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第177話 夏だ!!海だ!! 10 だから守ろう

「皆、夏休みの宿題帳を持ってきたか?」


 お昼寝から目覚めてから沙月が皆に聞く。

 沙月に言われて真央達は、宿題帳を見せる。


「よし、じゃあ夕飯まで時間あるから今ここで全部終わらせるぞ」


「え? 何で?」


「何でかって? お前の宿題帳を終わらせるためだ」


「え!? そのために持ってこさせたの!?」


「そうだ、午前中思いっきり遊んだだろ? だからそう言う事だ」


「え~」


「え~じゃない」


 こうして主に彩音の宿題帳を終わらせるために真央達は、宿題をするのだった。

 そして、夕方になる頃。


「はーひひーふー」


「よし、全部終わったな」


 彩音は、生気を失ったような状態になっているが宿題帳を終わらせるのだった。


「しかし、本当に終わらせましたね」


「こんなに、早く終わったの初めてだね」


「ああ、私も全部終わるとは、思わなかった、やっぱ人間その気になれば何でもできるって事か」


「よく見たら、もう夕方だな」


「もうそんな時間か、じゃあ夕飯の準備するか」


 外を見ると夕日が見えているので、夕飯の準備をするのだった。

 夕飯は、バーベキューをするので皆で準備をするのだった。


「サツキ様、手際が良いですね」


「そうですか?」


 沙月は、リゼと一緒に野菜を切る作業をしている。


「はい、まだ幼いのにこれだけできればたいしたものです」


「あ、ありがとうございます」


 褒められて沙月は、照れてしまう。


「それにしても、このピーラーと言う道具は、便利ですね、野菜の皮が面白いように剥けますね」


「料理を全くした事ない素人でもできる便利道具ですからね、でもつい慣れている包丁の方を使うんですよね」


「確かに便利ですけど、どうしても慣れている方に行きますよね」


 沙月とリゼは、お互いに意気投合していた。


「お肉と野菜をバランスよくか、でもやっぱり野菜より肉をたくさん食べたいな」


「その気持ち確かにわかりますね」


「本当ですか?」


 彩音は、ゼナに問う。

 こちらは、二人で串に肉と野菜をバランスよく刺している作業をしている。


「そりゃ、体力を使う仕事をしていますからね、野菜より肉の方が力が付きますしどっちかって言うと肉の方が断然旨いですし」


「野菜ってあまり美味しくないって感じるんですよね」


「そうそう、肉の方が旨いですよね、野菜ってなんか苦いってイメージがあるし」


「じゃあ、いっそ全部肉にしますか」


「良いですね、肉一色にしましょう」


「何言ってるんだ、彩音!! 肉と野菜平等にしろよ!! 栄養が偏るだろ!!」


「そうですよ!! ゼナお・・・ゼナさん、肉だけ何てダメに決まっているじゃないですか!! ちゃんと肉と野菜を平等にしてくださいね!!」


「「はーい」」


 沙月とリゼに叱られた彩音とゼナは、大人しく作業を続けるのだった。


「鬼塚さん、聞きたい事があるのですが」


「はい、何でしょうか?」


 唯と鬼塚ことソウガも串に刺している作業をしている。


「鬼塚さんとリゼさんって付き合っているのですか?」


「はい!?」


 唯の言葉にソウガは、驚きの声を上げる。


「やっぱり付き合っているのですね」


「な、何故そうだと思ったのですか?」


 ソウガは、唯に問う。


「だって鬼塚さん、リゼさんと一緒にいる時お互いに向けている視線が普通では、ないですもの、愛し合っている恋人同士みたいな感じでしたので」


「まあ、そんな所ですね」


「まあ、素敵です、とてもお似合いですよ」


「あ、ありがとうございます」


 唯に祝福されてソウガは、お礼の言葉を言うが。


(なるほど、確かにある意味油断できない子だな、とんでもない洞察力だ)


 内心でそう思うのだった。


「竜上さん、水木さんこれは、どうします?」


 こちらでは、刺し終えた串を乗せた皿を真理亜が両手に一枚ずつ持ちドラギオスとライムの所に持って行く。

 

「ああ、マリア様それは、そこに置いておいてください」


「もう片方は、こちらに置いてください」


「はい」


 ドラギオスとライムは、バーベキューコンロに串を乗せ焼く作業をしている。


「・・・・・・」


「レイア様、どうしましたか?」


 離れた所でレイアとリズは、魚やエビなどの海鮮物の準備をしているがレイアの様子がおかしかったのかリズは、レイアに問う。


「いや、ただこう言うのも悪くないなと思っただけさ」


 皆で料理をするそれがレイアにとっては、悪くないと思い自然と笑っていたのだ。


「それは、良かったです」


 リズも笑って答えるのだった。

 そして、焼き上がったバーベキューを皆で食べるのだった。

 夕飯を食べ終え、すっかり夜になっていた。

 そして皆は、外で花火をしていた。


「それ、二刀流!!」


「それなら私も!!」


 彩音とゼナは、両手に花火を持ってはしゃいでいる。


「全くあいつは」


「お互い苦労しますね」


「はは、そうですね」


 お互いに何かを感じたのか、沙月とリゼは、線香花火をしながら意気投合している模様。


「鬼塚さんは、リゼさんの所に行かないのですか?」


 一方こちらは、唯とソウガが一緒に花火をしている。


「いえ、特には」


「ちょっとした事でも一緒にしてあげないと、愛想を尽かされて別れる事になりますよ」


「そうなんですか?」


「そうなんです、ですから行ってください、早く」


「は、はい」


 唯に言われソウガは、リゼの所に行くのだった。


「皆さん、打ち上げますよ」


 ドラギオスは、セットした打ち上げ花火に火を付ける。

 花火が上がって行き空一面に音と共に花開く。

 その光景は、綺麗であった。


「ほう、これは、見事ですな」


「ええ、とても綺麗です」


 リズとライムは、花火を見て素直な感想を言う。


「綺麗だね、真央ちゃん」


「ああ、綺麗だな」


 真央と真理亜は、二人で一緒に花火を見ていた。


(皆、楽しそうで良かった)


 真央は、楽しそうにしている皆を見て笑っている。


(真理亜も笑っている、楽しくて幸せなんだろう、だから守ろう、この子が真理亜がこの先もずっと笑顔でいられるように)


 これからも真理亜の命を狙う者は、現れるだろう。

 だからこそ真央は、魔王レイアは、真理亜を守る事を決意するのだ。

 この先も真理亜が笑顔で幸せでいられるように。




 


読んでいただきありがとうございます。

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