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第202話 魔王のお泊り 11 真理亜の家 2

「お前達は、シュナ、ミレイ、シオンだな?」


「は、その通りです、レイア姉上」


 レイアの前に跪いている、三人の少女は、シエラが真理亜の護衛に連れて来た、レイアシスターズのシュナ、ミレイ、シオンであった。


「シエラから、シスターズを呼ぶと言う事は、聞いている、三人で真理亜の護衛をしているのか?」


「はい、今日は、私達が護衛の担当をしています、レイア姉様」


 レイアの問いにミレイが答える。


「今日は、と言う事は、お前達以外にも来ているのか?」


「シエラ姉上が、この世界には、魔力持ちがあまりにも多くいると申していたので、随時この人間界に他の者も送ると申しておられたので、我々が確認しただけでも、少なくとももう十人は、この人間界に来ているかと」


「そうか」


「それよりもレイア姉、良いのか?」


「ん? 何がだ?」


 レイアは、シオンに問う。


「いや、そこにいる人間の男、あたし達の話聞いてるけど問題ないのか?」


 シオンは、木村を指さして言う。


「ああ、大丈夫だ、アランは、この家の使用人だからな、お前達の事を知っておけば、問題ないと思ったのさ、お前達の存在に気づいてたしな」


「んん? 確かに小さいが魔力を感じるな、て事は、あたしらと同じ世界の人間か?」


「はい、私は、アランと申します、元は、あなた達と同じ世界のただの村人でしたが現在は、この家の使用人をしています」


「村人か、なら魔力が小さいのも納得だな、使用人って事は、アンタは、敵じゃないって事で良いのか?」


「はい、私は、この屋敷に仕えていますので敵では、ありません」


 アランは、シオンの目を見て答える。


「そうかい、まあアンタの目は、嘘をついてなさそうだし問題ないか」


「だとしたら他のシスターズ達にも彼の事を伝えておいた方が良いわね、他のシスターズ達から屋敷内に魔力を感じてたそうだから、どうしようかと思ってたみたいだしね」


「そうしていただくと私も助かります、ずっと魔力を感じていたので何なのかと思っていましたので」


「それは、申し訳なかった、今後気をつけよう」


「どうやらお互いに気になっていたようだが、これでお互いに問題ないか?」


 レイアの問いにシュナ達とアランは、頷く。


「今夜は、僕が真理亜の傍にいるから、お前達は、今日は、帰っても良いぞ」


「承知しました、レイア姉上」


「それと、シスターズ達が多く来ていると言ったな、ならシエラに追加で頼みたい事があるが伝えてくれるか?」


「何なりと」


 レイアは、シュナ達に伝言を伝える。


「それじゃ、今日は、僕に任せてお前達は、帰って休んでくれそれとシエラへの伝言も頼んだぞ」


「承知」


「それでは、レイア姉様失礼します」


「今日は、レイア姉がいれば安心だな」


 シュナ、ミレイ、シオンは、去っていく。


「さてと、木村さん、真理亜達の所に行くか」


「はい、ご案内します」


 木村は、真央を案内するのだった。

 食卓に着くとすでに真理亜達は、座っていて、真理亜の両親もいた。


「やあ、真央君、挨拶が遅れて申し訳ない」


「いえ、こちらこそ今日一日お世話になります」


「良いのよ、真理亜と同じ年の子を一人でお留守番なんてさせられないもの、遠慮しないでね」


「さあ、食事も用意してあるから、冷めないうちに食べようじゃないか」


「はい、ありがとうございます」


 真央は、席に着きシェフが作った料理を食べるのだった。

 前に食べた料理より凄いのが出て来て真央は、美味しく召し上がったのだった。


 それから真央は、お風呂に入ろうとしたのだが。


「真央ちゃん、湯加減は、どう?」


「はい、大丈夫です」


 何故か、翔子と一緒に入っていたのだった。


「あの、翔子さん」


「ん? 何?」


