第204話 魔王の帰宅 リズも帰宅しました
朝になり朝食を食べ終えた真央は、家に帰る事になる。
「お世話になりました」
「また来なさい」
「いつでも、遊びに来て良いからね」
「真央ちゃん」
翔子は、真央に近づき小声で話し掛ける。
「真理亜の事、聞いたのね」
「はい」
「でも、諦めていないって感じね」
「はい、真理亜の誕生日を祝いたいので、諦める気は、ありませんから」
「そう、頑張って見なさい」
翔子は、そう言って真央から離れるのだった。
「真央ちゃん、またね」
「ああ、また」
笑顔で手を振る真理亜に真央も笑って手を振るのだった。
帰りは、木村に車で送ってもらい真央は、マンションに着くのだった。
「リズは、まだ帰ってないか」
真央は、部屋の鍵を開け中に入るのだった。
「レイア様、ただいま戻りました」
「ああ、お帰り、リズ」
少ししてリズが帰って来る。
「で、どうだったんだ?」
「そうですね、超地獄級と言うだけは、ありますね、中々のものでしたが無事終えました」
「そうか、ご苦労だったな」
「レイア様もどうでしたか?」
「ああ、少しな」
「何かありましたか?」
リズは、レイアに問う。
「夕飯の時に話すよ、それより色々やる事があるだろ?」
「そうでした、レイア様の着替えの洗濯とレイア様を泊めてくださった各家の方達にお礼の電話をしないといけませんね、では、レイア様の話は、夕飯の時に」
「ああ」
それからリズは、レイアがお泊りして溜まった洗濯物をし、さらにレイアがお世話になった真理亜達の家に電話をしてお礼を言うのだった。
そして、夕飯の時間になりレイアは、真理亜の家であった事を話した。
「まさか、真理亜様のお父様とレイラ様が亡くなられたのが真理亜様のお誕生日の日だったとは」
「そう言えば、父親が三歳で姉貴が六歳の頃に亡くなったのは、知っていたな?」
「はい、ですが亡くなった日にちまでは、わかりませんでした、記憶を見た時もそこまでは、見ていませんでしたので」
「そうか」
「ですが、酷い偶然ですね、時期は、違えど親が亡くなられたのが自分の誕生日だなんて」
「ああ、そうだな、そのせいで真理亜も誕生日をしてもらいたいと思っていないそうだ」
「無理もありません、自分の両親が自分の誕生日に亡くなられたのですから」
「そうだな」
「レイア様は、真理亜様の誕生日を祝いたいのですね?」
「ああ、そうだ僕は、真理亜の誕生日を祝いたい」
「私も同意見です、ですがそれは、かなり難しいと思います」
リズの言葉にレイアも頷く。
確かにこれは、簡単にどうこうと言う問題では、ないだろう。
「だが、僕は、諦める気は、ない、どんな事でも誕生日だけは、祝いたいそれは、その者が確かに生まれたと言う証明だから、僕は、真理亜が生まれた日を祝いたい、真理亜がこの世界に生まれたと言う事を証明させたい、姉貴の代わりに生まれて来てくれた事を感謝したいんだ」
「話が随分大きいですが、私もレイア様と同じ気持ちです」
「ああ、だから僕は、諦めない、絶対に真理亜の誕生日を祝ってやる」
レイアは、そう固く決心したのだった。
「ですが、レイア様、誕生日プレゼントは、どうするのですか?」
「・・・・・・あ」
リズの言葉でレイアは、重要な事に気づいた。
いくら、真理亜の誕生日を祝いたくても肝心の誕生日プレゼントがなければ何の意味もない事に。
「ま、まだ、誕生日まで時間は、ある!! 待っていろ真理亜!! 絶対にお前の誕生日を祝ってやるからな!! 最強の魔王レイアの名にかけて!!」
「レイア様、頑張ってください」
レイアの意気込みにリズは、拍手をするのだった。
いや、張り切り過ぎておかしな感じになっている気もするが気のせいか。
まあ、そんなわけでレイアは、強く決心したのだった。
読んでいただきありがとうございます。
同時に投稿している作品「Sランク冒険者の彼女が高ランクの魔物討伐依頼を受ける理由」もよろしくお願いします。