番外編 その頃、他の人達の夏休み
真央達以外の人達の夏休みを書きました。
今回は、真央達以外の他の人達の夏休みを見て見ようと思う。
~夏休み 実里と花音の場合~
「花音、こっちこっち」
「待ってー」
実里と花音は、近くの公園に来ていた。
「ねえ、実里ちゃん本当にこの公園にカブトムシなんているの?」
花音は、実里に問う。
二人は、この公園にカブトムシを採りに来ていたのである。
「いるわよ、なんでもカブトムシを飼っていたけど飼うのがめんどくさくなってあっちこっちに逃がす人がたくさんいて、それでそのカブトムシが増えていって夏とかに公園にいたりするそうよ」
「それ、どこの情報?」
「亜子ちゃんが言ってた」
「じゃあ、信じられるね」
「さ、早く見に行こう」
「うん」
実里と花音は、公園の木を見て行く、そして。
「花音!! いたよ!!」
実里が大声で花音を呼ぶ。
どうやら本当にいたようだ。
「見せて見せて」
「ほら、大きいカブトムシよ」
実里は、花音に手で掴んだカブトムシを見せる。
「・・・・・・」
しかし、花音は、返答に困った顔をしていた。
何故なら実里の持っていた昆虫は、確かにカブトムシと同じ角があったがその角は、一本では、なく二本だった。
「実里ちゃん、それって」
花音は、それが何かわかっていた。
そう、実里が持っていたのは、カブトムシでは、なくクワガタムシだったのだ。
「ね、凄いでしょ? 本当にいたよ、カブトムシ!!」
実里は、クワガタムシをカブトムシだと思っている。
それを見ていた花音は。
「うわー、凄いねー」
喜んでいる実里を見ていて言いづらいのか、クワガタムシだとは、言わなかったのである。
「花音、他にもいないか見て見よう」
「うん」
実里と花音は、楽しそうに行くのだった。
だが、実里よそれは、カブトムシでは、なくクワガタムシなのだ。
~夏休み 亜子と梓美の場合~
「あーずーみん、あーそーぼー」
亜子は、梓美の家の前で梓美を呼んでいる。
「あーずーみん、あーそーぼー」
亜子は、呼ぶが梓美の返事は、ない。
「あーずーみん! あーそーぼー!」
聞こえないのか亜子は、少し大声で呼ぶ。
しかし返事は、ない。
「あーずーみん!! あーそーぼー!!」
亜子は、さらに大声で呼ぶが返事は、ない。
「あーずーみん!!! あーそーぼー!!!」
さらに、大声で呼ぶが返事は、ない。
「あーずー「普通にインターホン鳴らせよ!!!」おお、出たねぇ」
勢いよく、扉が開き梓美が言うのだった。
「全く、お前は、何をやってるんだ、近所迷惑な事して」
「ええ~、だってあずみん呼んでるのに出て来ないんだもん」
「当たり前だろ!! 恥ずかしいわ!!」
「まあまあ、そう言わず、落ち着きなって」
「誰のせいだと思ってる」
「まあ、そう言わずにさ今日は、あずみんに言っておきたい事があってさ」
「何よ?」
「実は、あずみんとの今後について思う事があるんだよね」
亜子は、梓美に言う。
その顔は、普段とは、違う真面目な物だった。
「それは、一体?」
「あずみんの返答次第では、今後の私達の関係も考えなければいけないって事だよ」
「今後の関係?」
「まあ、詳しい事は、ここに書いてあるから」
そう言って亜子は、梓美に一枚の封筒を渡す。
「じゃあ、私外で待ってるから、決まったら呼んで」
亜子は、部屋を出て外に向かうのだった。
「・・・・・・」
残された梓美は、封筒を開ける。
(ええー、私亜子に何かしたのか? 知らないうちに亜子を怒らせてしまったのか? と、とにかく内容を見て謝らないと)
梓美は、内心で焦っていたため封筒から紙切れを出し書いてある内容を見る。
すると。
「えーと」
梓美は、その内容を見て止まる。
そこに書かれていた内容は。
いや~、最近ぽん丸がかわいくてあまりあずみんに構ってやれてないと思うんだよねぇ、もちろんあずみんの事も大切に思ってるよ、でもあずみんもぽん丸も大切だから、だからあずみんがもし自分を構ってくれないと嫌だと言うなら、私は、嫁であるあずみんのためにぽん丸には、悪いけどあずみんを優先するよ、あずみんは、どう思う?
