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第292話 姉、参上

「レイア様、今日は外食でもしましょうか」


「別に構わないが、どこか食べに行きたいのか?」


「はい、ピザ屋さんに行きたいのです」


「ピザ屋?」


「ええ、他の先生方と話をしていたのですが、美味しいピザ屋さんがあると聞いて一度食べてみたいと思いまして」


「ピザって、このピザか?」


 レイアはテレビのピザのCMを見て言う。


「はい、このピザです」


「ピザか、何度かCMを見て食べてみたいなと思ってたから行くか」


 こうしてレイアとリズはピザ屋に外食しに行く事が決まった。


「ここがそのピザ屋だそうです」


 レイア達はピザ屋を見る。


「ザ・デリシャスピザ」


「はい、これがそのチラシです」


 リズに渡されたチラシを見る。


「何々、あなたに幸せの笑顔をお届け、ザ・デリシャスピザか」


「食べた人達は皆満足するそうですよ」


「そうか、ただ何だこのかつてどこかで感じたような感覚は」


 レイアは腑に落ちないような感覚を感じながらも店に入るのだった。

 店の中は広くたくさんのお客さんがピザを美味しそうに食べていた。


「おお、凄いにぎやかだな」


「主に若者や家族連れが多いですね」


「いらっしゃいませ、二名様ですか?」


「ええ」


「それではこちらの席へどうぞ」


 店員に連れられレイアとリズは席に着く。


「こちらがメニューになります、どうぞごゆっくり」


 店員が去って行きレイア達はメニューを見る。


「色々なのがあるな」


「あ、レイア様見てください」


「ん?」


 リズに言われた方を見るとそこには店員がピザを作っている所が見えた。

 ピザの生地をまるで流れるように綺麗に回しあっと言う間に綺麗な丸の形になっていく。

 その上にチーズや色々な具材を乗せオーブンに入れて焼いていく。

 その作業はがあまりにも綺麗でお客さん達も目を逸らさずに見ている。


「見事な連携だな」


「ええ、全く無駄のない動きです」


「実際に見せて客を楽しませるとはな、ただなんだろう、どこかで見た事あるようなこの店の雰囲気」


「ええ、私もこの店の雰囲気どこかで見たような気がします」


 店の雰囲気にどこか覚えがあるが気にせずにレイア達はメニューを見るのだった。

 そしてレイアはあるメニューに目が止まる。


「もはやピザと呼んで良いのかわからない、ジャイアントピザ?」


「ピザと呼んで良いのかわからないってどんなピザなんでしょう?」


「名前からして物凄く大きなピザなんだろうな、ただなんだろう、このネーミングもどこかで似たようなのを見たような」


「確かに見た事ありますね」


「そして何故だかわからないが僕はこれを頼まないといけない気がする」


「ではそのジャイアントピザと言うものでよろしいですか?」


「ああ、僕はこれを頼むよ、リズは決まったか?」


「はい、このチーズをふんだんに使った具材たっぷりのスーパーチーズピザにしようかと」


「そうか、じゃあ頼む」


「わかりました」


 リズは店員を呼び注文をする。


「ご注文を確認いたします、スーパーチーズピザ一つとジャイアントピザが一つですがジャイアントピザの方は、本当によろしいのですか?」


「ええ、お願いします」


「畏まりました、では少々お待ちください」


 注文を受け取った店員は去って行く。

 しばらくしてリズの頼んだピザが運ばれて来た。


「お待たせしました、スーパーチーズピザです、ジャイアントピザはもうしばらくお待ちください」


「わあ、美味しそうですね、いただきます」


 リズはピザを一切れ取り食べる。


「ん~、とても美味しいですね」


「そうか、僕のジャイアントピザも楽しみだな」


 レイアがそう言うと突然店内の照明が消える。


「あれ、停電ですか?」


「いや違う、それにこの演出は」


 レイアはだんだんと確信を得るような感覚に陥っていた。

 そして、照明が一点を照らす。


『いつ以来かね、このメニューを頼まれたのは』


 マイクを持った女性が話し出す。


『で、それを頼んだのはアンタだね?』


 女性が言った瞬間照明がレイア達のいる席を照らす。


「レイア様、私この状況に覚えがあるのですが」


「ああ、僕も覚えがある、物凄く覚えがある」


 レイア達がそう言っている間に女性がレイアに近づく。


『アンタだね? 弟達を負かしたのは』


「弟達って、まさかハンバーガーとステーキの」


『そうよ、そして私はその二人の姉よ』


((やっぱり))


 以前ステーキ屋の店主が姉がいると言っていた事を思い出し、間違いなくその姉は目の前にいる女性だとレイアとリズは確信する。


『弟達から聞いたからいつか来るとは思っていたからいつでも準備をして待っていたわ、さあ、始めましょうか』


 女性が合図をすると店員が二人で大きな皿を持って運んで来る。


『さあ、これがアンタが頼んだジャイアントピザよ』


 そしてその皿の蓋が開きジャイアントピザが姿を現すのだった。




読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「Sランク冒険者の彼女が高ランクの魔物の討伐依頼を受ける理由」もよろしくお願いします。


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