第223話 運動会 8 お昼休憩
紅組白組共に全力でぶつかり、午前の競技は、全て終了した。
『午前の競技が全て終わりましたのでこれよりお昼休憩になります』
『ちなみに休憩中は、大スクリーンに珍プレー、好プレーの映像を流しますので面白そうだなと思ったらぜひ見てください』
真央達は、それぞれ昼食を食べる事になった。
「さすが白組だな、茜だけじゃなくて運動神経良いのがたくさんいるな」
「そうですね、なんとか頑張りましたが白組がリードしてますね」
「頑張ったけど、全然追いつかないよ」
「どうしよう、このままじゃ負けちゃう」
「まだ、負けたわけじゃないさ」
真央は、弁当を食べながら言う。
「アンタ、その弁当箱、五段重ねかよ」
「リズが僕の好きな物をたくさん作ってくれたからな」
「うわー、真央ちゃん本当に良く食べるね」
「飲食店のデカ盛りメニューを食べたって聞いたけど、これを見たら本当だなって思えたよ」
実里と花音は、真央の食べっぷりを見て言う。
「ほう、これが真央君の食べっぷりか見た目は、普通に食べてるがその胃袋には、全く苦もなく入っているのか、実に面白い」
梓美は、真央を興味深く見ている。
「ねえ、宇界さん、そんなにたくさん食べて午後は、動いても大丈夫なのぉ?」
「問題ない、激しい運動でもフルでやれる自信がある」
亜子の質問に真央は、弁当をもりもり食べながら言う。
「おおーう、宇界さんが言うと嘘に聞こえないねぇ、期待しちゃうよぉ」
「よおーし、点差もそんなに離れていないし、午後の競技で逆転するぞ」
『おおー』
沙月の言葉に皆が答える。
お昼を食べ終えた真央は、まだ時間が少しあったので人気のない校舎裏に行くのだった。
~side シエラ~
一方こちらでは、シエラが奈津美と樹里と一緒にお昼を食べていた。
「お姉様、私の所のコックが作った料理です、とっても美味しいですよ、はい、あーん」
樹里は、箸で掴んだ料理をシエラに食べさせる。
「はむ、ん、これは、中々美味しいですね、味付けにこだわりがありますね」
「はい、私の家のコックは、料理がとても美味しいのです、夕飯も美味しいのを作ってくれます、私達の栄養面も考えてくれるのですよ」
「なるほど、それは、良いですね」
「シエラちゃんも樹里ちゃんも美味しそうだね、それに比べたら私のお弁当なんて恥ずかしいな」
奈津美は、二人のお弁当を見て自分のは、大した事がないと感じてしまう。
「そうですか? 奈津美さんのお弁当も凄く美味しそうですよ」
「はい、お母様が一生懸命作ってくれたって感じますよ」
「そうかな、だったら嬉しいな」
シエラ達は、楽しそうに会話をしながらお昼を食べていた。
「所でシエラちゃん、あの人達さっきからこっちを見てるけど誰だろ?」
「え?」
シエラは、奈津美が言った方を見る。
「リルさんとメルさん、そんな所で何をしてるのですか?」
シエラを見ていたのは、使用人の双子、リルとメルだった。
シエラに気づかれたリルとメルは、シエラに近づく。
「申し訳ありません、どうしても気になったので」
「見に来ちゃいました」
「でしたら、そんな不審者みたいな感じにしなくても普通に来れば良かったのに」
「この人達、シエラちゃんの知り合いなの?」
「申し遅れました、私は、お嬢様の御実家で使用人をしているリルと申します」
「同じく使用人のメルです、リルは、私の双子の姉で私は、妹です」
「そうだったんですね、初めましてシエラちゃんの友達の柊奈津美です」
「同じく、お姉様のお友達の稲村樹里です」
「よろしくお願いします、ナツミ様、ジュリ様」
「よろしくお願いします」
「二人は、私の大切な友達なんですよ」
「ええ、そうですね、お嬢様、本当にようございましたね、うう」
リルは、感極まって涙する。
「もう、お姉ちゃんいきなり泣いたら、困るでしょ」
と言いながらもメルも涙を流している。
「だって、お嬢様がこんなにも学園を楽しく過ごされていて、前の学園での事もあったのでだから余計に」
