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第172話 夏だ!!海だ!! 5 戦闘開始

「行くぞ」


 ザイラスは、ドラギオスに接近し拳を突き出す。


「ほう」


 ドラギオスは、ザイラスの拳を軽く受け流す。


「体術が得意みたいだが、竜族も体術は、得意な方なんだよ」


「竜族か確か身体も固いんだったな」


「ほう、人間にしては、少しは、勉強している方か」


「冒険者にとって無知は、命取りだからな」


 ザイラスは、再び体術を繰り出す。


「竜族である私の強固な身体は、いくら魔力を込めていても無駄だと思うが」


「体術でも竜族にダメージを与える事は、できる」


 ザイラスの体術をドラギオスも同じく体術で応戦する。

 そして隙を見つけたのかザイラスは、ドラギオスに一撃を与える。

 しかし。


「だから言ったでは、ないか体術で私の強固な身体は、傷つけられないと」


 ドラギオスは、まるでダメージを受けていなかった。


「あえて、隙を見せ君の攻撃を受けて見たがやはり私には、効かないようだね」


「それは、どうかな」


 ザイラスは、それでも体術でドラギオスを攻撃する。


「全く、何度言えばわかるのかね、君の攻撃は、私には、効かないと」


 ドラギオスは、体術で捌く。

 そして運が良いのかザイラスは、再びドラギオスの懐に一撃を入れる。

 だが強固な身体のドラギオスには、痛くも痒くもないそう思っていたが。


「ガフッ!!」


 ドラギオスは、血を吐いた。

 そう、ドラギオスは、ダメージを受けたのだ。


「な、何が・・・」


 ドラギオスは、即座に思考をフル回転した。

 ダメージを受けた事が信じられない事より何故ダメージを受けたのかその事に思考していた。


「だから、言っただろ竜族でも体術でダメージを与えることができると」


 ザイラスは、そう言い再びドラギオスに接近し体術を繰り出すのだった。


「・・・・・・」


 ドラギオスは、冷静に思考しあえて再び受けて見る事にした。

 今度は、意識を完全に集中して。


「グッ!!」


 再びザイラスの攻撃を受ける。

 やはりダメージは、くらったようだ。


「なるほど、そう言う事か」


 ドラギオスは、確信したように言う。


「君の攻撃、ただ魔力を纏っただけじゃないね、私の()()()()が来たよ」


「ほう、もう気づいたのか」


「それは、一体何かね? 肉体強化の魔法と言うわけでもなさそうだが」


「気づかれたのなら隠しても無意味だな、なら教えてやる」


 ザイラスは、ドラギオスに近づき拳を振るう。

 ドラギオスは、受け止めるがそのまま吹き飛ばされてしまう。


「俺の持つスキル《衝撃波(しょうげきは)》だ単純に触れたものに衝撃を与えるだけのスキルさ、だが」


 ザイラスは、吹き飛んだドラギオスが起きる前に接近し拳を当てる。

 

「ガッ!!」


「いくら強固な身体を持っていようとも鎧を着ているような物、鎧は、固くともその中身は、固くはない俺の衝撃波は、その中身に衝撃を与えてダメージを与えることができる、つまり強固な身体を持つ竜族でもこれなら倒せると言う事だ」


「なるほど、このままでは、マズいな」


 ドラギオスは、ザイラスに苦戦をしていた。






~side ソウガ~


「どうした? もう終わりか?」


 一方こっちでは、ソウガとイールドが戦闘をしていた。

 だがソウガは、イールドに苦戦をしていた。


「くっ、舐めるな」


 ソウガは、イールドに近づこうとするが。


「だから、無駄だって言ってんだろ!!」


 イールドは、土の壁を出現させる。

 それによりソウガの攻撃は、防がれてしまう。


「俺は、土属性の魔法が使えるんだよ、地味だが使い方次第で強力な魔法だぜ」


「ああ、確かにそうだがこの強固な土壁は、魔法だけに寄るものじゃないだろ?」


「ああ、やっぱり気づくかそうさこの土壁は、魔法だけのものじゃねえいくら魔法でもここまでの強固な土壁は、そうそう作れねえよ、だがそれを可能にするのが俺のスキルさ」


「スキル?」


「ああ、俺のスキル《硬化(こうか)》だ、まあ能力は、単純に物を固くするスキルさ」


 イールドは、スキルの説明を隠す事なく説明する。


「物を固くする、それで土壁があまりにも固かったのか」


「そうさ、だが俺のスキルは、ただこの土壁を強化するだけじゃないぜ」


 イールドは、土属性魔法を放つ。

 ただの無数の岩の破片を飛ばすだけだが。


「グゥ」


 ソウガは、両腕を盾にして防ごうとするが硬化のスキルによってより硬くなった無数の岩の破片のためより攻撃力が上がっていた。


「ははは、どうだこのように攻撃にも使える便利なスキルだぜ」


「くっ」


「しかし、魔族って大した事ないな、こんなもんならわざわざ勇者に頼らなくても俺達だけでいけるじゃねえか」


 イールドは、嘲笑いながら言う。


「このままじゃ無理か」


 こんな状況でもソウガは、冷静でいた。






~side ゼナ~


 ゼナは、魔法を放ち攻撃するが。


「ふん!!」


 ナムールは、拳で魔法を弾く。


「何だこの弱い魔法は?」


「・・・・・・くっ」


 ゼナは、ナムールに苦戦していた。


(わからない点がある)


