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第282話 新年へのカウントダウン

『レイアお姉ちゃん、どうしました?』


 リズのスマホでセレナのスマホに電話をしシエラに変わってもらいレイアが電話をする。


「今、紅白でセレーネが出てたんだが、あいつ歌手をしているのか?」


『そう言えば言ってませんでしたね、セレーネちゃんは歌手としてこの人間界で動いていますよ、学校に行かない子達はそれぞれ仕事とかをしています、セレーネちゃんは人間だった時も歌で仕事をしていて元の世界で歌姫と言われていましたからね、こちらの世界でもそれを仕事にして真理亜様の護衛にあたっていますよ』


「シエラ、今まで聞かなかったがセレーネ以外にもシスターズ達はどんな仕事をしているんだ?」


『そうですね、私が知っている限りだと声優をしている子やモデルをしている子、後探偵とかをしている子もいますし、普通にOLの仕事をしている子もいますね、他にも色々いますけど』


「わかった、取りあえず楽しそうに暮らしているようで何よりだな」


『私も別に良いんですけど、あまり目立ちすぎるのも危険かと思うんですよね、敵に見つかったらマズいですし』


「それは心配ないさ、あいつらだって鍛えてあるんだからな」


『もちろんです、でなければ真理亜様を護衛すると言う最重要任務なんて任せませんよ』


「そうだな、まあ話はそれだけだ、今年も残りわずかだがお疲れ様」


『はい、お疲れ様ですレイアお姉ちゃん、良いお年を』


「ああ、良いお年を」


 レイアはスマホの電話を切る。


「どうやら、シスターズ達はこの人間界で色々な仕事をしているようだ」


「人間界に馴染むためですね」


「まあ、とにかくセレーネの歌でも聞こうか」


 レイアとリズはセレーネの歌を聞く。

 歌姫と呼ばれるだけあって聞き入ってしまいそうに美しい歌声だった。


「さすがだな、美しい歌だ」


「そうですね、歌に関しては彼女以上の美しい歌を聞いた事がありませんね」


「あいつの歌は聞いている者を虜にさせるからな」


「あ、レイア様そろそろ大御所が出て来ますよ」


「あ、本当だ」


 レイアとリズは大御所が出て来るのを見る。


「話には聞いていたが、物凄くど派手な衣装だな」


「あれだけでどれくらいのお金が動いたのでしょうか?」


「あの衣装、紅白以外で他に使い道あるのか?」


「私達には到底思いつかない使い道があるのではないでしょうか?」


「まさか、倉庫に置きっぱなしなんて事ないよな?」


「深く考えない方が良い気がしますね」


「そうだな」


 レイア達はその後もテレビを見続ける。

 紅白を見て時々チャンネルをバラエティ番組に変えて見る。

 そうしているうちにもうすぐ新年を迎えるのに三十分を切るのだった。


「後、三十分で今年も終わりか」


「色々ありましたね」


「ああ、アイシスから真理亜の事を聞かされた時は驚いたな」


「そして人間界に行って真理亜様の存在を知りましたね」


「それから僕達はこの世界で暮らす事になったな、この世界の常識を覚えるのは苦労したがな」


「そんな事もありましたね」


「無事に真理亜達と同じ学園に入れて他にも友達ができたな」


「私も教師として入って楽しいです」


「真理亜の命を狙う者達もいたな」


「魔族だけでなく人間界の人間達に真理亜様が攫われましたね」


「その時、冷静さを失ってた僕をリズは叩いたっけな」


「本当に申し訳ありませんでした、もうお許しください」


「それで真理亜を守るためにシエラ達が来てくれたんだよな?」


「とても頼もしいお方が来てくれましたからね」


「それから夏休みとかでドラギオス達も来たんだよな」


「ええ、まさか元の世界の冒険者達が現れるとは思いませんでしたけど」


「その時に真理亜の命を狙う者達の正体に近づけたのも収穫だったな」


「それからバーベキューをしたり花火をしたりで楽しみましたね」


「運動会も中々面白かったな」


「騎馬戦は正に激戦でしたね、特にレイア様と最後に戦ったミーシャさんでしたね」


「ああ、あいつは中々面白いよ、僕達の世界に生まれてたらかなりの実力者になっていたかもな」


「それから、真理亜様の誕生日の事もあったそうじゃないですか」


「ああ、来年は盛大に祝われるかもな」


 レイアとリズはこの人間界で一年の事を思い返す。


「本当に色々な事がありましたね」


「ああ、色々な事があった」


「来年はもっと楽しい事があるかもしれませんね」


「それもそうだが、来年は僕達の敵を必ず見つける、いたずらに長引かせて真理亜の平和な暮らしを危険にさらすわけにはいかないからな」


「そうですね」


「まあ、振り返るのはここまでにして新年を迎えようか」


「そうですね、後十五分くらいですね」


「そう言えば、人気アイドルグループのカウントダウンコンサートが始まってるな」


「では、そちらを見ましょう」


 レイアはチャンネルを変えるとちょうど始まっていた。


『さあ、皆!! 後十五分を切ったぞー!!』


『イエーイ!!!』


「おお、凄い熱狂だな」


「もうすぐ新年ですからね」


「お、下の方にタイマーがついてるぞ」


 レイアは画面の下にあるタイマーに気づく。

 見ると新年までのカウントダウンが始まっていた。


「なるほど、これで見ながら新年を迎えるんですね」


「テレビも色々考えているんだな」


 タイマーを見ながら歌を聞いているとタイマーは残り五分を切った。


『さあさあ、残り時間五分を切りましたー!!』


『皆、新年を迎える準備できてるかー!!』


『イエーイ!!!』


 テレビからでもわかる通り盛り上がりは最高潮まで来ていた。


『じゃあ、この曲で新年を迎えるぞ!!』


 アイドル達が歌い出す。

 観客も盛り上げる。


「熱狂が凄いな、テレビの前なのに凄さが伝わって来るな」


「きっと会場ではそれ以上でしょうね」


 曲が終わり時間は二分を切る。


「残り二分か」


「新年になると言っても何かが大きく変化するわけではないのに不思議とワクワクする感覚になりますね」


「そうだな」


『さあ、残り三十秒、カウントダウンを始めるぞー!!』


「お、そろそろカウントダウンだ」


「何だかドキドキしてきますね」


 カウントが残り十秒になった時に一斉に声に出す。


『5!! 4!! 3!! 2!! 1!!』


『新年明けましておめでとう!! ハッピーニューイヤー!!』


『わあー!!!!!』


「おお、さらに熱狂してるな」


「くす玉が割れて花吹雪も舞ってますね」


 新年を迎え新たな年が幕を開ける。


「レイア様、明けましておめでとうございます」


「ああ、明けましておめでとう」


 レイアとリズはお互いに新年の挨拶をするのだった。

 今年もよろしくお願いします。

 

読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「Sランク冒険者の彼女が高ランクの魔物の討伐依頼を受ける理由」もよろしくお願いします。


今回で2021年最後の投稿です。

それでは、良いお年を。

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