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第297話 海外校との交流 前編

 卒業式の準備を進めているが卒業生以外の学年の生徒にはイベントがある。

 それは海外の学園の生徒との交流である。

 毎年三月になると各学年のクラスに海外の生徒を呼びお互いに海外の人達とのコミュニケーションを取る授業を行うのである。

 真央達も当然海外から来た生徒達との交流を行っている。

 毎年来る国は違いたくさんの国の言葉を知る事も兼ねての交流であると思われる。

 ちなみに今年はフランスの学園が来ている。


「しかし、毎年思うけどよくこんなにたくさん来るよな」


「しかもこんな広い会場もあるからたくさんの人を呼べるもんね」


 彩音の言う通り今いる場所はとても広い場所である。

 例えるならば魔法学園に出て来るあの物凄く広い場所を想像してくれると良いだろう。


「この学園本当に広いですよね、どれくらいの費用が掛かっているのか見当もつきませんね」


「正直この学園で映画でも作れるんじゃないのかって思えるよな」


 沙月の言う通り本当に映画撮影ができるくらいの広さである。


「真央ちゃんはフランス語って話せるの?」


「それなんだが、付け焼刃だからな、挨拶と自己紹介ぐらいしか話せないな」


 真理亜の問いに真央は答える。

 英語は何とかできるが他の国の言葉はあまり使わないから今回フランス人との交流を聞いた真央はフランス語を勉強したがそれでも期間が短かったため基本的な部分しか話せないのであった。


「じゃあ、私が一緒にいて通訳してあげるね」


「ああ、頼む」


 真理亜が通訳をしてくれる事に真央は取りあえず安堵する。

 それからフランスの学園の生徒達が来て交流が始まる。

 真央も真理亜と一緒に挨拶と自己紹介をしてからは真理亜に通訳をしてもらいながらフランス人との交流を深めていく。

 そして、各学年の交流を見て奥の方では清涼女子学園の理事長とフランスの学園の理事長が話し合っていた。


「三上理事長今回は我が学園の生徒達をお招きいただき感謝します」


「いえいえ、こちらこそ来ていただき感謝します、それにしても日本語お上手ですね」


「他国に行くのですから、その国の言葉くらい勉強してますよ」


「そうなんですね、私もフランス語を勉強してますが流暢に話すのは怪しい方なんですよ」


「そうですか」


 二人の理事長は笑っているがその内心は明らかに違うものだった。


(全く、見た目が若いからって調子に乗らない事ね、私の学園の子達が上だって事をこの交流で教えてあげるわ)


 フランスの学園の理事長は清女の理事長に比べて中年くらいの年齢のため若くして理事長になった三上理事長を良く思っていなかった。


(何となく私に対して何を思っているかわかりますね、自分の学園の方が上だとか思っているんでしょうね、でもこの交流は優劣を決めるのではなくあくまで生徒同士が仲良くなるための交流なのですがね)


「楽しませてもらいますよ」


「ええ、存分に楽しんでいってください」


 そんな二人の内心は表に出さず、表向きはお互い友好的な関係を築いている。

 そんな事が起きている事なんて知る由もない真央達はフランスの生徒達とコミュニケーションを取っていた。

 

「あ、真央ちゃん、ちょっとおトイレに行ってくるね」


「ああ、ここで待ってるよ」


 真理亜がトイレに行っている間に真央はその場で一人待っている。

 その間に真央は他の人達を見ていた。

 

(凄いな、皆普通に話せている)


 真央以外の生徒達は皆フランスの生徒と話せている事に素直に凄いと思っている。


(沙月と唯は当然だけど彩音がフランス語をペラペラ話せるのは驚いたな)


 真央の思う通り、沙月と唯はわかるが彩音まで普通にフランス語を話して仲良くなっている姿が見えた。


(真理亜が帰って来るまで話し掛けてくる子がいなければ良いが、話し掛けられてもフランス語、わからないしな)


「ネエ」


「ん?」


 真央に話し掛けて来るフランス人の女の子が一人。


「ヒトリデイテ、アナタボッチナノ?」


「ん?」


 フランス人の女の子が失礼な事を言って来たのだった。


読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「絶望と怨みから生まれた何か」もよろしくお願いします。

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