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第189話 魔王会議 9 空間の歪みについて考える

「では、レイア殿の言う空間の歪みが何なのか、全員の意見を聞きたいと思う」


 レイアの言っていた空間の歪み。

 突然現れ、それに吸い込まれたら人間界にいたと言う、現象が何なのかを話し合っている。


「側近の者達も遠慮なく何か気になる事があったら構わず意見を言ってくれ」


 ルーグに言われ魔王や側近達も考える。


「そもそも、その空間の歪みとは、何の前触れもなく起きたのですか?」

 

 ルーグの妻で側近のエミリアが手を上げて言う。


「ああ、フィオナの他に魔族や人間にも会ったが全員空間が突然歪んで吸い込まれたと言っていた」


「この世界の人間も人間界にいたのですか?」


「ああ」


 エリスの側近のアイシャの問いにレイアは、答える。


「と言う事は、魔族や人間に関係なく各地で起きているんですよね? 魔族だけだったら何か条件みたいなものがわかると思ったのですが、人間にも起きている現象だとすれば、わかりませんね」


「キトリーさんの言う通り、確かに魔族だけならまだ何か条件みたいなものがあるかもしれないと思いますね」


 キトリーの意見にメイラも同意する。


「レイア様、ちなみに人間とは、どのような者達でしたか?」


 ガリウスがレイアに問う。


「どういう事なのだ、ガリウス?」


「いえ、人間には、王族、貴族がいますからそのような身分の高い者達もいたのでは、ないかと」


「そうだな、僕が会ったのは、村人だった男とSランクの冒険者パーティーの者達だったな」


「と言う事は、身分なども関係ありませんね」


「ちなみに魔族も水棲魔族やウィザード族やヴァンパイア族などバラバラだったな」


「なるほど」


「あ、そう言えば凄い魔族に会ったぞ」


「凄い魔族? 誰なのだ?」


 シャロが問う。

 レイアが凄いと言うから気になったのだと思う。


「その魔族の名は、イゴールだ」


『イゴール?』


 全員が疑問の声を上げる。


「《災害のイゴール》と言えばわかるか?」


『!!』


 その名を聞いて全員が驚く。


「災害のイゴール、人間の国をいくつも滅ぼしたと言われるあのイゴールか?」


「ああ」


 ルーグの問いにレイアは、頷く。


「イゴールって当時魔王に匹敵する強さを持っていたよな?」


「我も一度会った事がある確かに魔王を名乗ってもおかしくない男だった、だが何百年も前に突然いなくなったと聞いたが」


「てっきり死んだのかと思っておったが、まさか人間界におったとは、驚いたのう」


 ロウキとドラグは、イゴールを知っているため彼が人間界にいた事が驚きであった。


「レイア、その災害のイゴールも空間の歪みで人間界に行ったのか?」


「いや、イゴールは、この世界がつまらないと思ってもしかしたらこの世界以外にも別の世界があると思って、なんか魔力を放出して色々やって見たらなんか空間が歪んでその空間に入ったら人間界に来ていたって言ってたな、それから人間界を気に入ってずっと暮らしてるぞ」


 ライオルの問いにレイアは、そう答える。

 そしてそれを聞いた者達は。


『・・・・・・』


 全員が唖然とした顔をしていた。


「魔力を放出して色々やってって、全く訳がわからないと思うのは、私だけかしら?」


「いや、君の考えは、普通だと思うぞ僕だってわからないから」


 エリスの言葉にゼルアは、答えそして他の者達もそれに頷くのだった。


「でも、魔力を放出して空間の歪みが出たと言う事は、魔力が関係していると言う事でしょうか?」


 ここでエミリアが意見を言う。


「魔力が?」


「はい、自然現象ならそれで済みますが、レイア様の話が本当なら魔力が何かしら関係していると思うのです、つまり人為的に発生していると思います」


 ルーグの問いにエミリアは、答える。


「僕とリズも人為的な可能性が高いと思っている、何故ならあまりにも多くの魔力持ちの魔族と人間がいたからな」


「なるほど、多くの魔力持ちがいたならその自然現象は、頻繁に起こっている事になるのじゃ、じゃがもしそうなら妾達の先祖達が何かしらの文献とかに残しておるはずじゃが、妾は、見た事もないのじゃ、クリスそなた知っておるか?」


「いえ、私もそのような事は、聞いた事がありませんし、文献にも載っていなかったと思います」


「ふむ、ロウキ、ドラグそなた達は、何か知らぬか?」


 リーザロッテは、ロウキとドラグに問う。

 古株の彼等なら何か知っているかもしれないからだろう。


「ワシは、知らんな、ガルザお前さん知っとるか?」


「聞いた事もないですね」


「残念だが我も心当たりは、ないメイラは、どうだ?」


「いえ、全く聞いた事もありませんね」


 ロウキ達も知らないと答える。


「私達エルフもそんな現象があるなんて聞いた事ないわね、アイシャあなたは?」


「いえ、私もありません」


「私達妖精族も聞いた事ない、テオドールは?」


「申し訳ありませんが、私も聞いた事がありません」


「俺達獣魔族も聞いた事ないな」


「はい、私も聞いた事ありません」


 エリス、ミューラ、ライオル達も聞いた事ないと答える。


「当然、我も知らないのだレイア」


「私も聞いた事ありません」


 シャロとガリウスも同じように答える。


「私も知らないな、エミリアは、どうだ?」


「私も知りませんね、そのような現象、聞いた事もありません」


 ルーグとエミリアも聞いた事ないと答える。


「そうか、お前達も知らないか」


「すまないな、何かわかれば良いと思ったが話せば話すほど、わからなくなるな」


 ルーグの言葉に他の者達も頷く。


「気にするな、僕だけでは、わからないままだったさ」


「聞くがレイア、魔力持ちは、結構人間界にいると言っていたな?」


「ああ、シエラがイゴールから聞いた話によると二十年程前からやけに多くいるらしい」


 ゼルアの問いにレイアは、答える。


「なら、二十年前から頻繁に起きている現象と言う事になるな、古株のドラグ達も聞いた事ないとなると、やはり人為的なものである可能性が高いな」


「ああ、それに人間界にいる魔力持ちも全員が空間の歪みで来たわけでは、ないと思うんだ」


「どう言う事だ?」


 ゼルアがレイアに問う。


「真理亜の命を狙う者の配下と思われる奴に、この世界と人間界の空間を繋ぐ転移の魔法を使う者がいたから、多分そいつによって人間界に来た者もいたと思うんだ、可能性としては、この空間の歪みと関係があると思うか?」


 レイアは、全員に問うのだった。

 どうやら話は、まだ続くようだ。


 







読んでいただきありがとうございます。

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