第196話 魔王のお泊り 5 沙月の家 2
「あ、そうだ」
夕飯を作る前に沙月は、沙月の両親に向く。
「お父さん、お母さん、お帰りなさい」
「「ただいま、沙月」」
沙月のお帰りなさいに両親は、ただいまと笑って言うのだった。
「あー、っと、お父さんとお母さん帰ってたんだ、お帰りー」
卯月がリビングに入って来た。
「卯月~!! ただいま~!!」
沙月の母は、卯月にも抱きつく。
「おお、お母さん帰ってくる度に毎回これやるの?」
「だって~、愛しい娘達に中々会えないんだもん、帰って来た今たっぷり娘成分を充電しとかないと」
「あー、はいはい」
「ただいま卯月、漫画の方は、相変わらず人気のようだな」
「うん、今七作目だからね、こんなに続くとは、思ってなかったよ」
「卯月の漫画海外でも人気よ、私も見ていて面白いもの」
「そうなんだ、あ、沙月今日は、カレーなの?」
「うん、後カツも乗せるよ」
そして夕飯ができて真央は、沙月の家族と一緒に食べるのだった。
メニューは、カレーの上にカツを一切れ乗せたカツカレーとサラダである。
「さあ、久しぶりの沙月の手料理いただきましょ」
『いただきます』
真央達は、カレーを食べる。
「どうだ、真央?」
「うん、旨いぞ」
「そっか、それは、良かった」
「んんー、やっぱり娘の手料理が一番ね!!」
「ああ、我が家に帰って来たって感じるな」
「卯月が羨ましいわ、いつも食べてるんだから」
「家でやれる仕事だからね~」
「そう言えば、魔法少女日向と花がアニメ化するって聞いたわよ」
「うん、久留美がそろそろ終わるからね、この前打ち合わせに行ったよ」
「雑誌で見ましたけど、日向の声優って前に沙月の家でやったゲームと同じ声優ですよね」
「そうよ、沙月が好きだって言ってたから、要望を伝えたのよそしたら即オッケーしたのよのねぇ」
卯月は、言うがどこか腑に落ちない顔をしていた。
「姉ちゃんどうしたの?」
そんな卯月の顔を見た沙月が問う。
「いやさー、日向の要望をオッケーした人、舞の時と同じ人だったのよね、舞の時は、色々言ってさ要望を聞いてもらえなかったのに、今回は、すんなり要望が通ったからなんかムカついたのよね」
「ああそうか、て言うか姉ちゃん根に持ってたのか」
「当然よ、だから無茶な要望を後、五つぐらい言ってやったわ」
「姉ちゃん」
卯月の言葉に沙月は、何をやってるんだと言うような顔をしていた。
「そう言えば、話変わるけど沙月のお父さんとお母さんは、何の仕事をしているのですか?」
卯月の仕事の話を聞いて気になったのか沙月の両親に問う。
「私は、弁護士をしてるわ、結構私を頼りにしてくる人達がたくさんいるから事務所で暮らしているのが多いのよね、だから家には、滅多に帰らないわね」
「そう言えば、沙月が弁護士だと聞いた事がありますね」
「そう言えば、真央実家での話は、どうなったんだ?」
「ああ、両親の遺産相続か一応何の問題もなく、僕が成人したら全部受け取る事で話がついたぞ」
「そっか、それなら良かった」
「沙月から聞いたわ、でも何の問題もなく話がついて良かったわ、でももし問題が起きたら私に任せて、沙月の友達だから誰よりも優先してどんな手を使ってでも真央ちゃんを勝たせてあげるから安心して」
「真央、お母さんの腕は、確かだから今までどんな不利な裁判でも覆した実績があるから」
「そうなのか? じゃあその時は、お願いします」
「ええ、任せて」
沙月の母は、サムズアップして答える。
「それで、沙月のお父さんの方は、何をしているのですか?」
「私か? 私は、通訳の仕事をしている」
「通訳?」
「様々な国の言葉をその国の言葉で説明する仕事だな」
「真央ちゃん、私の夫は、凄いのよほとんどの国の言葉を話せるんだから、むしろ知らない言葉なんてないんじゃないのってくらい」
「そうそう、それで世界中の首相や大統領達から引っ張りだこなのよね、絶対に失敗できない時は、お父さんに頼む人が当たり前って言われるくらい」
「美月も卯月も大げさだ、むしろ私達がいない間にこの家の家事をしてくれてる沙月が一番だと思うぞ」
「確かに、沙月が一番凄いわね」
「うんうん、沙月がいないと私達、ダメダメだもんね」
「「「沙月、いつもありがとう」」」
「・・・・・・何だよ皆してやめてくれよ」
言われた沙月は、恥ずかしいのか照れているのか顔を赤くしている。
「・・・・・・」
そんな光景を見て真央は、笑っていた。
ご飯を食べ終え、お風呂に入って上がった真央は、リビングに来ていた。
そこには、沙月の両親が座っていた。
「あら、真央ちゃん上がったのね」
「もう少し、ゆっくりしていても良かったんだぞ」
「いえ、充分です」
「そう、ねえ真央ちゃん、少し時間良いかしら? 聞きたい事があるの」
「聞きたい事ですか?」
「私達は、仕事で家に帰る事が滅多にないからね、だから学校では、どうなのかとかがわからないんだ、沙月からは、聞いているけどそれとは、別に真央君、友人である君から沙月の話を聞かせてもらいたいんだ」
「わかりました、良いですよ」
そう言って真央は、沙月の両親とお話をするのだった。
読んでいただきありがとうございます。