「うんうん、そうだね、お姉ちゃん今のお嬢様本当に楽しそうだもんね」
リルとメルは、お互いにシエラが楽しそうに学園生活をしている事に喜びで涙を流し続けている。
「シエラちゃん、前の学校で何があったの?」
「使用人さんの態度からとても前の学校で酷い事があったと思いますけど」
「あー、なんて言いますか前の学校では、友達があまりいなくて、辛い事もたくさんあったので引きこもっていた事が多かったんですよ」
「なるほど、そう言う事だったんだね」
「お姉様!! 私お姉様に酷い事しましたけど、今は、何があってもお姉様について行きますよ!! それは、もう地獄の果てだろうと!!」
「ありがとうございます、こんな素敵な友達ができて私は、幸せ者ですね」
「ナツミ様、ジュリ様これからもお嬢様と仲良くしてください」
「私からもお願いします」
リルとメルは、奈津美と樹里に頭を下げる。
「大丈夫ですよ、私シエラちゃんの事好きですから」
「私もお姉様が大好きです!! それは、もう世界中の誰よりも!!」
「「ありがとうございます」」
「・・・・・・何だか大げさになっているような気がしますね」
そんな事もありシエラは、弁当を食べ終える。
「まだ時間がありますね、奈津美さん、樹里さん、私は、少し一人になりたいので席を外しますね」
「わかりました、お姉様」
「うん、わかった」
シエラは、人気のない校舎裏に行くのだった。
~side レイア~
「お待たせしました、レイアお姉ちゃん」
シエラは、校舎裏にいたレイアに呼びかける。
「ああ、来たか」
そこには、レイアとリズの姿があった。
すると他にもシエラに続いて現れる。
「お前達も来たか」
「はい、レイアお姉様」
「レイア姉上の呼び出しなら、いついかなる時でも参ります」
「レイア姉様の命令が最優先ですから」
「来たぜレイア姉」
そこに現れたのは、レイアシスターズのセレナ、シュナ、ミレイ、シオンだった。
そして遅れてもう一人現れる。
「遅れて申し訳ありません、レイア様」
「よく来たな、ディアナ」
レイアシスターズの一人、ディアナであった。
「さて、シエラ、お昼休憩をしているカリス達を抜かせば、今いるのは、これで全部か?」
「はい、これで全部です」
「そうか、なら聞こうか、真理亜の護衛のためにシスターズがかなり来ていると言うが、具体的に今、この場の五人以外にあと何人いる?」
「はい、少なくとも二十人くらいは、呼びました」
「そ、そんなに呼んだのか?」
「はい、ですがこの学園には、高等部にセレナちゃん達四人とあともう一人います、それ以外は、各自で色々な所に住んでいます、皆この人間界を楽しんでいますがもちろん真理亜様の護衛は、ローテーションで行っていますのでその辺りは、心配しなくて大丈夫です」
「そうか、まあ真理亜の護衛だけじゃなくてお前達もこの人間界を楽しめば良いさ」
「ご安心ください、我々が命に代えても真理亜様をお守りいたしますので、レイアお姉ちゃんは、そのまま真理亜様と人間界でできたご友人方と楽しい時間を過ごしてください」
シエラは、そう言いその場でレイアに跪く。
同様にレイアシスターズ達もレイアに跪く。
「・・・・・・ん?」
「どうしたシオン?」
シュナは、シオンに問う。
「いや、なんつーかなあ」
シオンは、何かを見つめていた。
「そうか、わかった引き続き真理亜の護衛は、お前達に任せる、頼んだぞ」
「はい、お任せください」
「そろそろ、昼休みも終わるし、戻ろうか」
昼休みも終わるのでレイア達は、戻ろうとするが。
「おいおい、盗み見とは、感心しないな」
「ん? どうした?」
レイアが問うと、シオンは、女の子を連れて出て来る。
「お嬢様!?」
その子を見てディアナは、驚きの声を上げるのだった。
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同時に投稿している作品「Sランク冒険者の彼女が高ランクの魔物の討伐依頼を受ける理由」もよろしくお願いします。




