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第286話 ぽん丸頑張る 後編

 ぽん丸は、その後も苦戦と言った苦戦もせずに勝ち進んで行きついに決勝にまで進んだ。


『それでは、これより決勝戦を始めます、決勝に進んだのは、この二匹だ!!』


 決勝の部隊には、亜子とぽん丸、そしてその対戦相手は、あのガキ大将だった。


『さあ、まずは、去年の優勝猫、ライゾウ!!』


「ここまで勝ち進んだ事は、褒めてやるぜだが優勝は、俺のライゾウだ」


『そして、その相手は、今大会のダークキャット、ぽん丸!!』


「ぽん丸ここまで来たら優勝だよぉ」


『それでは、決勝戦スタート!!』


 決勝戦が始まる。

 そしてここからは、猫同志の会話をどうぞ。


『お前が決勝の相手か他の奴みたいに瞬殺されちゃつまんねーぜ』


『つまんねーかどうかは、戦ってみりゃわかるだろ』


『そうさせてもらうぜ』


 ライゾウは、ぽん丸に突進する。

 ぽん丸も同じくライゾウに突進する。

 お互いが激突しお互いに後ずさる。

 お互いの体格が同じなので力は、互角と言ったところである。


『やるじゃねーか、少しは、楽しめそうだ』


『おいおい、こんなんで満足されちゃ困るぞ』


『ほう、じゃあ次は、素手でやろうか』


『良いぜ』


 ぽん丸とライゾウは、互いに猫パンチを繰り出す。

 凄まじい猫同志の殴り合いが繰り広げる。


『ほう、俺の猫パンチと渡り合える猫の手を持つ猫がいたとはな』


『そうか、俺は、ただお前の猫パンチに猫パンチを繰り出してるだけだ』


『おら!!』


 ライゾウの猫パンチがぽん丸に当たる。


『ぐっ、うら!!』

 

 ぽん丸も負けじと猫パンチをライゾウに当てる。


『うっ、まだだ』


『それは、俺も同じだ』


 ぽん丸とライゾウの激しい殴り合いが続く。


「ライゾウ、負けるな!! お前は、最強の猫なんだ!!」


「行けー!! ぽん丸ー!!」


「おお、激しい戦いだな、猫同志のバトルってこんなに激しかったのか」


 土俵の外で亜子達の応援が聞こえる。


『やるじゃねーか、だが負けるわけには、いかねえんだよ、俺の主人期待に応えるためにな』


『俺だってご主人が喜んでくれるために負けられねえ』


『どうやらお互い』


『退けない理由があるようだな』


 ぽん丸とライゾウの攻防は、続く。

 その戦いに観客達も大熱狂を上げている。

 お互いに疲労が限界まで来る。


『まさか、こんな奴がまだここら辺にいたとはな』


『自分でも驚いてるよ、まさか俺がこんなにやれるとはな』


『だが、もう限界だ終わりにしようか』


『そうだな、もう終わりにしようぜ』


 お互いが臨戦態勢に入りほぼ同じ瞬間に駆け出す。

 そしてお互いに繰り出した猫パンチがお互いの顔に当たる。

 そのまま一瞬時間が止まったかのように見えるが先にぽん丸の方がよろける。

 ライゾウは、勝ったと思ったがその一瞬が命取りだった。

 ぽん丸は、踏ん張り猫の手をしたから振り上げ渾身のアッパーならぬ猫アッパーがライゾウの顎に直撃する。

 猫アッパーをもろにくらったライゾウは、そのまま地面に倒れる。


『・・・・・・へ、楽しかったぜ』


『ああ、俺もこんなに熱くなったのは、初めてだ』


 ぽん丸の言葉を聞いたライゾウは、笑ってそのまま気を失う。


「そこまで、勝者ぽん丸」


『決まったー!! 今年の猫相撲優勝者は、ぽん丸ー!!』


「やったよぉ、ぽん丸、優勝だよぉ」


 亜子は、ぽん丸を抱きしめる。


『なお、優勝したぽん丸には、高級キャットフード一年分が送られます』


「高級キャットフードだよぉぽん丸、いつものご飯より美味しいよぉ、でも高級キャットフードに慣れちゃったら困るから普通のご飯と交互に食べようね、賞味期限も見ておかないと」


「にゃー」


(正直高級キャットフードなんてどうでも良いがご主人が喜んでるなら良かった)


 そんな事を思いながらぽん丸は、亜子に抱かれる。


「くうー、ライゾウ大丈夫かー」


「にゃー」


 ガキ大将は、ライゾウを抱く。


「くそー、負けたが俺にとっての最強は、お前だぞライゾウー」


「そうっす、親分のライゾウが一番っす


「親分のライゾウ以外認めませんよ」


「お前等、おいお前、今回は、大人しく負けを認めるが次は、こうはいかないぞ」


「覚えていろっす」


「その勝利も一時の間だ」


 ガキ大将と取り巻き達は、そのまま帰って行く。


「結局彼等は、何だったんだ?」


「うーん、よくわからないねぇ」


 ガキ大将達を見ながら亜子と梓美は、言う。

 こうして猫相撲大会は、ぽん丸の優勝で幕を閉じるのだった。


「ところで今回僕は、いる意味があったのか?」


「いや、それを言うなら私もだが、と言うか何を食べているんだ?」


「おしるこ」


 そう言って真央は、おしるこを食べるのだった。

 なんだこのオチ。


 


読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「Sランク冒険者の彼女が高ランクの魔物の討伐依頼を受ける理由」もよろしくお願いします。

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