 ゼナは、思考を巡らせて考える。

 解せない点があるようだ。


「だが、手加減する気は、ない」


 ナムールは、突進する勢いでゼナに接近する。


(やはり、肉体強化の魔法を使っているのは、わかるそこまでは、わかるが)


 ゼナは、躱すが瞬時にナムールは、ゼナの躱した方向に回り込む。


(何だ、こいつのこの異常な速さは?)


「貰った!!」


「くっ」


 ナムールは、肉体強化に加え魔力を纏った拳をゼナにぶつける。

 ゼナは、その攻撃を魔力を纏って防御するがそれでもダメージを受けてしまう。


「さすがに女でも魔族は、しぶといな」


「・・・・・・」


「逃げようとしても俺からは、逃げられないぞ」


 ナムールは、再び構える。


(さすがに、今のままじゃ無理だな、まだ時間が掛かるか果たしてそれまで持つか)


 ゼナは、何かを待っているようだが敵は、待ってくれないようだ。


(まあ、持たせるしかないか)


 ゼナは、決心し魔力を纏い魔法を放つのだった。






~side 真央達~


 ドラギオス達が戦闘をしている一方で真央達は、昼食を食べていた。


「あの、水木さん」


「はい、何でしょうか?」


「竜上さん達は、どこに行ったのですか?」


「ああ、彼等は、夕食の買い出しに行っています、買い物が終わればそのまま別荘に戻りますのでどうぞお気になさらず食事を楽しんでください」


 沙月の問いに水木は、答える。


「ああ、買い出しですか」


「そう言えば、夕飯って何食べるの?」


「今お昼食べてるのにもう夕飯の話するかお前は」


「え~、だって気になるじゃん」


「夕飯ですか、そうですな確かバーベキューと言うものにしようかと思うのですが」


 彩音の疑問に答えるように水木が言う。


「まあ、バーベキューですか、やはり夏で海に来て別荘と言えばバーベキューは、定番ですね」


「おや、そうなのですか?」


「はい、もう定番と言えば定番ですよ」


「でしたら、お肉をたくさん買わなければなりませんな」


「やったー!! お肉ー!!」


「いや、野菜も食べろ、野菜も」


「楽しみだね」


 真理亜は、隣に座る真央に言う。


「そうだな、楽しみだ」


 真央は、笑って答えるがすぐにリズとリゼの方を見る。

 

「リゼ、終わりましたか?」


「はい、終わりました」


「では、ゼナ達に早急に」


「はい」


 リゼは、念話の魔法を使いゼナ達に念話を送るのだった。






~side ゼナ~


「まだ、倒れないか、思ったより魔族の体は、頑丈なんだな」


 ナムールの攻撃を耐えているゼナだがもうかなりのダメージを負っている。


『ドラギオスさん、ソウガ君、ゼナお母様聞こえますか?』


「リゼ?」


 ゼナは、リゼの念話を受け取る。


『認識阻害の範囲を広げ終えました、三割までの力なら出しても問題ありません』


「そう、わかったわ」


「貴様、何をしている!!」


 ナムールは、ゼナに接近し攻撃を繰り出すがゼナは、それを受け止める。


「ありがとう、リズ、リゼ、愛してるよ」


 ゼナは、ナムールの攻撃を受け止めそのまま振り払う。


「待たせて悪かったわね、それじゃあ()()()()を出して戦ってあげるよ」


 ゼナは、笑ってそう言うのだった。






~side ソウガ~


「やっと来たか」


 そう言いソウガは、イールドに向き合う。


「悪かったな」


「何だ、降参か? まあ、そうだろうなこれだけの実力差があったらなあ、だが命乞いは、聞かねえぞ」


「違う、そうじゃない」


「あ?」


「ちょっと理由があって本気を出せなかったんだ、だが今その問題が解決しただから」


 ソウガは、そこで間を置き。


「ここからは、()()()()を出す」


 そう言うのだった。






~side ドラギオス~


「この時を待っていたよ」


「?」


 ドラギオスの言葉にザイラスは、疑問を感じた。


「君は、人間の中では、かなり強い部類に入るよ十分誇りに思うと良い」


「お前は、何を言ってるんだ?」


 ザイラスは、素直に思った事を口にした。


「そんな君に敬意を表し私も()()()()になって戦おう」


 そして、ドラギオス、ソウガ、セナは、魔力を開放する。

 しかしその魔力量は、先程戦っていた時よりも圧倒的に多い魔力量だった。





  



読んでいただきありがとうございます。

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