第197話 魔王のお泊り 6 沙月の家 3
真央は、沙月の両親に学校での沙月についての話をするのだった。
「沙月は、学校では、真面目ですよ僕達の中では、中心的になったりして友達思いですし沙月は、とても良い子だと思いますよ」
「そう、それなら良かったわ」
「私達は、滅多に家に帰る事がないからね、あの子にいつも任せきりで申し訳ないと思っているんだ、無理をしているのでは、ないかとか思ってね」
「普通なら沙月くらいの子には、私達が一緒にいてあげなきゃいけないのに私達の仕事上とても忙しくて中々沙月と一緒にいられる時間を作ってあげられないのよ」
「だから時々、帰って来てもあの子は、何も文句を言わないからね、本当は、一緒にいたいと思っているかもしれないのに私達は、あの子がしっかりしているからそれに甘えて自分達の仕事を優先しているって思う事があるんだ」
「あの子は、表に出さないだけでもしかしたら寂しい思いをしているかもしれない、だから私達も時々考えるのよ今の仕事をやめてあの子と一緒に過ごす時間を増やした方が良いのかなって」
「あの子がもしも私達に気を遣って我慢しているのなら、私も美月と同じ考えだ」
「・・・・・・」
真央は、二人の話を黙って聞いていた。
そして思ったのは、自分の両親の事だった。
自分の両親も仕事で会う事がほとんどなかったそして、自分のせいで母は、自分を責め続けていた事を知った。
自分と沙月は、どこか似ていると感じた事があった。
おそらく家族構成が自分と同じで父と母と姉がいるからだと思う。
だがそれでも自分と沙月は、違うと真央は、思った。
「沙月は、多分二人には、仕事をやめてほしくないと思いますよ」
「え?」
「沙月は、良い子ですから、自分のせいで親が仕事をやめたらきっと自分を責めると思います」
「確かに真央君の言う通りかもしれないな」
「そうね、あの子は、優しいから」
「それに沙月は、大丈夫ですよ、沙月には、お姉さんがいますし、真理亜や彩音や唯それに僕もいますから、沙月は、一人じゃないですからだから大丈夫ですよ」
沙月は、自分とは、違う。
自分には、味方と呼べる者がその時には、いなかった。
だが沙月は、親に会えなくても姉がいる友達がいる一人では、ない。
真央は、その思いを沙月の両親に伝えた。
「ふふ、そうね確かにあの子は、一人じゃないわね」
「ああ、君のような友達がいてくれるなら、安心できるな」
「真央ちゃん、これからも沙月の良いお友達でいてあげてね」
「もちろんです」
話をしていると沙月がお風呂から上がって来ていた。
「あら、沙月あがったのね」
「うん」
「沙月、真央君は、良い子だな」
「うん? そんなの当たり前だけど」
沙月は、父の問いに当然のように答える。
それを見た真央は、沙月の頭を撫でる。
「何だ、真央いきなりどうした?」
「ん? 沙月は、立派だなと思ってな」
「はあ?」
沙月は、何が何だかわからない様子だった。
その日の夜。
「お父さん、お母さん」
沙月は、両親の部屋に入って来る。
「どうしたの沙月?」
「いや、何て言うか、その、一緒に寝て良いかな?」
照れたような顔をして枕で口元を隠して沙月は言う。
「ああ、良いぞ」
「一緒に寝ましょ」
沙月の両親は、沙月を真ん中に寝かせ三人で寝る。
「沙月、また大きくなったんじゃない」
沙月の母は、沙月の頭を優しく撫でながら言う。
「そうかな?」
「ええ、そうよ」
「お父さんとお母さんは、またすぐに仕事に戻るの?」
「ああ、次は、いつ帰って来るかわからないな」
「そうか」
「沙月、いつもあなたに寂しい思いをさせてごめんね」
「そうだな、だがお父さんもお母さんも沙月と卯月の事は、大切に思っているよ」
「別に大丈夫だよ、会えないのは、寂しいけどそれでも私は、一人じゃないから我慢もしていないし無理もしていないから大丈夫だよ」
「沙月」
娘の成長に沙月の両親は、感動している。
「それに、姉ちゃんのあの家事のダメさを見たらこれ私がしっかりしないといけない奴だと思うから寂しがっていられないよ」
「「・・・・・・」」
沙月の両親は、知らないうちに娘がどんどん早い段階で大人になっていくのを感じたのか、なるべく早く仕事から帰ってこれるようにした方が良いと本気で思った。
ちなみに真央は、沙月の姉卯月が何故か寂しそうな顔をしていたから卯月と一緒に寝たのだった。
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タイトルは、「Sランク冒険者の彼女が高ランクの魔物討伐依頼を受ける理由」です。
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