第30話 沙月とのコミュニケーション 2 沙月は彩音の事について語る
「どうした? いきなり彩音の事どう思ってるかって」
沙月からの質問に真央は疑問に思う。
「いや、あいつアンタの事真央姉さんって呼んでるからさ、アンタが嫌がっていないかなって思ってさ」
「僕は特に気にしてないけど、向こうでも僕の事を姉として慕ってたのがいたから呼びやすいように呼んでくれればいいさ」
「そうか、ならいいんだ」
「話はそれだけでは、無さそうだな」
「ああ、そうなんだアンタ彩音と昨日二人っきりで話した内容あれってごまかしただろ?」
「!!」
沙月の問いに驚く真央。
普通に話したと思っていたら嘘だとばれていた。
「大方真理亜と仲良くしすぎるなとかそんな事だろ? 真理亜と結婚したいからとか言ってたんだろ?」
「ああ、そうだが何でわかったんだ?」
「彩音とは幼馴染なんだよ、付き合いも長いから何となくね」
「なるほど」
「まあ、アンタの気持ちもわかるよ、彩音を変な奴だと思わせないためにごまかしたんだろ? ごめん気を遣わせて」
「いや、別にいいけど」
真央は気にしてない事を沙月に言う。
「そうか、なら良かった、で聞きたいのは彩音の真理亜に対する恋心みたいな事なんだけど、マズいとは思わないか?」
沙月に言われて真央は考える。
「確かに僕が出会った人間の中である意味危険だとは思うがそんなにマズいのか?」
「ああマズいな、あれはそう、この前あいつの家に遊びに行った時の事だ」
沙月はその時の事を語りだす。
~沙月回想~
「さっちゃんいらっしゃい、上がって上がって」
「お邪魔します」
沙月は彩音の家に遊びに来ていた。
「じゃあ、お菓子とジュース持ってくるから待ってて」
「ん、わかった」
彩音はお菓子とジュースを取りに部屋を出ていく。
「んじゃ、適当にマンガでも読んでるか」
沙月は彩音の本棚から適当にマンガを手に取る。
「お、新刊出てたんだ、ん? 何だこれ?」
沙月は一冊のノートを見つける。
気になって手に取って見てみる。
「んーと何々」
そこには彩音がその日にあった出来事が書かれていた日記かと思っていたがページを進めていくうちに手が止まる。
「何だよこれ」
そこには真理亜について書かれている事がほとんどだった。
「今日も真理亜ちゃんはかわいかった、将来結婚したいなって、なんじゃこりゃ」
「さっちゃん何見てるの?」
「!!」
振り向くとそこにはお菓子とジュースを手に部屋に入っていた彩音の姿があった。
「それ、見たんだね?」
「いや、これはその、たまたま見つけたと言うか」
「見たんだよね?」
「・・・ああ見たよ、でも本当の気持ちなのかここに書かれてる事は?」
沙月は彩音に問う。
「うん、そこに書いてあるの全部本当の気持ちだよ」
彩音は正直に答えた。
「日付からして、真理亜と友達になって少ししてからだな」
「うん、おかしいって思うでしょ? でも好きなんだもん私は真理亜ちゃんが好きなんだもん、さっちゃんはそんな私の友達をやめたいと思う? 嫌いになった?」
「いや、やめないけど」
「え?」
「だから、友達やめないって言ってるんだよ、確かにそう言うの私はどっちかって言うとやめた方が良いと思うけど、お前のそう言う一面を知っても私はお前の事を友達だと思っている、だから私はお前の友達をやめる気はない」
沙月は自分の意思を彩音に伝える。
「さっちゃん、ありがとう」
彩音は泣きそうな顔で沙月に感謝を伝える。
それを見て沙月はやれやれと笑っていた。
どうやら一件落着のようであると思われていたが。
「ん? 何だもう一冊あるぞ」
ふと本棚を見た沙月はもう一冊のノートを見つける。
手に取って見ると、沙月は驚愕した。
そこには真理亜の写真がノートにびっしりと貼られていたのである。
「あ、そっちは真理亜ちゃんの色々なかわいい写真を貼ったんだ」
彩音は笑顔で答える。
「でもさっちゃんはこんな私でも友達だと言ってくれて嬉しいよ」
彩音はニコニコしているが、沙月はわなわなと震えあがりそして。
「アホかあ!! 友達でも受け入れる事に限界はあるわぁ!!」
と沙月は言うのであった。
~沙月回想 終~
「と言う事があったのよ」
「それはもうヤバいんじゃないのか?」
沙月の話を聞き真央は彩音が危険人物のように思えてきた。
「そうだよな、やっぱりヤバいと思うよな?」
「ああ、正直もうヤバすぎるとしか言いようがないんだが」
「でも、悪い奴じゃないんだよな」
沙月の言う事に真央も首を縦に振る。
「うん、確かに僕も悪い奴だとは思わないけど」
それでも真理亜を守るために来た真央にとってはある意味危険人物になりつつあったのだ。
本当にどうしたものか。
「そこで、私は何とかしようと考えた真央にもぜひ協力してほしいと思っているんだ」
「僕に協力してほしい事?」
「ああ、協力者は多い方が良いからな」
「とりあえず聞いて良いか?」
「そうだな、まずは聞いてから決めてくれ」
そう言って沙月は。
「あいつを更正させようと思う」
自分の考えを言った。
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