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第20話 真理亜とのコミュニケーション 友達ができました

 真央の隣の席には真理亜が座っている。

 運の良い事に真央は真理亜と同じクラスに入る事ができた。

 しかも真理亜の隣になれたのだから、真央にとっては関係を築く絶好のチャンスであった。


「よろしくね、宇界さん」


 隣に座っている真理亜は笑顔で話しかけてくる。


「よろしく、えっと高梨さんだっけ?」


「うん、私の名前は高梨真理亜(たかなしまりあ)、真理亜でいいよ」


 真理亜は真央に自己紹介する。


「わかった、なら僕も真理亜の好きなように呼んでくれ」


「うん、よろしくね真央ちゃん」


 真理亜は笑顔で答える。

 こうして真理亜との関係を築くのに成功する真央であった。


 授業が終わり休み時間に入る。


「真理亜ちゃん」


「お、さっそく転校生と友達になったのか?」


「私達にも紹介してください」


 真理亜の所に三人の女の子が来る。

 どうやら真理亜の友達である。


「改めまして、宇界真央です」


「ああいいよ、そんな堅苦しい挨拶じゃなくて」


「そうか、わかった」


 そして三人は自己紹介をする。


「じゃあ、私から私の名前は加藤彩音(かとうあやね)だよ」


 ショートヘアの女の子、加藤彩音、とても元気な女の子だ。


「んじゃ、次は私だな、相沢沙月(あいざわさつき)だ、よろしくな」


 三つ編みを一本にした眼鏡をかけた女の子、相沢沙月、真面目で冷静そうな女の子だ。


「では、最後は私ですね五十嵐唯(いがらしゆい)と言います、よろしくお願いしますね真央さん」


 黒髪ロングの女の子、五十嵐唯、大和撫子と言う言葉が似合いそうなくらい綺麗な女の子だ。


「うん、よろしく」


 真理亜の友達は皆良い子そうだと安心する真央。


「それにしても、真央ちゃんって何か真理亜ちゃんと似ているね」


 彩音の言葉にギクッとする真央。


「そういやそうだな、真理亜と同じ綺麗な銀髪だし」


「違うとすれば真理亜さんは髪が長くて、真央さんは短いですけどそれでもまるで姉妹だと言われても違和感が無いほど似ていますね」


 皆の言葉に落ちつかない真央。

 真央、いやレイアは真理亜の母レイラとは双子だったため似ているのは当然である。


 しかもその娘である真理亜は見た目が幼い頃のレイラに似ているため少女の姿になったレイアと似ているのも不思議ではない。


 どうにかして真央はごまかす方法を考えようとする。


「もしや、生き別れになった真理亜さんの双子の姉妹とか?」


 唯の近い答えに真央の内心はもはや落ちつく余裕すらなかった。


「いやいや、そんなわけないだろ」


「うん、私に双子の姉妹はいないよ」


 真理亜はきっぱりと否定する。


「まあ、世の中には自分に似た人間が三人いるって言うしそんなものじゃないのか?」


「そうですね、真央さんびっくりさせてしまったらごめんなさい」


「いや、大丈夫」


 と言いつつ内心は大丈夫ではなかった真央であった。


 授業が終わり下校時刻になり真央の学校生活初日は無事に終わるのであった。


「真央ちゃんって家はどっち?」


「僕の家か確か」


 そう言って真央は家の方角を言う。


「あ、私達と同じ方向だ」


「そうか、じゃあ一緒に帰るか」


「そうですね」


「真央ちゃん一緒に帰ろう」


 真理亜達から誘われる真央。

 

「良いのか?」


 そんな事を口にする。


「良いも何も私達もう友達だし帰る方向が同じなら一緒に帰りたいものだろ?」


 沙月にそう言われ真央は嬉しい気持ちになった。


「ああ、一緒に帰ろう」


 真央がそう言うと皆は笑顔になる。


「あ、宇界さん」


 帰ろうとした途端担任の先生に呼び止められる真央。


「はい」


「理事長が帰って来ましたので朝挨拶に行けなかったので今から良いですか?」


「わかりました、皆ごめんせっかく誘ってくれたのに」


 真央は申し訳なさそうに真理亜達に謝罪する。


「いや、気にするな」

 

 沙月は全く気にしていない様子、当然他の三人もだ。


「うん、それじゃあ真央ちゃんまた明日」


「「「また明日」」」


「うん、また明日」


 そう言って真理亜達は先に帰っていった。


(また明日か、学校でずっと言ってほしかった言葉が人間の学校で聞けるとはな)


 そんな事を思いながら、真央は理事長室に行くのだった。 


 









読んでいただきありがとうございます。

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