表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
301/459

第294話 雛祭り

 今日は、三月三日。

 人間界には、雛祭りと言うものがある。


「これがそのお雛様と言うやつか」


「ああ、と言っても普通のお雛様じゃないけどな」


 真央達は、沙月の家に飾られている雛人形を見ている。


「魔法少女達のお雛様ですね」


「凄く綺麗」


「一番上が舞でそれから後に出て来たのが下の段に続いているんだね」


「姉ちゃんから、雛人形と魔法少女シリーズがコラボするって聞いたけど、実際には、ネットでの限定販売らしくてな、でその完成品が原作者の姉ちゃんの元に届いたらしくて、それで今年の雛祭りに飾ったってわけ」


「ネットの限定販売っていくらくらいするんだ?」


「姉ちゃんが言ってたが大体二十万ちょっとらしいぞ」


「に、二十万!?」


 沙月の言った事に彩音は、驚く。


「魔法少女シリーズは、ただせさえ人気だからな、それくらい金を出す大きなお友達がいるみたいだ」


「大きなお友達って?」


「真理亜さんは、知らなくても良い事ですね」


「うん、真理亜ちゃんは、知らなくて良いよ」


「えー、また私だけ知らない事なのー」


「真理亜、僕も知らないから一人じゃないさ」


「まあ、とにかくそれだけ期間限定な雛人形らしいんだ」


「じゃあ、コレもし壊したりとか汚したりとかしたら」


「間違いなく、コレクターなら二十万弁償しろって言うだろうな」


「ひいー、何でそんなのこんな堂々と出して置くのー!!」


「心配するな、汚しても弁償請求は、しないから、大体それが嫌ならわざわざこうやって出したりしないだろ?」


「だ、だよね、そうだよね」


「まあ、それでも自分の家の雛人形汚されたら怒りはするがな」


「ひええ、絶対汚さないように雛人形の近くは、通らないよ」


 彩音は、雛人形と距離を取って移動する。


「そう言えば今年は、この魔法少女の雛人形ですけど、いつも出していた雛人形は、どうしたのですか?」


「ああ、それなら、別の部屋に出してあるぞ、まあ来年は、いつも通りこっちに出して魔法少女の方は、姉ちゃんの部屋に大切に保管するそうだ」


「それなら良かったです、前の方をしまったり、捨てたりしていなくて」


「そんな事しないよ、呪われたり祟られたりしたらたまったもんじゃないからな」


「何だ、呪いや祟りって?」


 真央が沙月に聞く。


「ああ、小さい頃に亡くなった、婆ちゃんが言っていたんだけどな、雛人形には、魂が宿っていて大切にしてくれる家には、幸せが訪れるけど、大切にしなかったり、出すのを忘れてそのままにしたり、新しいのを買うために古いのを供養せずに捨てたりしたらその家に呪いや祟りが降りかかるって聞かされたんだよ、普段は、優しい婆ちゃんがあんなに真剣な顔で話してたから冗談に聞こえなかったから、雛人形は、絶対に出すのを忘れないようにしようってなったんだよな」


「そんな事があるのか?」


「まあ、婆ちゃんが物を大切にしなさいって意味で言ったのかもしれないな」


「いえ、沙月さんのお婆様は、冗談で言ったとは、言い切れませんよ」


「え?」


「人形に魂が宿っているかもしれないと言うのは、世界中で知られたりしていますからね、人形は、人の姿をしているから魂が宿りやすいのかもしれませんね、現に動画とかでも世界中の人形が勝手に動いたりする動画が出ていますからね、その人形と目が合ったら死んでしまうとか、呪われてしまうとか、実際にそう言う人形を厳重にケースの中に入れて展示したりしていますし、一般に発売されている人形でも首や手が勝手に動いたり、目が勝手に動いたりとか世界中でそう言った動画が実際に出ているんですよね、本物かどうかは、わかりませんが、少なくともそう言った話は、あるそうですよ」


「そんな曰くつきな人形が存在するんだな」


「ホラー映画とかでも人形に殺人鬼の魂が宿ったりとか、言われた通りに人形を扱わなかったら惨劇が襲ったりとかの映画がありますね」


「内容だけ聞くと面白そうだな」


「今度貸してあげますね」


「あー、二人共その辺にしとけ、約二名限界みたいだ」


 沙月に言われて見れば、真理亜と彩音がお互いに手を取って震えている。


「唯ちゃん、もうやめてよー、私もう自分の家の雛人形が見れなくなっちゃうよー」


「私も家に帰ったら、突然動き出したらどうしよう」


「ふふふ、ごめんなさい、でも大丈夫ですよ、あくまでぞんざいに扱わなければ良いのですから、大切に扱っていれば呪いや祟りなんて起きませんよ」


「そうだよ、なんか凄い怖い話になっちまったけど、今日は、雛祭りなんだから、ちらし寿司を食べようぜ」


「よーし、こうなったらちらし寿司食べて怖い事忘れるぞー!!」


「うん、たくさん食べて忘れようね」


「ちらし寿司は、華やかで演技が良いと言われているので、雛祭りには、持って来いですね」


「それは、楽しみだな」

 

 途中で怖い話も出たが美味しいちらし寿司を食べて雛祭りを楽しんだ事でいつの間にかその怖さもなくなっていたのだった。



読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「Sランク冒険者の彼女が高ランクの魔物の討伐依頼を受ける理由」もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