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第166話 魔法少女オールバトル

「それで、何をして遊ぶか決まったのか?」


「いや、まだ何も決めてないな」


 夏休みの宿題が一段落したので何をして遊ぶか決めているのであった。


「じゃあ、私これがやりたいぞ」


 雪音が何かを見せる。


「何だ、それは?」


「『魔法少女オールバトル』だぞ」


「去年発売したゲームだな」


「どんなゲームなんだ?」


「魔法少女シリーズの対戦ゲームだよ、第一作から第六作の魔法少女のキャラを使って戦う格闘ゲームだよ」


「しかも、魔法少女だけではなくそれぞれの魔法少女シリーズに出て来た敵キャラも使う事ができるんだ」


「確か三十人以上のキャラを使う事ができたはずですね」


「面白そうだな」


「じゃあ、このゲームをするぞ!!」


 こうしてゲームをして遊ぶ事になった。

 このゲームは二人対戦用なので交代でゲームをする事になる。

 まず最初は真央対雪音である。


「私は魔法少女舞で行くぞ」


「僕は魔法少女優香理だな」


 真央は魔法少女優香理、雪音は魔法少女舞を選び戦いが始まるのだった。


『別の世界の魔法少女? 初めて会った』


 セリフと共に魔法少女舞と表示される。


『見ただけでわかる、強い』


 セリフと共に魔法少女優香理と表示される。


「声まで入ってるのか」


「そうだぞ、まお姉、このゲームだけでたくさんの声優さんが出てるぞ」


「面白いな」


 そして真央と雪音の対戦が始まる。

 真央は初心者で雪音は経験者だったため雪音が操作する舞の攻撃を受けまくってしまい。


『YOU WIN!!』


「おおう、私の勝ちだ!!」


 真央対雪音、勝者雪音。


「強いな」


「ふふーん」


 次は真理亜と彩音が対戦する。

 真理亜が選んだのは魔法少女久留美で彩音が選んだのは魔法少女乃亜である。


『え? 魔法少女なの? 怪盗じゃなくて?』


『あら、随分とかわいい魔法少女ね』


 試合が始まる。


「あれ? 魔法少女久留美の声アニメと違う気がするが」


「あー、このゲーム発売した時まだ優香理が放送中で久留美はまだ放送されてなかったからゲームの声優とアニメの声優が違うんだ」


 真央の疑問に沙月が答える。


「何で違うんだ?」


「私も不思議に思ってたんですよ、小説とか漫画の作品もドラマCDを先に出しているのに、アニメだと全く違う声優さんだったのでどうして同じ声優さんにやらせなかったのかと不思議に思うんですよ」


「確かに不思議だな、アニメの前に決めているのならそのまま使っても良いと思うんだが」


「そうですよね、でもドラマCDの声優さんを一人か二人そのままアニメでもなる作品もあれば、全員総入れ替えでアニメの声優さんを決めたりする作品もありますからね、何でなのか全くわかりませんね」


