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第212話 まだ続くよ、夏休み 8 花火大会 2

 花火大会までまだ時間があるので真央達は、出店を周っていた。


「あ、射的やろうよ」


 彩音が射的屋を指さす。


「何だ、これは?」


「えっとね、あの銃を打って、景品に当てて落としたらその景品がもらえるの」


 真央の問いに真理亜が答える。


「なるほど」


「私やってみたい」


「良いけど何が欲しいんだ?」


「特に決めてないよ」


「決めてないのにやるのかよ」


「だって、お祭りって何かわからないけど何となくやりたいって気持ちにならない?」


「何だろう、お前の言ってる事に否定できない自分がいるんだが」


「じゃあ、やるよー、おじさんいくら?」


「四百円で弾五発だよ」


 彩音は、四百円を払い銃手に持つ。


「言っとくけど、おじさんは、景品じゃないぞ」


「どうしたの、さっちゃん?」


「いや、なんか言っておいた方が良いなと思って」


「大丈夫だよ、おじさんは、景品じゃないって知ってるから」


「そうか、なら良いんだが」


 彩音は、銃を引きコルクを銃口に詰める。

 そして彩音は、銃を構える。


「どう? これで私もプロの殺し屋風な立派なスナイパーに見える?」


 彩音は、屋上でターゲットに向けて構えるようなポーズをしている。


「お前が立派なスナイパーなら世の中の人達は、皆上級スナイパーになれるな」


「ええー」


「良いから、さっさと打て、順番待ちしてるお客さんがいるんだから」 


「はーい」


 彩音は、再度構え銃の引き金を引こうとする。


「ふぇ、ぶえっくしょん!!」


 くしゃみをしてしまいその勢いで引き金を引いてしまった。

 弾は、クマのぬいぐるみの右上部分に当たりそして運の良い事にそのまま回転して行き後ろに落ちていった。


「おめでとう、お嬢ちゃん景品ゲットだ」


「・・・・・・え?」


 その出来事に彩音は、何が起きたのか理解できなかった。


「わーい、クマさんのぬいぐるみゲットー」


「まさか、本当にゲットするとは」


「彩音ちゃん、クマのぬいぐるみを持って、はーい撮るよー」


 卯月は、彩音のクマのぬいぐるみを持った姿を写真に撮る。


「はい、オッケー、クマのぬいぐるみは、私が持ってるよ」


「ありがとうございます、お願いします」


 彩音は、卯月にクマのぬいぐるみを預けた。


「じゃあ、次に行こー」


「おい、迷子になるから先に行くな」


 真央達が次に来たのは、型抜きである。


「これは、何をするんだ?」


「あの子達がやってるように、四角いのがあるだろ、あの真ん中にある型を綺麗に切り取れば良いって事さ」


 真央の問いに沙月が答える。


「なるほど」


「でも結構難しくてな、ほらちょっとでも型が取れたら終わりなのさ」


「真理亜なら、できるんじゃないのか?」


「え? 私?」


「確かに真理亜さんのあの起用さならもしかしたら」


「真理亜ちゃん、試しにやってみてよ」


「うーん、皆が言うなら一回だけ」


 真理亜は、お金を払い型抜きをする。

 それからしばらくして真理亜の手が止まる。


「うーん、まだ綺麗にできてないと思うんだけど、どうかな?」


 真央達は、真理亜の抜いた型を見る。


「いや、これどう見てもできてるだろ?」


「うん、どう見てもできてるよ」


「逆にこれ以上どうしろと言うくらいできてますよ」


「そうかな?」


「とりあえず見せよう」


 真理亜は、できた型をおじさんに見せる。


「こいつは、驚いた文句なしだ」


「「「「やっぱり」」」」


「ほれ、お嬢ちゃんこれが景品だ」


 おじさんは、真理亜に千円札を渡す。


「え? 千円札?」


「お嬢ちゃんがやったのは、一番難しい奴だ一番難しいのをクリアした景品は、千円札なんだよ、良いから受け取りな」


「あ、はい」


 真理亜は、千円札を受け取る。


「えへへ、なんか得しちゃった」


「さすが真理亜ね」


 翔子は、誇らしげな顔をする。


「はーい、真理亜ちゃん撮るよー」


 翔子は、真理亜の写真を撮る。


「あら、結構綺麗に撮れてるわね」


「良かったら、後でコピーして送るよ」


「え、マジ!? ぜひお願い!!」


「オッケー」


 翔子と卯月は、仲良くなっていた。

 続いて一行は、金魚すくいに向かった。


「金魚すくい?」


「簡単言うと、あの網を使って金魚を持ってる茶碗に入れれば貰えるって事さ、網が破れなければ何匹でもすくって良いって事さ」


 真央の問いに沙月は、答える。


「なるほど」


「私、やっても良いですか?」


「唯は、金魚が欲しいのか?」


「はい、たくさん取れたら庭の池で飼おうかと思いまして、あの池何もいませんから」


「なるほど」


「おじさま、ポイを一つください」


「あいよ、一回、二百円だよ」


 唯は、おじさんからポイを受け取る。

 

