第184話 魔王会議 4 レイア、魔王達に問う
「まさか、お前達の中に姉貴を殺した事に関わっている奴は、いないだろうな?」
レイアは、そう魔王達に問う。
威圧も込めて。
「・・・・・・何故、そう思う?」
ルーグが問う。
「姉貴が人間界で死んだ、だが姉貴は、魔族で魔王だ事故で亡くなるとは、思えない、それに他にも魔力を持った魔族や人間達がたくさん人間界にいた、油断していたとしても姉貴は、かつて第五魔王の実力を持っていた、何の抵抗もなくやられるとは、考えられない、なら姉貴を殺すことができるのは、魔王に匹敵する実力を持つ者、もしくは、同じ魔王だ、だから同じ魔王である、お前達に聞いてるのさ」
ルーグの問いにレイアは、そう答える。
「言いたい事は、わかった、しかし我々の中にレイラ殿を殺した者は、いないと思うがな、例え殺したとしても殺す理由がない、ましてや何故レイラ殿の娘も殺さなければならないのだ、少なくとも私にそんな事をして得をする理由は、何もない」
「レイア、俺も知らねーぞ、レイラが人間界にいた事もレイラに娘がいた事も今初めて知ったぞ、それにルーグの言う通りそんな事をして得する事など、何もねえぞ」
「そうね、私もレイラを殺す理由がないわ、レイラとは、気が合ったからね、嫉妬とかそう言うのもないわ」
「僕もないな、少なくとも僕の印象では、レイラは、誰かに殺されるほど恨まれるような奴では、なかった」
「マイスイート!! 当然妾は、何も知らないのじゃ!! そなたの姉君を殺すなどそんな事は、しないのじゃ!! ましてやその子供など以ての外じゃ!!」
「ワシもじゃな、レイラの嬢ちゃんは、良い子じゃからな仮にワシが殺したとしてもレイラの嬢ちゃんだけで、その子供の命まで奪う気は、ない」
「我もロウキ殿と同じだ、レイラ殿を殺す理由などない、ましてやその娘まで殺そうなど、我は、そこまで外道には、なれん」
「レイラは、とても優しかった、そのレイラが亡くなったのは、悲しい」
「レイア、そなたなら言わなくてもわかってるはずなのだ、お菓子美味しいのだ!!」
ルーグに続き他の魔王達も答える。
「他の魔王達もこう言ってるが、レイア殿納得したか?」
ルーグは、レイアに問う。
「・・・・・・ふう、まあ、わかっていたけどな」
レイアは、一息履いて言う。
「お前達が姉貴を殺す理由もないし、ましてや誰かに命令されて動くわけもないしな、一応確認したかったんだ、すまない」
レイアは、頭を下げ謝罪する。
「気にするな、少しでも可能性があるなら疑うのは、当然の事」
ルーグの言葉に他の魔王達も頷く。
「そうか、感謝する、だが」
レイアは、顔を上げ魔王達を見渡し。
「お前達の中にもし関わっている者、真理亜の命を狙おうとした者がいたと言う事を確信した場合、容赦は、しないぞ」
魔力を放ちながら言う。
それは、他の魔王達への忠告のようなものだった。
真理亜を狙う者なら知り合いであっても容赦なく排除する。
レイアは、本気でそう思っていた。
(相変わらず、とんでもない魔力だな)
(これでも、全然本気じゃないのよね)
(こんな化物みたいな奴、敵に回す奴がいたら見てみたいくらいだ)
(はあ、マイスイートいつ感じても惚れ惚れするほどの魔力なのじゃ、あまりにも凄すぎて、んん、いかんのじゃ、下が少し濡れてしまったのじゃ)
(何と言うか、もうレイアの嬢ちゃん一人で良い気がするのう)
(レイア殿がいる限り、魔族の未来は、安泰だな)
(・・・・・・レイア、凄い)
(このドラヤキと言うお菓子、見た目は、地味だが味は、文句なしの美味しさなのだ)
(私には、関係ないがレイア殿を敵に回した、その者は、憐れだな)
魔王達は、一人を除いて、レイアの魔力を感じながら内心でそう思っていた。
「レイア様、その辺で、魔王様方より側近の方々が限界です」
「ああ、そうだな」
リズに言われレイアは、魔力を引っ込め、いつもの状態に戻る。
見ると、他の魔王達の側近は、レイアの魔力があまりにも強大過ぎたのか、気絶までは、しなくとも冷や汗を多くかいていた。
「すまないな、お前達まで巻き込んでしまった」
レイアは、側近達にも謝罪するが側近達は、魔王ましてや最強の第一魔王に謝罪されて戸惑っていた。
「まあ、そんなわけで僕は、姉貴の娘真理亜が自分の寿命を終えるまで人間界で真理亜を守ろうと思っている、そのために敵となる者は、容赦しないさ例えここにいる魔族全てを敵に回す事になってもな」
「かつて我々全員を一度に相手して圧倒した君を見て、完全に敵に回ろうとする愚か者は、いないと思うがな」
ルーグの言葉に他の魔王達も頷く。
「そうだな、僕もそう思うよ」
「さて、レイア殿が子供の姿になった理由もわかった所で本題に入っても良いだろうか?」
ルーグの問いに魔王達は、頷く。
「では、これより魔王会議を始める」
魔王会議が始まった。
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