですか」
「そう、でも試合中に事故が起きて立体映像だと思っていた怪人が実体化して襲い掛かって来てパニックが起きるわけ、それでこの競技には何か裏があるんじゃないのかって感じで主人公達はその真実を探していきながら敵や怪人達と戦うって物語になっていくんだ」
「楽しいエンターテイメントの裏にある恐ろしい事実を炙り出すって事ですか、リアルでもよくある闇って奴ですね」
笑顔で言う唯だが闇という部分で唯の顔が若干影が掛かった気がするのは気のせいだと思いたい。
「皆さん面白い予想ですね」
「そういう唯は何かあるのか?」
「私ですか?」
「そうだよ、私達皆予想を出したんだから、アンタも当然何か考えてるんだろ?」
「ええ、じゃあ、はい」
「ええっと、はい、唯さん」
沙月に言われて唯は自分の予想を言う。
「私の予想する魔法少女は大学生が魔法少女に変身する物語ですね」
「大学生が?」
「はい、魔法少女乃亜で魔法少女恵がいたじゃないですか」
「ああ、女性の警察官が変身する魔法少女だな」
「そうです、今まで大人の魔法少女は彼女だけでしたがここで二人目の大人の魔法少女が出てくるのですよ、大学生で成績も良いけどたった一つ他の人には言えない秘密がありそれが魔法少女として人々を襲っている怪人から守っているって物語です、変身すると中学生くらいの見た目の魔法少女になるのですが主人公は良い歳して魔法少女の姿になるのに何かしらの抵抗があるって設定ですね」
「大学生が中学生くらいの魔法少女ねぇ、意外とありな気がするな」
「そうなんです、そして今までの魔法少女と違って大学生だから恋愛要素もあるって感じで」
「まあ、それもありな気がするな」
「さて、皆さんそれぞれ予想が出ましたけど、どれも面白いものでしたね、さてそろそろお時間となりましたので、それでは皆さんご清聴ありがとうございました」
唯がそう言って頭を下げると真央達も流れに乗って頭を下げるのだった。
「いや、オチまで番組風かよ」
その日の夜沙月の家にて。
「へえ、凄いね皆エスパー? 魔法少女彩が終わったらその後の魔法少女シリーズ十作品ほど考えていて皆が予想したものもあるし何なら半分は最終話までのプロットもできてるのよね」
「・・・・・・」
沙月の姉卯月の言葉に沙月は自分の姉は漫画家としては異常で天才過ぎる事を思い知るのだった。
読んでいただきありがとうございます。
同時に投稿している作品「スキルホルダーの少女達」もよろしくお願いします。