「おじさま、この店は、良識な店ですね」


 唯は、ポイを見ておじさんに言う。


「ほう、わかるのか?」


「はい、これ五号のポイですよね?」


「参ったねえ」


「唯、何だ五号って?」


「ポイ、ああポイと言うのは、この網の事ですね、で五号と言うのは、ポイの網の丈夫さの事ですね、四号~七号まであって四号に近いほど丈夫で破れにくいんですよ」


 真央の問いに唯は、答える。


「じゃあ、これは、破れにくいって事か?」


「はい、その通りです、おそらく子供や女性の人には、五号を渡して男性には、六号を渡してると思いますね」


「その通りだぜ、お嬢ちゃん」


 金魚すくい屋のおじさんは、答える。


「やはり、良識ですね、中には、七号を使う悪徳な店も存在すると言われているみたいですよ、まあこちらは、あくまで噂なので本当かどうかは、わかりませんけど」


「なるほど、それよりやらないのか?」


「あ、そうでした、では」


 唯は、ポイを入れ金魚をすくっていく。

 それも次々とすくっていき、気づけばあっと言う間に十匹以上すくっていた。

 

「唯、うまいな」


「そうですか?」


「この黒いのは、狙わないのか?」


「出目金ですね、出目金は、ポイへのダメージが大きいのでスルーですね」


「なるほど」


 その後も唯は、金魚をすくっていき、二十四匹目くらいでポイが破けてしまった。


「あー、終わっちゃいました」


「でも、結構すくったな」


「はい」


「凄いな、お嬢ちゃん、だが二十匹は、取り過ぎだから十匹で勘弁してくれ」


「わかりました、十匹で良いですよ」


 唯は、十匹の金魚を貰った。


「唯ちゃん、凄いね」


「何でそんなにうまいんだ?」


「実は、お父様がかなり上手だったらしくて、それでお祭りに行った時に金魚すくいを教わりまして、お母様もお父様とお祭りでデートした時にこれでさらに惚れさせたそうですよ」


「なるほど、血筋だな」


「じゃあ、唯ちゃん撮るよー」


 唯は、金魚を掲げて写真に撮られる。

 そして次に向かったのは、紐を引っ張って繋がってる景品がもらえるくじだった。


「いろんな景品があるな」


「これは、紐を選んで引っ張って先についていた景品がもらえるんだよ」


「完全に運だな」


「さっちゃん、こう言う系の運って結構あるよね」


「何だよ、こう言う系って」


「さっちゃん、やってみてよ、凄いの引くと思うよ」


「お前のその根拠は、何なんだ」


 そう言って、沙月は、一回やる事にした。


「ああもう、さっさとやるか」


 沙月は、適当に選んだ紐を引っ張る。

 すると何か大きな箱が引っ張られた。


「おお、おめでとう、お嬢ちゃん、当たりだ」


「え? マジ?」


 おじさんに言われ沙月は、驚く。

 まさか当たるとは、思ってなかったようだ。


「ほい、おめでとう」


「あ、どうも」


 沙月は、おじさんから景品を受け取るが。


「これって・・・・・・」


「沙月、何当たったの?」


「姉ちゃん、それが、これ」


 沙月は、卯月に景品を見せる。


「あー、これって」


「何だ?」


 真央は、気になって沙月の持っている、景品を見る。


「魔法少女久留美変身ステッキセット?」


「ああ、今魔法少女久留美がアニメでやってるだろ? その変身ステッキのおもちゃだよ」


「しかも、このセットって久留美だけじゃなくて他の二人の変身マジカルビークルも入ってるから、これだけで三人の魔法少女に変身できる遊びができるのよね」


「そうなのか、でも何でそんなに微妙な顔をしているんだ?」


「実は、これもう家にあるんだ」


「うん、私作者だから、賞品ができた時に一緒に確認してさ、その時にもらったのよね、だから家には、ステッキだけじゃなくて、全部のマジカルビークルもあるのよね」


「つまり、同じのを手に入れたって事か」


「ああ、その通りだ」


 沙月は、景品を見てさらに真央の顔も見る。


「なあ真央、これいらないか?」


「ん?」


「私は、同じの持ってるし、アンタ持ってなかったら、受け取ってくれないか?」


「持ってないけど、良いのか?」


「彩音達も持ってるし、私も壊れた時用とかそう言う感じの方じゃないし」


「そうか、じゃあもらうよ、ありがとう」


「おう、気にするな」


 真央は、魔法少女変身セットをもらった。

 その後、沙月は、真央と一緒におもちゃを持ってその姿を卯月に撮ってもっらいおもちゃは、リズが持つ事になった。


「遊ぶのも良いけど、何か食べたいな、色々あるし、見て見るか」


 真央達は、食べ物の出店に行くのだった。


読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「Sランク冒険者の彼女が高ランクの魔物の討伐依頼を受ける理由」もよろしくお願いします。

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