第241話 シャロ、人間界に現れる 3 シャロ、人間界のお菓子を食す
レイアは、シャロに人間界を案内する。
「シャロ、どこか行きたい所は、あるか?」
「それなら、人間界のお菓子を食べたいのだ!!」
「わかった、なら食べに行こうか、リズ、お金は、大丈夫か?」
「はい、問題ありません、手持ちは、たくさんありますので」
「リズ殿、申し訳ありません、払っていただいた分は、必ず返します」
「そんなに気にしなくても良いですよ」
レイア達は、シャロにお菓子を食べさせるのだった。
「おお、この中にあるトロトロしたものが甘いのだ!!」
「シュークリームだな、パイ生地の中に甘いカスタードクリームを閉じ込めてるのさ、気をつけて食べろよ」
「む、確かにそうなのだ、流れるように落ちて来るから、大変なのだ、落ちたら勿体ないのだ」
シャロは、カスタードクリームを落とさないように食べる。
「おい、口の周りにクリームがついてるぞ」
「む、すまぬのだ」
レイアは、ハンカチでシャロの口の周りについたクリームを拭き取る。
「さあ、次のお菓子なのだ!!」
「ああ、わかってる」
レイア達は、次のお菓子を食べに行く。
「おお、これは、とても美味しいのだ、果物とこのソースが良い感じに美味しくなってるのだ」
「クレープは、色々種類があるからな、ハズレは、ほとんどないようなものだ」
「これは、パンなのか?」
「メロンパンと言うのさ」
「外は、カリッと中は、フワッとして甘くて美味しいのだ!!」
シャロは、メロンパンを美味しそうに食べる。
「おお、これは、なんと見事な形なのだ、三角の形で真ん中に果物があるのだ」
「ケーキと言う物だ、これは、ショートケーキだクレープと同じように色々なケーキがあるぞ」
「とても美味しいのだ!! 口の中に入れたら溶けて消えたのだ!!」
シャロは、一番上にあるイチゴを最後に食べる。
シャロは、イチゴは、最後に食べる派のようだ。
「レイア、このグルグルした物は、何なのだ?」
「ソフトクリームだ」
「冷たくて甘くて美味しいのだ!! 特にこのグルグルの形が面白いのだ!!」
シャロは、ソフトクリームの形に興味を示しながら食べる。
「レイア、他にもお菓子は、あるのか?」
「ああ、まだまだたくさんあるぞ」
その後もシャロは、人間界のお菓子をたくさん食べるのだった。
「はあー、人間界のお菓子は、どれも美味しいのだー」
公園のベンチでレイア達は、少し休憩していた。
「あ、そう言えばレイア、今度会った時に話そうかと思ったけど今会ったから話すのだ」
シャロが突然思い出したかのように言う。
「何をだ?」
「レイア、そなたの城に三国が攻めて来たのだ」
「ああ、そう言えば、そろそろ攻めて来たか」
レイアは、魔王会議の時にルーグから三つの国が攻めて来ると言う話を聞かされた事を思い出す。
「それで、僕の軍の被害は、どれくらいだ?」
「レイア、それ本気で言っているのか?」
「ん?」
「あの戦力で自軍の被害があると思う方がおかしいのだ、むしろ人間達が災難だと思うくらいなのだ」
「だが、向こうにも勇者がいただろ?」
「その勇者など赤子扱いかと思うくらいなのだ、むしろ勇者が情けない事に泣いて逃げ出したのだ、まあ、あやつらを見たら仕方ないのだ」
「そうか、とにかく僕の軍に被害は、なかったんだな?」
「一人も被害は、出てなかったのだ」
「そうか」
レイアは、シャロの話で配下達に被害がなかった事に安堵するのだった。
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同時に投稿している作品「Sランク冒険者の彼女が高ランクの魔物の討伐依頼を受ける理由」もよろしくお願いします。




