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第232話 運動会 17 騎馬戦決着

 全力のミーシャとの激闘の末、真央は、ミーシャの鉢巻を奪い紅組が勝利した。


「・・・・・・」


 ミーシャは、自分の手を見て今まで感じた事のない感覚に陥っていた。

 負けて悔しい気持ちもあるのにそれ以上に清々しい感じになっていた。


「楽しかったぞ」


「え?」


 ミーシャは、前を向く、そこにいたのは、真央だった。


「お前のその異常な反応速度は、どんなに努力しても辿り着けないものだ、正真正銘持って生まれた才能だ」


「・・・・・・」


「どうやら、あの時反応できたはずなのに何で負けたのだろうって顔をしてるな、簡単な事だ全力を出したから限界が来たのさ」


「限界?」


「ああ、お前は、今まで全力を出して戦った事がないだろ? それが急に全力を出したんだ、おそらくまだ幼いその身体では、全力で戦える時間は、そう長くは、持たないだろう、要は、疲労が激しいって事だ」


「だから、最後の時、わかっても、反応、できな、かった」


「そう言う事だ、だがお前は、まだ身体の作りができていないだけだ、ちゃんと鍛えれば全力を出して戦える時間も長くなるさ」


「本当?」


「無理せずにすればな、お前は、光る原石の塊だちゃんとした環境でちゃんとしたトレーニングを受ければ間違いなく世界にも通用する」


「世界」


「ああ、世界だ、お前なら間違いなく通用する」


 全力のミーシャと戦った真央は、本気でそう思っている。

 ミーシャの実力は、真央の予想以上だった。

 だから、世界に出ても通用すると真央は、確信していた。


「だから、世界を目指して見ろ、お前のその持って生まれた力は、正に神に愛されたと言っても良い」


「・・・・・・」


「まあ、あくまで将来の可能性の一つと思ってくれれば良いさ、最終的に決めるのは、お前だからな」


「ミーシャ」


「ん?」


「私の、名前、田村ミーシャ、お前じゃ、ない」


「ああ、そうか、すまない、僕は、真央、宇界真央だ」


「真央」


「ああ、お前とは、また戦ってみたいな、じゃあな、ミーシャ」


 真央は、そう言って去っていく。


「真央、宇界、真央」


 ミーシャは、真央の名前を繰り返し言う。


「?」


 するとミーシャは、胸に何かの違和感を感じた、この違和感が何なのかは、わからなかった。


「やったね、真央ちゃん、勝利だよ」


「皆さん、お疲れ様です」


 真理亜と唯は、真央達の勝利に喜んでいる。


「正に激闘だったな」


「凄い戦いだったよ」


「そう言えば、私の嫁の姿が最後まで見えなかったけど」


「誰が嫁だ」


 亜子の言葉に梓美は、ツッコむ。


「あ、あずみ~ん、どうしてたの? 全然見当たらなかったけど」


「ふ、開始たったの二秒で負けたさ」


 そう言いながら梓美は、笑い天を見上げる。


「・・・・・・」


「そんな笑った顔で私の肩に手を置くな!! 無言なのがさらに憐れみを感じるぞ!!」


「・・・・・・」


「だから、さらに無言の笑顔を向けるなー!!」


「それでこの騎馬戦で紅組が勝ったが、点差は、どうなってるんだ?」


「はい、真央さん達の頑張りで紅組が僅かに追い越しましたよ」


 沙月の問いに唯が答える。


「真央ちゃん達のおかげで勝ってるよ」


「もう勝ったも同然ね」


 花音も紅組が勝ってる事に喜び、実里は、勝利を確信している。


「そうだな、だがまだ全ての競技が終わったわけじゃない、戦場では、気を抜いた奴からやられるからな」


「真央の大げさな例えは、相変わらずだが確かにまだ競技は、残ってるし何が起こるかわからないからな」


「最後のリレーには、私と真央姉さんも出るしね」


「よーし、最後まで気を抜くなよ」


『おー』


 いよいよ運動会の競技も終わりに近づくのだった。











読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「Sランク冒険者の彼女が高ランクの魔物の討伐依頼を受ける理由」もよろしくお願いします。

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