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第326話 魔王様一向、観光 ルーグとライオル 3

「ルーグ、お前」


「わかっているさ、何を言ってるんだろって」


 ルーグは自分でもバカな事を言ったと苦笑いをする。


「だが思ってしまうんだ、この世界の人間達を見ているとな、まだほんの少しの時間なのに何かを語り合ったわけでもないのに、それでもこの世界の人間を見ていると我々の世界の人間達ももしかしたらと思えてしまったんだ」


「お前の言いたい事がわからないわけじゃねえ、俺だってもしかしたらって思ったさ」


 ライオルも自分の思っている事をルーグに言う。


「この人間界は本当に素晴らしい所だここにいる人間達なら友好的になっても良いと思えただが我々はこの世界の者ではない、しかしそれでもいい加減に我々の世界の人間達との戦争など終わらせて新たな道を進むべきなのではないかと思っている」


「確かにな、俺達から人間の領土に手を出すなんて事は野良の魔族以外にはいないのに何故か人間達は俺達が魔王が人間を支配しようと考えているそうだな、現に勇者召喚で勇者を召喚して俺達魔族領に攻め込んでいるしな」


「そうだな、我々は攻め込んだ人間達を倒してきた、だがそれももううんざりだ」


「ああ、そうだな」


「だからこそ、ここの人間達を見て初めて友好関係を築きたいと思えるようになったんだ」


「ああ、俺も同じだ」


 まだ来て大して時間が経っていないのに二人はこの人間界が気に入っていた。

 そして本心からこの世界の人間達と友好的になりたいと思っていた。


「だがそれは難しい事だと思うぞ、今も俺達は戦争をしているんだからな」


「そうだな、もう何百年も前から魔族と人間の戦争は続いている、まるでどちらかが全滅するまで決して終わらないと思わせるくらいに」


「まあな、俺達が生まれる前から人間との争いは続いてるって言うしな」


「事の発端は何かと言われれば人間達が他の種族に酷い扱いをしたからと聞くが今の人間達はそんな事も知らずにただ我々魔族が人間の敵だと思っているのだろう」


「だったらなおさら難しいかもな、そもそも今まで敵だと思っていた奴と仲良くなりたいなんて言って今更それではいわかりましたってできる問題じゃねえだろ?」


「そうだな、そもそもそれで納得する者達がいるとも限らない」


「もし、友好的に接する気があるのなら少しづつ変えていくしかねえ、それこそ長い時間を掛けてな」


「・・・・・・」


 ライオルの言葉にルーグは目を閉じてしばらく沈黙して顔を上げる。


「ああ、確かに長い時間が必要になるな、話を聞いてくれて感謝する」


「なぁに、良いって事よ、俺も思う所はあったからな」


「そうか」


 ルーグとライオルはそのまま動物達を見ている。


「そろそろ、行こうか」


「ああ」


 そして二人はそのまま帰るのであった。

読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「スキルホルダーの少女達」もよろしくお願いします。

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