「そりゃ、何かあるんだろ、なんかこう私達見ている人達にはわからない何かがあるんだろ」


「大人の事情と呼ばれるものですか」


「何だ、大人の事情って?」


「そうですね、例えば」


「唯、ちょっと待て」


 唯が何かを言おうとするが沙月が止めに入る。


「どうしたのですか?」


「いや、何て言うかそこから先は言ってはいけない何かを感じる」


「言ってはいけない何か?」


「何ですか? その言ってはいけない何かとは?」


「いや、よくわからないがなんかそれ以上言ってはいけない気がするんだ、なんかこう闇が深いような、触れてはいけない領域のような、とにかく言ってはいけない気がする」


「そうですね、そう言われると私もうかつに言ってはいけない気がしますね」


「そうだ、触れない方が良いんだ」


「そうですね」


 沙月と唯はお互いに納得するのだった。


「まお姉、さつ姉とゆい姉は何を言ってるんだ?」


「ん? そうだな、アニメや漫画は楽しく見れば良いって事さ」


「おおー、私もアニメ、漫画好きだぞ!!」


「そうか」


 真央は笑って雪音の頭を撫でていた。

 するとゲームの音が聞こえる。


『消防車!! マジカルウエポン!!』


 久留美が消防車を使って武器を出す。


「消防車で武器が出たぞ」


「マジカル消防車だぞ、ちなみにあの武器は消火器バスターって名前だぞ」


「他にも色々あるんだよな?」


「そうだぞ、他にもドリル車やクレーン車とか救急車とか色々あるぞ」


「確か強化アイテムもあったよな?」


「マジカル戦車だぞ、それを使ってスーパー魔法少女久留美にパワーアップするぞ、ほら」


『戦車!! スーパーマジカルチェーンジ!!』


 スーパー魔法少女久留美になり、必殺技を放つ。


『YOU WIN!!』


 真理亜対彩音、勝者真理亜。


「やった」


「うわー、負けたー」


 そして次は沙月対唯である。

 沙月は魔法少女日向を唯は魔法少女花を使う。


『いざ、参る』


『忍者の魔法少女、凄くカッコいい』


 そして対戦が始まる。


「日向も花もアニメ化してないからこのゲームが最初に声優さんがつくんだよな」


「でも、日向と花もアニメ化決定しましたよね?」


 対戦の途中で沙月と唯は会話を始める。


「びっくりしたよな、久留美がまだ途中なのに漫画の方の花が完結してから日向と花アニメ化決定って出たからな、まあ続けてアニメ化したからこの二つもいつかアニメになるだろうなと思ってたけどな」


「まさか、もう決定したなんて何だか気が早いとも思いますが」


「姉ちゃんの描いた漫画人気だからな、人気にあやかろうとしてるんじゃないのか?」


「私は好きな作品がアニメ化するのは嬉しいですけどね」


 会話をしているが手は止まっていない。

 しかも二人共やり込んでいるのか互角の戦いをしている。


「でも、アニメ化したら日向も花も声優さん代わるんだろうなぁ」


「まあ、ゲーム版とアニメ版でいろんな声の日向と花を楽しめると思えば良いのでは?」


「うーん、でも私日向の声優さん好きなんだよね、できればアニメもゲームと同じ声優さんにして欲しいんだよね」


「日向の声優さん好きなんですね、確かに最近アニメでよく主人公やレギュラーキャラをやってますね」


「最初聞いた時、なんかこう良いなって思ったんだよ、アニメでも聞きたいなって思ったんだけど、このゲームで出ちゃったからな」


「でも、お姉さんが漫画家ならアニメ関係の人に妹がゲーム版の日向の声優さんを気に入ったからアニメでもこの声優さんが良いって言えばやってもらえるのでは?」


「可能性としてはあるけど、そんなに世の中甘くないだろうな」


 この時、気のせいか沙月の周りがどんよりしている感じがした。


「と言いますと?」


「いや、姉ちゃんが言ってたんだけど、魔法少女舞がアニメ化した時の話でさ、最初姉ちゃんは舞の声優さんはこの人が良いって言ったんだよ、でも向こうが色々言って新人の声優さんになってしまったらしくて、まあ特に違和感もなく普通に良いと思ったけど、姉ちゃんはその人にやってほしかったみたいなんだよね、でも姉ちゃんまだ新人の漫画家だったからあまり強く言えなかったって言ってたな」

 

「作者本人なのに要件が通らない事もあるんですね」


「アニメの決定権はアニメ側にあるのかわからないが色々な理由でこっちの希望が通らない事もあるって事だな、それに人気の声優さん程色々なアニメから引っ張りだこになるしな、それはもうたくさんのアニメが作られてるし、大御所の作品とか人気作品とかあるから当時新人の姉ちゃんの作品と大御所の作品だったらどっちにやるかくらい言わなくてもわかるみたいな感じでさ」


「そうですね、確かにたくさんのアニメが出てますからね」


「姉ちゃんが言ってたんだけど、今だとアニメって十二話1クールの作品が当たり前だろ?」


「はい、時々二十四話の2クールアニメがありますけど」


「それがさ、昔は1クールじゃなくて原作に追いつくまで放送していたらしいんだ」


「え? そうなんですか?」


 唯が驚く。


「ああ、週刊誌の漫画だとその原作に追いつくまでアニメ放送していたんだ、しかも連続でな」


「そう言えば、昔のアニメは五十話以上とかのアニメが多かったですね、百話を超えているアニメもありましたね」


「そう、しかも原作に追いつきそうになるけど区切りがつかない時はアニメオリジナルの話を作って長引かせたりして、で漫画が一区切りついたらそこまでやって最終回にするって感じだな」


「それだと何故今のアニメは十二話で終わるのが多いんでしょうか?」


「そうだな、しかも深夜にやるのが多いよな、子供達は寝てる時間だな」


「朝や夕方にやっているアニメもありますけど、それは子供向けの番組ですね」


「そうだな、ラノベとかは全部深夜放送だよな」


「やはり、エロい表現が多いからでしょうか?」


「いや、多分その時間しか取れないんじゃないのか、アニメがたくさん作られてるし」


「ラノベだって原作に追いつくまでやれば良いのに何故そうしないのですかね、何故十二話のアニメをたくさん作るのでしょう?」


「これは、あくまで私の考えだが漫画やラノベだって毎年たくさん出てるだろ? それで面白い作品や人気の作品がたくさん出てるのにアニメ化されても原作に追いつくまでやるってなったらその時間はその作品が独占するって事になるだろ?」


