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第261話 ドンステーキデラックス

前書き番外編 「どうしてもやり遂げなけれならない時がある 第2話」

仕事を終えたザイラス達は、アパートに帰り食事を作っていた。

意外な事に全員が料理ができるため交代で料理を作るのであった。

そして食事を終えたザイラス達は、カレンダーを見る。

カレンダーには、特定の日付に記がしてある。

記がついている日は、今から一週間後であり、ザイラス達は、その日に何かをする予定である。

その日とは、魔法少女大フェスティバルである。

魔法少女第四作目がもうすぐ終わり第五作と第六作がアニメ化する記念に魔法少女の大イベントが開かれるのである。

そう、ザイラス達は、人間界に来て魔法少女シリーズにはまってしまったのである。

それぞれがそれぞれの推しの魔法少女達のグッズを手に入れるために英気を養っているのである。

そして大量のグッズを買うために働いてお金をそのイベントの日のために溜め続けているのである。

ザイラス達は、今日もイベントに向けての作戦を練っていた。

当日の会場の内部構造、どのような配置で置かれるかをしっかりネットで調べ上げ当日の状況を何度も話し合っていた。

今回のこのイベント失敗は、許されない。

彼等は、最善の準備を念入りに進めるのだった。

続く。


「いただきます」


 レイアは、ナイフとフォークを持ち、ナイフをドンステーキデラックスに当てる。

 ステーキの肉は、ハンバーグを切るように柔らかくスッと入る。

 

「おお、柔らかい」


 レイアは、切った一切れのステーキを食べる。


「うん、旨い」


 噛む度に肉汁が、溢れ出て旨味が口一杯に広がる。

 すかさずレイアは、二切れ目肉を切り食べる。


「肉自体も柔らかいがこのソースもちょうど良い感じに味がついてるのも良いなあまりしつこくなく、かと言って抑え過ぎてもいない本当にバランスよくできている」


 特製ソースの味が肉の旨味をさらに引き出ししつこくないバランスを取れている、これ以上の完成形は、ないだろうと言えるほどである。


「肉ばかりじゃなくて供えられている野菜も旨いなソースにつけて食べるとまた良い味が出る」


 供えられている野菜も柔らかくソースにつけて食べれば、より美味しくなる。


「ただ肉だけ食べていても飽きてしまう、そうならないためにこれがあるんだろうな、よく考えている」


 そう言ってレイアは、丸いパンを食べる。


「固いけどちょうど良い噛みごたえだ、一緒にあるこのバターをつけて食べるとより美味しさが増すな」


 丸いパンを食べる分だけ千切りバターを塗り食べる。

 これだけでも美味しいがレイアは、さらなる食べ方をする。

 それは、一緒にあるコーンスープにつけて食べる事だ。


「マナー的には、悪いかもしれないが旨いスープにパンをつければ大抵旨い事を知ってしまったらやらないわけには、いかないからな」


 レイアは、パンを千切ってコーンスープにつけて食べる。

 パンにコーンスープの味がつきさらにスープでパンが少し柔らかくなり旨味を引き出す。 

 

「パンにつけて食べるだけじゃなくてスープそのものも味わわないとな」


 レイアは、スープのカップを手に取り飲む。

 スープの旨さと暖かさがほっと一息つかせて落ち着く。

 そしてまたパンを食べスープを飲んでを繰り返し気づくとパンとスープを終えていた。


「さてそろそろ、食べ切るか」


 レイアは、残ったドンステーキデラックスに再びナイフとフォークを持ち切っていく。


「時間が経っているのに今だに柔らかいままだな」


 ドンステーキデラックスが運ばれてレイアが食べ始めてからかなりの時間が経過しているのに、ドンステーキデラックスは、今だに柔らかさを保っている。

 噛む度に肉汁が出て特製のソースと絡み合って絶妙な味を引き出している。

 肉と言えば男が豪快に食うと言うイメージがあるそうだがこれなら女性にも人気が出て肉を美味しそうに食べる女性が増えているのも納得がいく。

 そして、時間が経過していき。


「ふう」


 レイアは、最後の一切れを口に入れ飲み込む。


「ごちそうさま」


 レイアは、ナイフとフォークを置きドンステーキデラックスを食べ切ったのだった。


『おめでとう、お嬢ちゃんの勝ちだぜ』


 そう言って店主や店員達が拍手をする。

 すると見ていた他の客達もレイアを拍手で称賛するのだった。


『うちの特大メニューをクリアした商品は、この高級肉のセットだ、受け取ってくれ』


「わかった」


 レイアは、高級肉のセットを受け取る。

 かなりの量が入っている。


『それと、お嬢ちゃんに言っておくぜ』


「ん?」


『俺達兄弟には、もう一人姉がいるんだもちろんその姉も店を経営していてな、機会があればいずれその店で会うかもしれないな』


「わかった、忠告として受け取っておく」


『それじゃあな、これにて勝負は、終わりだ』


 そう言って店主や焼き担当のボディビルダーなマッチョな人達が職場に戻って行った。

 そして照明も明るくなっていつもの店の雰囲気になった。


「ふう、ごちそうさまでした、とても美味しかったですね」


「ええ、女性人気も頷けますね」


 シエラとリズも自分の頼んだメニューを食べ終える。

 お会計を済ませてレイア達は、帰るのだった。

 ちなみに高級肉のセットは、シエラに渡し人間界に来ているレイアシスターズに分ける事にしたのだった。

読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「Sランク冒険者の彼女が高ランクの魔物の討伐依頼を受ける理由」もよろしくお願いします。

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