第171話 夏だ!!海だ!! 4 戦闘前
リズの転移によりドラギオス、ソウガ、リゼは、それぞれの魔力持ちの所に向かった。
~side ドラギオス~
「ここか」
ドラギオスは、魔力反応のあった場所の一つに着く。
その場所で感じる魔力を辿り歩き始めやがて立ち止まる。
「こんな所で何をしているのかね?」
ドラギオスは、目の前にいる男性に問う。
「・・・・・・」
男性は、無言のまま振り向く。
見た目は、三十代くらいの男性である。
「まさかとは、思ったが君は、人間だろ?」
「・・・・・・ああ、そう言うお前は、魔族か?」
「そうだ、私は、魔族だ」
お互いにお互いの問いに答える。
複数の魔力反応その正体は、魔族では、なく人間であった。
「一応聞くが、人間がこんな所に何の用かね? 観光にでも来たのかね? それとも誰かの命でも取りに来たのかね?」
「・・・・・・どこまで、知っている」
「質問には、答えないとなら私が答えてあげよう、あの髪の長い銀髪の人間の子供の命を狙うように誰かから頼まれただからここにいる、違うかね?」
ドラギオスの言葉に男性は、一瞬だけ眉を顰める。
そしてドラギオスは、その反応を見逃さなかった。
「やはりか、だが残念ながらその依頼は、失敗に終わるよ何故なら我々に見つかってしまったのだから、我々が相手をすると言う事は、すでに君は、負けているのさ」
「随分と傲慢だな」
「事実では、ないか、下等生物である人間が我々魔族に勝てると思っているのかね?」
「その傲慢が仇にならなければいいな」
「どうやら、実力でわからせないとダメなようだ」
ドラギオスと男性は、魔力を開放する。
「一応名乗っておこう、俺達の礼儀だからな、俺の名は、ザイラス、元冒険者だ」
「ほう、では、私も君に合わせてあげよう名は、ドラギオス、竜族だ」
~side ソウガ~
「お前だな、何しにここに来た」
ソウガは、目の前の男性に問う。
「ほう、いきなり魔力を感じたから驚いたぜ、お前魔族だろ?」
「質問してるのは、こっちだ何しに来た」
ソウガは、さらに威圧を込めて問う。
「おいおい、怖えな、わかったよ実は、依頼されたんだよ」
見た目三十代位の男性は、ソウガの問いに答える。
「依頼? それは、誰かの命を狙えと言う依頼か?」
「ああ、その通りさ」
男性は、ごまかそうともせずに答える。
「まさか、魔族じゃなく人間とは、お前に依頼した奴は、切羽詰まってるのか?」
「さあな、まあ俺達なら俺達なりのやり方があるから、そこを期待されたんじゃね?」
「だが、運が悪かったなちょうど俺達が来ていた時に来るんだからな、お前の仲間も俺の仲間が今頃相手をしてるぜ」
「へえ、そりゃ楽しみだな」
そこでお互いの会話は、止まり代わりに魔力がお互いの体に纏う。
「自己紹介しておくぜ、俺の名は、イールド、元冒険者だ」
「そうか、俺の名は、ソウガ、鬼族だ」
~side ゼナ~
「人間がこんな誰もいない所に何の用なんだ?」
ゼナは、目の前にいる三十代位の男性に問う。
「別に俺がどこで何をしていようが俺の勝手だろ? むしろこっちが聞きたいな、魔族が何でこんな所にいるんだ?」
「別にアンタが知る必要は、ないでしょ、私の質問に答える気がないなら当ててあげようか? 誰かに頼まれて、私達と一緒にいた髪の長い銀髪の子を狙ってるんでしょ?」
ゼナに言われ男性は、苦い顔をする。
「当たりと言うわけね」
「・・・・・・」
「無言は、肯定と受け取るよ」
「ああ、その通りだ」
隠す必要がなくなったのか男性は、すんなり認める。
「で、どうするの? 大人しく退けば見逃してあげなくもないけど」
「魔族の言う事を素直に信じられるかよ、それにこっちも引くわけには、いかねーんだよ」
「なら、どうする?」
「決まってるだろ」
男性は、魔力を出し体に纏う。
「やはり、こうなるか」
溜息交じりにゼナも魔力を纏う。
「俺の名は、ナムール、元冒険者だ」
「冒険者か私は、ゼナ、ウィッチ族だ」
元冒険者の人間達と魔王レイアの配下達の戦いが今始まった。
読んでいただきありがとうございます。
次回から戦闘開始です。