「・・・・・・」
梓美は、無言のまま外へと出て行く。
「で、あずみん、どっちが良い?」
「にゃあー」
扉を開けると外でぽん丸を抱えた亜子が待っていた。
「・・・・・・」
ブチッ!!
「私の悩んだ時間を返せえええええええええええええー!!!」
「ええー、何ぃー!?」
梓美は、大声を上げて叫ぶのだった。
そして、場所は、再び梓美の部屋に戻る。
「・・・・・・」
梓美は、そっぽを向いていた。
「あずみん、ごめーん」
「にゃあー」
「・・・・・・」
亜子は、謝罪するが梓美からの返事がない。
怒っていると知った亜子は、あの手この手で梓美を振り向かせようとする。
「ごめんなさい」
「にゃあー」
ぽん丸と一緒に土下座をして謝罪する。
「これで何とか」
亜子は、お金が入った封筒を出す。
ちなみに中身は、五百円玉。
「ぽん丸と二人羽織!!」
「にゃあー」
一発芸をする。
しかし、梓美は、振り向いてくれない。
「うう~、あずみ~ん、ごめんよぉ~、なんでもするから許してぇ~」
「にゃあー」
「・・・・・・プッ」
後ろを向かなかった梓美は、亜子の一生懸命さに少しだけ笑う。
「そう言えば、今日ママがシュークリームを作るって言ってたなー」
「え?」
ここで梓美は、独り言のように言う。
「でも、たくさん作るって言ってたから、一人じゃ全部食べられないなー」
「・・・・・・」
「私も甘い物を食べればなんでも、許せちゃうと思うし、誰か一緒に食べてくれないかなー」
「はい!! 私食べます!! たくさん食べます!!」
亜子は、勢いよく手を上げて言う。
「なんだかんだ、あずみんは、優しいねぇ、さすが私の嫁」
「誰が嫁だ」
二人は、シュークリームを美味しそうに食べるのだった。
~夏休み 樹里と奈津美の場合~
偶然、樹里と奈津美は、公園で出くわした。
そして二人でベンチに座っていた。
「いつもシエラちゃんがいたけど、こうして二人だけなのって初めてだよね?」
「そ、そうですね、初めてだと思います」
奈津美は、普通に話しているが樹里は、どこか緊張している。
「・・・・・・」
「あ、あの奈津美さん、何か?」
「ねえ、樹里ちゃん、ずっと思ってたんだけどさ」
「は、はい」
「樹里ちゃんってそれが本当の樹里ちゃんなんだね」
「ふえ?」
奈津美が何を言ってるのかわからない樹里は、反応に困っていた。
「だからさ、その誰に対しても敬語で話したりとか、名前を呼び捨てにしないとかさ最初は、今までしてきた事に対してそう言う態度から改めてるのかなと思っていたけど、でも樹里ちゃん無理していないしなんか自然な感じだったからだからもしかして樹里ちゃんって本来そう言う性格なのかなって思ったの、そう考えるとタメ口で話してた時どこか違和感を感じてたなって」
「・・・・・・はい、奈津美さんの言う通り本当の私は、誰に対しても敬語で話しますし、人の名前を呼び捨てにするのも嫌なので呼び捨てで呼んだりしません、ただあの時は、お父様とお母様以外誰も信じられなくてだから舐められないようにと思ってしたのですけど、やっぱり無理がありました」
「お父様、お母様ってパパ、ママもやっぱり無理して言ってたのね」
「はい、その、変ですよね?」
「何で? 良いじゃない」
「え?」
奈津美の答えに樹里は、驚く。
「正直私前の樹里ちゃんより、今の本当の樹里ちゃんの方が好きだよ」
「え!?」
「無理してない樹里ちゃん良いと思うし、それに最近かわいいって思ってもいるんだよ」
「ふええ!?」
「実は、他の皆も思ってるよ」
「はわわわ」
樹里は、顔を赤くしながら顔を隠している。
「やっぱり、素直な樹里ちゃんってかわいいね、シエラちゃんが樹里ちゃんが本当は、良い子だって意味が分かるよ」
いたずらな笑みを浮かべて言う奈津美。
「うう~ッ」
樹里は、ただ恥ずかしくて下を向いていた。
二人の仲が深まったのであった。
読んでいただきありがとうございます。
次回から人間界に戻ったレイアの話に戻ります。




