第15話 魔王は人間界について色々勉強する 3
「では、次は理科や科学について勉強しましょうか?」
「あ、ああ」
読み書きと計算をマスターしたレイア。
次は理科や科学に突入。
「人間界の人間達は魔力が無いのはもうご存知ですよね?」
「ああ、だから魔法も使えないんだよな?」
「ええ、ですが魔法が使えない代わりにこの理科や科学を使ってここまで発展していったと言ってもいいでしょう」
「何だと!? この世界の凄さがこの理科や科学にあるというのか!?」
「ええ、私がこの世界を何百年という時の中でこの理科や科学がこの世界をここまでしたと感じました」
「そうか、なら勉強する価値があるな」
レイアは魔力も無く魔法も使えない人間が何故ここまで発展していったのか純粋に興味を持っていた。
その答えが理科や科学にあると知ったからには俄然やる気が出てきたレイアであった。
ところが。
~数時間後~
「もう無理だ・・・何もかもが・・・終わりだ・・・」
そこには、絶望に染まっていたレイアがいた。
「やはりレイア様もそうなりましたか、私も同じでしたよ」
「そうなのか?」
レイアの問いにイゴールは頷く。
「ええ、まずこの元素記号というものに恐怖を感じましたよ」
「僕も同じだ、まさか日常で当たり前のように空気を吸ったり吐いたりしていたけど、まさか吸っている空気が酸素、吐いている空気が二酸化炭素なんて名前があったなんて」
「ええ、しかもそれだけではなく私は驚きましたよまさか水素と呼ばれる元素と酸素で水ができるなんて当時の私は信じられませんでしたよ」
上を向きながら昔を懐かしむイゴール。
「結論からしてこの世界の人間は僕達の世界の下等生物である人間とは全くの違う種と考えた方がいいな」
「ええ、災害と呼ばれ人間から恐れられていたこの私が初めてでしたよ、人間に恐怖の感情を抱いたのは」
「だが無理とわかっていてもやるしかない、この世界で生きていくために、マリアを守るために」
「ええ、私も全力で教えますので頑張りましょう」
「ああ、頼む」
覚悟を決めた魔王レイアは全力で理科や科学を勉強した。
だが敵はあまりにも強敵だったが、イゴールの助けもあり理科や科学を学生が覚える一般常識レベルまでクリアする事に成功した。
戦いに勝利したレイアは普段では見られないガッツポーズをすると言うレアな一面を見せた。
読んでいただきありがとうございます。
魔王レイアが初めて苦戦した相手は理科や科学でしたが勝利しました。
ちなみに作者は完全敗北です。
それでは、また次回。