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第300話 ホワイトデー 後編

300話目になりました。

「実里、花音、バレンタインデーのお返しのクッキーだ」


「わあ、ありがとう、真央ちゃん」


「ありがとう、真央ちゃん、美味しそう」


「ほら、奈木、ホワイトデーのクッキーだ」


「おお、ありがとう、真央ちゃん」


その後も真央は、まず自分のクラスからチョコをくれた子達と言っても全員なのだが、全員にクッキーを渡す。


「ありがとう、真央ちゃん」


「ありがとう、宇界さん」


 全員に配り終えた真央は、亜子のリストに書かれた子達のいるクラスを近い所から配りに行くのだった。


「茜、バレンタインのお返しのクッキーだ」


「あら、宇界さんありがとうございますわ、喜んでお受け取りしますわ」


「こっちは、八重と凛と雅美の分だな」


「私達の分も用意してくれるとは」


「本当に全員分あるんだな」


「ありがとう」


 真央は、茜のクラスにいるチョコをくれた子達にクッキーを配り終え次の場所に向かう。


「智代、バレンタインのお返し」


「ありがとう、宇界さん」


「こっちは、理子の分な」


「義理チョコなのに手作りのお返しなんて悪いね」


「これが京の分だ」


「ありがとう、宇界さん、美味しそうね」


 今度は、智代達のいるクラスに行きそのクラスでも配り終えた真央は、次の場所に向かう。


「梨絵、ホワイトデーのクッキーだ」


「ありがとう、宇界さん、おお、手作りだ」


「これは、友里子の分だ」


「ありがとうございます、手作りとは、嬉しいですね」


「これが、楓の分」


「ありがとう、とても美味しそうだね」


 次は、梨絵たちのいるクラスに行き配り終えた真央は、次の場所に向かおうとしたがここでチャイムが鳴ってしまったので一旦教室に戻るのだった。


「まだ、たくさん送る子達がいるな」


 給食を食べながらリストを見る真央。


「まだ、たくさんあるね」


「昼休みも行くのか?」


「ああ、昼休みで全部渡せそうだからな」


「真央姉さんって律儀だよね」


「そんな真央さんだからたくさん貰えたのかもしれませんね」


 給食を食べ終えて真央は、再びクッキーの入った袋を持って配りに行く。


「伊吹、バレンタインのお返しだ」


「ありがとうございます」


「はい、これが弘美の分だ」


「ありがとう、宇界さん」


 真央は、伊吹達のクラスに行きそこでも全員に配り終え次へと向かうのだった。


「ほらシエラ、クッキーだ」


「わあ、ありがとうございます、お姉ちゃん、永久保存しておきますね」


「いや、ちゃんと食べろよ、クッキーがかわいそうだろ」


 真央は、シエラのクラスにも来ていた。

 と言っても貰ったのは、シエラとその友達の樹里と奈津美の三人からである。


「そして、こっちが樹里と奈津美の分だ、これからもシエラと仲良くしてくれ」


「ありがとうございます」


「ありがとうございます、大姉様」


「ああ・・・・・・大姉様?」


 樹里から何か妙な呼ばれ方をされた気がしたが気にせずに真央は、次の場所に向かうのだった。


「雪音、チョコのお返しのクッキーだ」


「おお、ありがとう、まお姉!!」


「そしてこっちが美優の分だ」


「あ、ありがとうございます」


 雪音と美優の二人からも受け取っていたので真央は、雪音のクラスにも行きクッキーを配り次に向かうのだった。

 それからも次々と配りに行きいよいよ最後のクラスに到着する。


「晴香、英美里、聖奈、バレンタインのお返し」


「ありがとう、宇界さん」


「わあ、美味しそうなクッキー」


「ありがたく頂戴する」


「真央?」


 晴香達にクッキーを渡していると、ミーシャが教室に入って来る。


「お、ミーシャちょうど良い所に来たな、ほら」


 真央は、ミーシャにクッキーの入った袋を渡す。


「これ、は?」


「バレンタインのお返しのクッキーさ初めて作ったから形は、あれかもしれないが味は、問題ないさ、全員分に配っていてな、お前が最後の一人さ」


「てづ、くり、真央、の」


 ミーシャは、真央からクッキーを受け取る。


「これで全員に配ったな、じゃあ僕は、これで失礼するよ」


「真央、あり、がとう」


「ああ」


 真央は、そう言ってミーシャのクラスを出て行き自分のクラスに戻るのだった。


「真央、の、てづ、くり」


 真央が帰った後、ミーシャは、真央がくれたクッキーを見て笑顔になる。


「ミーシャとても嬉しそうだけど」


「私達と同じ、義理クッキーだよね、どうしたら良いんだろう」


「本当にそう思うか?」


「「え?」」


 聖奈の言葉に晴香と英美里は、疑問に思う。


「よく見て、ミーシャのクッキーの形と私達のクッキーの形」


「クッキーの形、うーん、あ!!」


 ミーシャの袋のクッキーをよく見ると一つだけハートの形をしたクッキーがあった。


「ハートの形のクッキーが一つだけ」


「本当だ、私達のクッキーには、ハートの形何て一つもない丸いクッキーだよ」


「そう、ハートのクッキーが一つだけ、つまり宇界さんもミーシャに対して少なからず思う事があると言う事」


「「おお!!」」


 晴香達は、盛り上がっていたがそんな事はない。

 普通に考えればわかる事、真央は、クッキーを袋の上から取って皆に渡していたのだもし、ミーシャにハートの形のクッキーを渡すなら自分で取っておいて渡すと思われる、しかし真央は、大きな袋に入ったクッキーを渡していた、つまり真央は、意図的にハートの形のクッキーが入った袋を渡してなどいないのだ。

 しかも、ハートの形と言うが大方焼く時に何かしらの事があってハートの形に見えてしまっているだけである。

 晴香達がこんな話で盛り上がっているがそんな話をしているなんて真央とミーシャは、夢にも思わなかった。


 こうして真央のホワイトデーは、無事終わったのであった。

読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「絶望と怨みから生まれた何か」もよろしくお願いします。

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