第162話 夏休みが始まる
『それでは、皆さん、ケガや病気などには、気をつけて夏休みをすごしてください』
体育館で全校生徒が理事長の話を聞いている。
そう、もうじき一学期も終わり、いよいよ夏休みが始まるのであった。
「では、皆さん休み明けに元気な姿を見せてください委員長挨拶を」
「起立、礼」
『さようなら』
「はい、さようなら、夏休みの宿題も忘れないでくださいね」
一条先生は、教室を後にする。
教室では、夏休みが始まったのか皆浮かれていた。
「うおおー!! 恵みの雨を手に入れたよー!!」
「お前は、浮かれすぎだ、落ち着け」
叫ぶ彩音に沙月は、頭を叩いて落ち着かせる。
「夏休み、楽しみだね」
「そうだな」
楽しそうな顔で言う真理亜に真央も笑って答える。
「夏休みと言えば、海!! 海ですよ!!」
ここで唯が興奮したように言う。
「唯アンタも落ち着け、はしゃぐのは、このバカだけでいいから」
「さっちゃん酷いよ!!」
「落ち着いていられませんよ、夏休みは、長いようであっと言う間に終わってしまいますよ、計画的に遊びや宿題をしないと」
「今始まったのに、そんな風に言うなよ」
「なのにいつ行くかもまだ決めてないんですよ、長いようで短いんですよ、長いようで短いんですよ」
「何で二回言った? 大事な事だからか?」
「はい、大事な事だからです」
「わかった、じゃあ明日皆で集まって決めるか」
「良いですね、いっそ泊まってパジャマパーティーをしましょう」
「それは、家に帰って親に聞いてからだな、決まったら私の家って事で良いか?」
「良いですね、皆さんは、どうですか?」
唯は、真央達に問う。
「うん、良いよ」
「私もー」
「僕もそれで良い」
そして真央達は、帰るのであった。
~side レイアの住むマンション~
「と言うわけで明日沙月の家に泊まりに行く事になったが」
「承知しました、お泊りの準備もしておきますね」
家に帰ったレイアは、リズに明日の事を話す。
「明日から夏休みですね」
「ああ、そうだな、宿題もあるけど色々楽しみでもあるな」
「皆さんと海にも行かれる予定もありましたね」
「いつにするかも明日決めるそうだ」
「夏休み楽しんでください、レイア様」
「ああ」
そして次の日。
真央達は、沙月の家に来ていた。
どうやら全員親の許可は、貰ったようである。
「じゃあ、海に行くのは、三日後で良いか?」
「うん、良いよ」
「賛成」
「決まりですね」
「行くのは、良いがどこの海に行くんだ?」
ここで真央が疑問を言う。
「それなら、私に任せて良いかな?」
真理亜が挙手をして言う。
「どこか良い場所でもあるのか?」
「えっとね、私のお父様が買った海があるの」
「「「「え?」」」」
「だから、お父様が買った海があるの」
「それは、もしかしてプライベートビーチですか?」
「うん、そうだよ、後その海の近くに別荘もあるからそこで泊まると良いよ」
「「「「・・・・・・」」」」
真理亜の言葉に全員が理解するのに少しの時間が流れた。
「凄いよ、真理亜ちゃん」
「いや、真理亜何でそれもっと早く言わないんだ?」
「そうですよ、そうすれば去年だって海に行けましたよ?」
「だって、プールの時と同じで変な自慢して嫌われたくなかったから」
「あー、まあ確かにそうだな」
「私は、凄いなって思うよ」
「ちなみにその海の場所は、どこにあるのですか?」
「ここから、三つ程隣の駅だと思う」
「でしたら行けますね、しかも私達だけしかいないから伸び伸びとできますね」
「そうだな、とりあえず行く海と泊まる場所は、決まったから後は、当日の保護者だな」
「それなら、お姉様が行くって言ってたよ」
「翔子さんか、じゃあ決まったな、と言うかもう終わってしまったな、お泊りなのに時間もたくさん余ったな」
「じゃあ、もう遊ぶしかないね」
「そうだな、よし!! 夏休みが始まったんだ!! 遊ぶぞー!!」
「「「おー!!」」」
沙月が腕を上げて叫ぶと共に皆も腕を上げて叫ぶ。
「お、おー」
真央も叫びは、しなかったが腕を上げるのであった。
彼女達の夏休みが始まった。
読んでいただきありがとうございます。




