第272話 雪が降り積もる
「おはよう、真央ちゃん」
雪も本格的に降り積もった中真央は、学園に登校している途中真理亜と合流する。
「ああ、おはよう真理亜、あ、そのマフラー」
真央は、真理亜のしているマフラーを見る。
「うん、真央ちゃんのプレゼント早速使ったんだ」
真理亜のつけているマフラーは、真央が真理亜の誕生日にプレゼントしたマフラーである。
「とってもあったかいよ、ありがとう」
「それは、良かった」
真理亜の喜ぶ姿に真央は、笑って答える。
それから真央達は、教室に向かい授業を受けて一日が終わるが雪は、それでも振り続けて下校時には、一面銀世界と呼べるくらいに降り積もっていた。
「うわー、凄い雪だ雪だー!!」
彩音がはしゃいで走り回っている。
「あいつは、毎年この時期になるとああだよな」
「気持ちは、わかりますけどね」
「えい」
沙月と唯が話していると彩音が雪を丸めて作った雪玉を投げると沙月の顔にぶつかった。
「あははは、当たったー」
「ほーう、彩音どうやら死にたいようだなぁ」
沙月の眼鏡が怪しく光り沙月は、雪玉を作り思い切り彩音の顔に投げる。
「あははは、ブッ!!」
雪玉は、綺麗に彩音の顔にもろに当たる。
「まあ、とても楽しそうですね」
唯が楽しそうに見ていると唯に雪玉が当たる。
「・・・・・・」
唯は、笑いながら無言で雪玉を投げる。
彩音、沙月、唯は、それぞれ雪玉を投げてぶつけあっていた。
「何をしてるんだ?」
「雪合戦だよ、雪を丸めてそれを相手に当てるの」
「ほう、これが雪合戦か」
真央と真理亜は、その光景を眺めている。
「あら、随分と楽しい事をしていますわね」
ここで現れたのは、城ケ崎茜だった。
「雪合戦とは、一度集中すると何故かむきになってしまいますわね、おーっほっほブウ!?」
「あ、ごめん」
高笑いを上げようとした途端沙月の流れ雪玉が茜の顔に当たりそのまま倒れてしまう。
「「「茜様ー!!」」」
茜に仕えている三羽烏が茜に寄り添う。
「おのれ、よくも茜様を!!」
「茜様の仇!!」
「お覚悟!!」
三羽烏の八重、凛、雅美が茜の敵討ちとばかりに雪玉を作り彩音達に向けて投げる。
「うわ!? 投げて来た」
「まさか主を失っても戦い続けるとは」
「見事な忠誠心ですね」
彩音達もすかさず雪玉を投げて応戦する。
もはや完全に雪合戦の状態になっている。
「あ、花音、何かやってるよ」
「うん、雪合戦だね、実里ちゃん」
「おやぁ、あずみん雪合戦やってるよぉ、私達も愛の雪合戦するぅ?」
「くだらない事を言うな」
雪合戦をしていると亜子達も現れる。
「あ、真央」
学園の入口からミーシャが来て真央を見つける。
「ミーシャ、宇界さんいるよ」
「話し掛けよう」
「チャンスがあったらすかさず行くに限る」
「え、みん、な、ちょっと」
ミーシャの友達、晴香、英美里、聖奈がミーシャを後押しする。
「ん? なんだ?」
「何やら雪合戦をしているようですね」
さらに運動会で活躍した子達も登場する。
この何かのオールスターの集まりかと思われる状況ここに役者は、揃った。
今ここに何かが始まろうとしていた。
読んでいただきありがとうございます。
同時に投稿している作品「Sランク冒険者の彼女が高ランクの魔物の討伐依頼を受ける理由」もよろしくお願いします。