「なるほど、そうなると他にも人気作品があるのにアニメ化しないのは勿体ないから、だからそのたくさんの作品をアニメ化するために十二話で終わらせようと」


「かもな、十二話で一旦終わっても状況によって第二、第三期があるからな、それでたくさんのアニメを楽しもうみたいな感じで」


「それでアニメが十二話で終わるのが当たり前になったのですね」


「あくまでも可能性の一つだけどな」


「でも、十二話だと話の構成とか大変ですね」


「そうだな、そのせいで細かい所をカットしたりして大変なんだろうな」


「でも、酷いのもありますよね」


「そうだな、アニメの絵が酷かったり、声優さんの声が棒読みだったり、面白い部分を映像化しなかったりとか」


「そうなったら、作者は文句言っても良いですね」


「ああ、そうなるくらいなら作者の希望をいくつか聞いても良いよな」


 二人の会話がもはやアニメ業界の何かを語っているように感じるが、そんな会話をしていても二人のコントローラーの手は止まらずに動き続けていた。

 

「真央ちゃん、沙月ちゃんと唯ちゃんは何の話をしているのかな? 難しくてよくわからないよ」


「私もわからないんだけど」


「私もわからないぞ、まお姉何の話だ?」


 三人が真央に問う。


「まあ、アニメやゲームを一つ作るのも大変だって事だろ」


「「「おお」」」


 真央の言葉に三人は納得する。

 そして、沙月と唯の試合も終わった。


『YOU WIN!!』


「私の勝ちだな」


「後少しでした」


 沙月対唯、勝者沙月。


「まお姉、もう一回私とやろう」


「いいぞ」


 再び真央対雪音。

 真央はさっきと同じ優香理で雪音が選んだのは優香理(過去)である。


「過去の優香理も使えるんだな」


「そうだぞ、二人が対面するとこうなるぞ」


 二人は画面を見る。


『まさか、過去の私に出会うとは』


『あなたは、私?』


「優香理は過去と今じゃ全然違うよな」


「おおう、優香理は最初戦いがあまり好きじゃなくて敵を倒すのも戸惑っていたんだぞ、でも強い敵との戦いで自分以外の仲間が皆殺されちゃったから自分の弱さに怒ってそこから今の優香理になったんだぞ」


「自分一人で全ての敵を倒そうとするんだもんな、もう仲間を失いたくないために、僕はそんな優香理が魔法少女の中で一番好きかな」


「まお姉は優香理が好きなのか?」


「ああ、何より強い力を手に入れても努力を怠らないところが良いな、自分が強くなれば仲間を失う事もない、強い力を手に入れても基本をおろそかにしないのが良い、それで優香理は強化フォームを使いこなせているからな、僕は努力する優香理が好きなのかもな」


「そうだぞ、優香理は強化フォームを手に入れたのにそんなに使わず、ここぞって時に使うんだぞ」


「そう言えば、このゲームも強化フォームがあったな、確かこれでできたな」


 真央はボタンを押して、優香理の強化フォームを発動させる。


『大切な人達を守るために、私はこの力を使う』


 優香理のセリフと共に強化フォームに変身する。

 

「おお、強化フォームになったぞ、凄いぞまお姉」


「一気に決めるぞ」


 真央は強化した優香理で攻撃する。

 やがて相手の体力が残りわずかになったので。


「これで終わりだな」


 最後は必殺技を使い勝利するのだった。

 真央対雪音、二度目の対戦は真央の勝利である。


「くそー、負けたー」


「今度は僕の勝ちだな」


「まお姉、リベンジだ!!」


 その後も皆で交代しながらゲームを楽しむのだった。

 さて、次の日いよいよ明日は海に行く事になるのだが。


『真央ちゃん、もしかしたら海に行けないかも』


 真理亜からの電話で何やら問題が起きたようである。


読んでいただきありがとうございます。


今回の話でアニメの事に関する会話が出ましたが、そう言った内容の作品を見た事があるので、それで何となく書いてみただけなので、決して真実に基づく内容ではありませんのでこれがアニメ業界の真実だと思わないようにお願いします。

この物語はあくまでフィクションですのでよろしくお願いします。

それではまた次回をお楽しみに。

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