「こんな事聞くのもどうかと思いますが、何故僕と一緒に入っているのですか?」


「まあまあ、良いじゃない私達は、お互いに戦い合って認めた仲だし、そんな二人の裸の付き合いってものよ」


「戦いって、ああ」


 真央と翔子は、初めて会った時に戦い合いお互いを認め合った事があるのを真央は、思い出した。

 戦いと言ってもゲームであるが。


「まあ、私自身真央ちゃんと二人で話したかったのよね、で風呂場こそお互いに何の建前もなく話し合えるでしょ?」


「よくわかりませんが、僕と話したい事があると言う事でしょうか?」


「ええ、そうよ」


 翔子は、真央の方を向く。

 その顔は、真剣な顔だった。


「真央ちゃん、改めて言うけど真理亜が誘拐された時に傍にいてくれてありがとう」


「僕は、ただそれしかできる事がなかったからしただけですよ」


「それでもよ、真理亜が誘拐されたって聞いた時も追いかけようとしてくれた事も聞いたわ、危険だと思うけどね」


「そうですね、僕も軽率だったと思います」


「でもね、それだけ真央ちゃんが真理亜の事を大切に思ってくれている事だって事もわかるわ、彩音ちゃん達もそうだけど真理亜にあなたのような友達ができて本当に良かったと思ってるの、真理亜は、色々あったから」


「確かここに来る前は、別の家で酷い扱いを受けていたって聞きました」


「ええ、そうよ」


 そう言った瞬間翔子の目は、冷徹な物になっていた。


「あのクズ共は、本当に許せなかったわ、死んだ方が世のため人のためってね、まあ、私があいつらにこれでもかってくらい報復してあげたけどね、二度と真理亜の目線にすら入らないようにしてあげたからね、それは、もう徹底的に、ね」


「それは、凄いですね」


「あのクズ共のせいで真理亜は、学校でもいじめを受けていたわ、父さん達が引き取った時には、もう心が壊れ切っていたそうよ、生きている事を諦めているようなただ生きているだけみたいな」


「・・・・・・」


「だから、清涼女子学園に転校させる時も不安があったけど良い子達ばかりで本当に良かったわ」


「そうですか」


「ええ、本当に良かったわ」


 翔子は、心から安堵するように微笑んでいる、

 真理亜の事を大切に思うからこそである。


「そうだ、翔子さん僕も聞きたい事があったんです」


「何かしら?」

 

「真理亜の誕生日を教えてほしいんです」


「え?」


「真理亜の誕生日です、何かプレゼントを用意したいと思って」


 姉であるレイラの娘である真理亜に誕生日プレゼントを贈りたいと思った真央は、この期に聞こうとしたのだ。


「誕生日、そう、ね」


 ところが翔子は、返答に困るような顔をしていた。


「どうかしたのですか?」


「真央ちゃん、真理亜は、この家に来てから誕生日を一度もやっていないのよ」


「え?」


 翔子の言葉に真央は、驚く。


「どうしてですか?」


「もちろん、私も父さんも母さんもお爺様やお婆様も使用人の皆も祝おうとしたのよ、でも真理亜がしなくて良いって言ったのよ、それで理由を聞いたのよ、それは、真理亜にとっては、とても悲しい事だったわ」


「何ですか、その理由は?」


「そうね、酷い偶然よ、もし神様がいるなら、どうして真理亜にこんな酷い思いをさせるのって言いたいわ」


 翔子は、悲しそうな顔をして理由を言うのだった。


「真理亜の本当のお父さんが三歳の頃、お母さんが六歳の頃に亡くなったって事は、知ってるかしら?」 


「はい、それは、聞きました」


「その真理亜のお父さんとお母さんが亡くなった日が()()()()()()()だったのよ」


 翔子の言葉に真央は、目を見開き驚くのだった。





読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「Sランク冒険者の彼女が高ランクの魔物討伐依頼を受ける理由」もよろしくお願いします。

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