第23話 一日の終わり
理事長への挨拶を終えたレイアは自分の家であるマンションに帰って来ていた。
「レイア様、食事ができました」
そう言ってリズは料理を持ってくる。
今夜の晩御飯はハンバーグだ。
「そうか、じゃあいただくか」
二人は手を合わせて。
「「いただきます」」
と言い食事をするのであった。
食べる前にいただきます、食べ終えたらごちそうさまと言うものがあるのを知ったレイア達は食事の時にはそうしようと決めたのだ。
リズは家事とかが一通りできるので食事なども彼女の手作りなのだ。
「インスタントのハンバーグも旨かったが手作りの方が僕は好きかな」
「人間界は色々な料理があって私も料理が楽しいです、こちらにいる間の家事全般はお任せください」
「ああ、頼むよ」
「あ、そうでしたレイア様、珍しいものを買ってきましたよ」
そう言ってリズは冷蔵庫から何かの飲み物を取り出し持ってくる。
「何だ? この黒いのは飲み物か?」
「はい、炭酸飲料とか言う飲み物で確かコーラとか言う名前でした」
「面白い名前だな、と言うより何だ炭酸って?」
「さあ、私もわかりませんが人間達が好んで買っていたので気になって買ってきました」
「まあ、とりあえず飲んでみるか」
「では、注ぎますね」
リズはコップにコーラを注ぐ。
レイアは手に取り口に当て飲むが。
「!! ぶほっ!!」
「レイア様!?」
コーラを吹いてしまったレイアに驚くリズ。
「リズ、これ飲んでみたか?」
「い、いえ」
「飲んでみろ、口の中が凄い事になったぞ」
「はい、では」
リズもコーラを飲む。
「!! ぶほっ!!」
リズもコーラを吹き出す。
「な、何ですかこれ!? 口に入れた途端口の中が弾けましたよ」
「ああ、何かシュワシュワって感じだな」
「ですが、シュワシュワの中に甘さもありますね、それに」
リズは再びコーラを飲む。
「このシュワシュワも何度か飲むと慣れてきますね、それに何かこのシュワシュワが良いと思いますね」
「ああ、僕もそう思う」
そう言ってレイアもコーラを飲む。
食事をしながらレイアは学校であった事を話す。
「学校の理事長はハーフエルフだったのですね」
「イゴールが知り合いだと言っていたが納得いったよ」
「真理亜様と友達になれましたし、他にも友達ができたようで目的は達成しましたね」
「ああ、後は真理亜を守るだけだ」
「それだけではないですよ」
「ん?」
首を傾げるレイア、真理亜を守る以外に何があると言うのか。
考えても思いつかない。
「レイア様も人間界での生活を楽しむ事ですよ」
「僕が楽しむ?」
「はい、せっかく色々な珍しいものがあるんですから楽しまなければ損ですよ、それに」
「それに?」
「今度こそレイア様には学校生活を楽しんでほしいですから」
リズはどこか言葉を選んで気遣う様に言う。
「はぁ、そんなに気を遣わなくても今回は真理亜を守るために学校に行かなければならいんだから、何があっても逃げないよ、あの時の様に」
溜息を吐きながらレイアは答える。
「そんな、逃げただなんて」
「いや、逃げたんだ何もかも嫌になってな、そのせいで僕は父と母そして姉貴に・・・・・・」
「レイア様」
「・・・・・・まあ、もう過ぎてしまった事だし、今はもう大丈夫だから、そうだな楽しむのも良いかもな」
「そうですよ、真理亜様達と学校生活を楽しんでください」
そんな話をしながら食事をするのであった。
食事を終え風呂に入り明日の準備をしそろそろ寝る時間になる。
「さて、そろそろ寝るか」
パジャマに着替えて寝る準備をするレイア。
「レイア様、そろそろ寝ましょうか」
「ああ、そうだな・・・・・・リズなんだその恰好は?」
「これですか? 確かネグリジェと言うものらしいですよ」
「透けていて下着が見えるがそう言うものなのか?」
「そう言うものらしいですけど、どうですかレイア様この姿は?」
リズは自分のネグリジェ姿はどうかと問われたレイアはじっくりと見る。
「・・・・・・ゼナの前で見せてみたらどうだ? 今夜はお楽しみになるぞ」
そんな感想を言うレイアであった。
「レ、レイア様!? なな、何を言ってるんですか!? 彼女に見せたら絶対止まらなくて魔力を大量に注ぎ込まれて二人目ができちゃいますよ!!」
頬を赤らめ普段の冷静な彼女とは思えないほど慌てている。
と言うよりも今とんでもない発言が出てきた。
「まあ、確かにそうだな僕達魔族は人間と違って女性同士でも子供ができるからな」
レイアもとんでもない発言をした。
やはり聞き間違いではなかった。
そう魔族は人間と体の構造が違い女性同士でも子供ができる事が可能なのである。
その証拠にリズの種族であるウィッチ族は女性しかいない種族なのであるがそれなのに他の種族とのハーフではなく純粋なウィッチ族が生まれるのはそういう魔族の体の構造によるものだと思われる。
ちなみにゼナはウィッチ族の女性でリズの嫁でレイア軍の幹部の一人である。
「と、とにかく明日も早いのですからもう寝ましょう」
「そうだな」
リズが無理やり話を終えるように言うとレイアもそれに同意する。
「では、おやすみなさいませレイア様」
「ああ、おやすみ」
そう言って電気を消しレイアは眠りにつく。
こうして一日が終わったのであった。
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