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第220話 運動会 5 綱引き

『続きまして、各学年による綱引きです』


『一年生から六年生までの紅組、白組の代表者がそれぞれやり六学年あるので合計六回戦やってもらいます』


『では、まず一年生準備をお願いします』


 一年生達が集まり綱引きが始まった。


「全学年が出るのもあるんだな」


「この学園相当広いからな、競技もかなり多いんだよな」


「一般の学校ではやらない競技がたくさんありますからね」


「ま、金持ちだからこそできる豪華な運動会だな、言っておくけど一般の学校じゃこんな感じじゃないからな、この学園が異常だと思った方が良いぞ」


「なるほど」


 真央達はこの学園の凄さを改めて認識していた。


「あ、三年生達が終わったから次は私達の番だね」


「真央ちゃん、彩音ちゃん頑張ってね」


「頼む、何が何でも勝ってくれ」


「健闘を祈ります」


「任せてよ」


「ああ、行ってくる」


 真央と彩音は運動神経が良いので四年生の紅組代表として綱引きに参加するのだった。


「相手もかなりの腕力に自信がありそうだな」


「真央姉さん、綱引きはただの腕力じゃ勝てないよ」


「そうなのか?」


「うん、綱引きは腕の力だけじゃなく全身に力を入れて引っ張る競技だよ」


「なるほど、腕だけでなく全身を使うのか」


「そう、それと皆で息を合わせて一斉に引っ張った方がより相手より強く引く事ができるんだよ」


「奥が深いな」


 真央と彩音は綱を持つ。


「では、位置についてよーい」


 パンッ。

 銃の音と共に両組は一斉に引っ張る。


『オーエス!! オーエス!!』


 両組掛け声を上げて力一杯綱を引っ張る。

 そんな中、真央は何をしているかと言うと。


(さて、一気に引っ張る事はできるがそう言うわけにはいかないしな、皆に合わせて力を制御しないとな)


 魔族である真央にとっては白組全員が相手でも一人で余裕で勝ててしまうので制御をしながらやっていた。

 体を動かす体育の授業の時はいつもそうやって相手を傷つけないように注意をしながらやっているのだ。

 尤も莫大な魔力量を自在に制御できる真央にとっては造作もない事であるが。


『オーエス!! オーエス!!』


 両組一歩も引かぬが徐々に紅組の方に引っ張られて行く。


「うおおー!! オーエス!! オーエス!!」


 彩音も精一杯声を上げて綱を引く。

 そして。


「そこまで!! 勝者紅組!!」


 山岡先生が紅組の勝利を宣言する。


「うわー、やったやったー!!」


「よっしゃー!!」


「やりましたね」


 紅組の勝利に真理亜達も歓喜の声を上げる。


「やったね真央姉さん!!」


「ああ」


 真央と彩音はお互いにハイタッチする。

 

「なるほど、彼女が噂の転校生の宇界さんですか、確かに楽に勝てる相手ではありませんわね」


 真央の戦いを見ているのは城ケ崎茜である。


「思ったより紅組にも中々の手練れがいますわね、ですが、それはわたくし達白組にも言える事、ここからが反撃ですわ、おーほっほっほ!!」


 茜は高らかに笑う。


「茜様」


「何ですの?」


「旦那様と奥様が写真を撮りたいとおっしゃっております、今日と言う日を永久に保存するのだと」


「もう、お父様、お母様ったら愛情をくれるのは嬉しいですがあまりにも溺愛しすぎて甘やかしし過ぎるのも教育上よろしくありませんわ」


 そう言いながら茜は両親の元に行くのだった。

 現在は紅組がリードしているが茜の言う通りここから白組の反撃が始まるのだった。


読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「Sランク冒険者の彼女が高ランクの魔物の討伐依頼を受ける理由」もよろしくお願いします。

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