第195話 魔王のお泊り 4 沙月の家
朝起きて朝食を食べ終えて少ししてから真央は、彩音の家を出るのだった。
「お世話になりました」
「また遊びに来てね」
「気をつけて帰ってね」
「まお姉、またなー」
「さっちゃんには、真央姉さんが帰ったって言っておくよ」
「ああ、わかった、それじゃあ」
真央は、彩音の家を出て自分の家に帰り、彩音の家で使ったお泊りセットを置き、新しいのをリュックに入れマンションの鍵を閉め沙月の家に向かうのだった。
沙月の家についた真央は、インターホンを鳴らす。
『はい』
「僕だ、沙月」
『おお、真央か、ちょっと待ってろ』
すると玄関が開き沙月が出て来る。
「いらっしゃい」
「今日一日世話になる」
「良いって事さ、さあ入ってくれ」
真央は、沙月の家に入る。
「荷物は、私の部屋に置いといてくれ」
「わかった」
真央は、沙月の部屋に自分の荷物を置く。
「そうだ、真央今日私のお父さんとお母さんが帰って来るんだ」
「そうなのか?」
「当然、真央の事も話てあるから大丈夫だ」
「わかった」
「真央ちゃんいらっしゃい」
とここで沙月の姉の卯月が来る。
「お姉さん、今日一日お世話になります」
「うん、沙月から事情は、聞いているから私は、大丈夫だよ、それよりも」
卯月は、怪しく目をキランと光らせる。
「真央ちゃん、色んな衣装を用意したからまたモデルになってちょうだい」
「・・・・・・わかりました」
お世話になる身だからか真央は、卯月の要望に応じるのだった。
「ごめん真央、今日の夕飯は、豪華にするから」
「楽しみにしてるよ」
こうして真央は、卯月に撮られまくられていた。
「ありがとう、真央ちゃんとっても良いのが撮れたわ」
「それは、良かったです」
「姉ちゃん、私夕飯の買い物に行ってくるよ」
「それなら僕も付き合うよ」
「良いのか?」
「お世話になるしなこれくらいは」
「ありがとう、じゃあ姉ちゃん行ってくるよ」
「うん、いってらっしゃい」
真央と沙月は、夕飯の買い物に行くのだった。
真央達は、商店街を歩いていた。
「真央は、昨日彩音の家で何食べた?」
「ハンバーグだな」
「じゃあ、それ以外にするか、ちなみに真央って好き嫌いやアレルギーとかってあるか?」
「別に嫌いな物は、ないしアレルギーも特にないぞ」
「そうか、お父さんとお母さんも帰って来るし何にしようかな」
沙月は、考えながら商店街を歩いていた。
「おや、沙月ちゃん」
すると商店街の人が声を掛けて来た。
「こんにちは」
「お使いかい、偉いね、今日は、何にするの?」
「まだ、考え中です、今日は、お父さんとお母さんも帰って来るんで」
「あら、ご両親帰って来るの? 良かったじゃない」
商店街のおばさんが自分の事のように喜んでいる。
「おーい、どうしたんだい?」
すると目の前の店の主人が聞いてきた。
「今日沙月ちゃんのお父さんとお母さんが帰って来るのよ」
「え? そうなのか? 良かったじゃねえか、いつぶりだ?」
「結構久しぶりですね」
「そうかそうか」
「何だ、どうした?」
「何かあったの?」
すると商店街のあちこちの店の人達が来て沙月の周りに集まっていた。
「皆、沙月の事知ってるのか?」
「一人で買い物したりしているからいつの間にか知り合いになっていたんだ」
「なるほど」
「おや、そっちのお嬢ちゃんは、沙月ちゃんの友達かい?」
「はい、私の買い物に付き合ってもらってるんです」
「そうかい、ってあれもしかしてお嬢ちゃんカレー屋と寿司屋の特大メニューを食べ切った子かい?」
「え? あ、本当だ、カレー屋と寿司屋に勝った子だ」
「ああ、間違いねえ、俺あの時見てたもん」
どうやら真央の事も商店街に知れ渡ってるようである。
「・・・・・・よし、真央今日は、カレーで良いか?」
「ああ、良いぞ」
「あら、カレーにするのかい? じゃあ、あたしの店に来てちょうだい、カレーに使う野菜、安くしてあげるよ」
「肉なら俺の所に来な、今日は、セールだから安いよ」
「じゃあ、早速買いに行きます」
沙月は、カレーの材料を買いに八百屋と肉屋に行き材料を買いいくらかサービスをしてもらい家に帰るのだった。
「ただいまー」
「お帰り沙月ー!!」
玄関に上がるといきなり沙月は、抱きつかれた。
「お帰り沙月~、そしてただいま~、元気にしてた? ケガとかしてない?」
「ちょ、お母さん」
「もっと顔を見せて~!! 会えなくてお母さん寂しかったのよ~!! 娘成分充電~!!」
女性は、沙月に抱きつき頬ずりをする。
女性の名は、相沢美月、沙月と卯月の母である。
「美月、久しぶりに娘に会えて嬉しい気持ちは、わかるがそろそろ離してあげなさい」
隣で男性が沙月の母に言う。
男性の名は、相沢智和、美月の夫で沙月と卯月の父である。
「ええ~、でもあなただって久しぶりに会えて嬉しいでしょ~?」
「それは、もちろん嬉しいが、そのくらいにしておくべきだ、沙月のお友達も黙って見ているぞ」
「え? あら、お友達がいたのね、ごめんなさい沙月ばかりに目が行って気づかなかったわ」
沙月の母は、真央に気づき沙月から離れる。
「初めまして、宇界真央と言います、今日一日こちらの家にお世話になります」
「ああ!! あなたが真央ちゃんね、沙月から聞いてるわ、初めまして沙月の母です」
「沙月の父です、よろしく真央君」
沙月の両親は、真央に挨拶する。
「よろしくお願いします、急に泊りに来てすみません」
「良いのよ、事情は、聞いてるわこんなかわいい子を一人にさせられないもの遠慮しないでね」
「その通りだ、遠慮せずくつろいでくれ」
「ありがとうございます、これどうぞリズからのほんの気持ちです」
真央は、沙月の母にお菓子を渡す。
「まあ、ありがとう、そんなに気を遣わなくてもいいのに」
「じゃあ、お父さん、お母さん私晩御飯作るから」
「あら、何にするの?」
「カレーだよ、カツも乗せるよ」
「久々の沙月の手料理楽しみね」
「ああ、そうだな」
こうして久しぶりに帰って来た沙月の親と一緒に過ごすのだった。
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