第161話 勝負決着
「アレは、ボスモンスター」
「ボスモンスター?」
「この対戦モードには、各ステージにボスモンスターが一体いて、時間終了間際に現れるんです」
「ボスと言うからには、普通のゾンビとは、違うんですか?」
「ええ、ボスモンスターは、倒せば高得点を貰えます」
「じゃあ、ここで真央が倒せば」
「逆転も十分あり得ます」
ボスモンスターが現れた事により真央が逆転できる可能性も出て来た。
しかし、ボスモンスターと言われるだけあり倒すのは、簡単では、ないのである。
「お、真央選手がボスモンスターに挑んでいく!!」
「当然でしょう、もう真央様が勝つには、ボスモンスターを倒す以外にありません」
「でも、時間も残りわずかですし、間に合いますでしょうか?」
「わかりませんね、真央様の腕の見せ所ですね」
真央は、ボスモンスターに挑む。
手始めに銃で撃つがあまりダメージは、受けていない模様。
『グオオオオ!!』
ボスモンスターは、真央に向かって思いっきり突っ込んでくる。
それを何とか躱し、敵の動きが止まったので再び銃を撃ちまくる。
「敵が突っ込んだら動きが止まり真央選手銃を連射する!!」
「このボスモンスターは、ダメージを受けるとプレイヤーに向かって突っ込んできますが、真っすぐにしか突っ込まないので躱すのは、そんなに難しくありません、しかも突っ込んで壁にぶつかるとしばらく動きが止まるので隙が生まれます、この時がチャンスなので一気に攻撃しましょう」
ある程度攻撃したら再びボスモンスターは、動き出す。
しかし、行動パターンを見切ったのか、真央は、再び躱す。
そして今度は、武器をライフルに替える。
そしてボスモンスターの剥き出しになっている、臓器のような部分に照準を合わせ、打ち込む。
『グオオォォォ・・・・・・』
ボスモンスターは、倒れ消滅する。
「真央選手ボスモンスターを撃破ー!!」
「あのボスモンスターは、強化されているのですが代わりに弱点の心臓が剥き出しになっているのでそこを攻撃すると大ダメージを与えられるのです」
「そうこうしてるうちにもう時間も残り僅かになりましたね」
残り時間も僅か。
真央も翔子も時間ギリギリまでに倒せるだけゾンビを倒し、時間切れになり終了した。
「さあ、試合終了です!! 両者のポイントが出ました」
「こ、これは、両者とも五万七千六十ポイント」
「まさかの同点です」
「この勝負、引き分けー!!」
真央と翔子の勝負は、引き分けに終わった。
「いえ、私の負けだわ、私はこのゲームをやった事があるでも真央ちゃんは、今日初めてやった素人よそれで同点なんだから私の負けよ」
「何を言ってるんですか? 勝負は、引き分けですよそれに僕が同点まで行けたのは、たまたまボスモンスターを倒せたからですよ、運が良かっただけだから同点ですよ」
「そう言う事にしておくわ、良い勝負だったわ」
「僕も楽しかったです」
真央と翔子は、お互いに握手をする。
「両選手に盛大な拍手を!!」
沙月の声で周りの皆が二人を称えて拍手をするのだった。
その日の夜。
「真理亜、お姉ちゃんと一緒に寝ましょう」
「はい」
翔子は、真理亜の部屋に入り真理亜と一緒にベッドに入る。
「ねえ、真理亜、真央ちゃんの事なんだけどさ」
「真央ちゃんがどうかしたのですか?」
真理亜は、首を傾げる。
その反応に翔子は、キュンとなるが一旦落ち着く。
「うん、随分と仲が良いよね、真理亜も安心してる感じがするし」
「はい、真央ちゃんは、何でだかわからないんですけどどこか安心するんです」
「ふーん、それってお姉ちゃんみたいな感じかな?」
翔子は、何気なく言うが内心は、落ち着いてない模様。
「? 私のお姉様は、翔子お姉様だけですよ」
「ッ!!!!!」
真理亜の言葉で翔子は、泣きそうな程の嬉しさを感じた。
(悪いわね真央ちゃん、どうやら勝負するまでもなく私の勝ちだったわね)
翔子は、内心で勝利を確信するのだった。
一方その頃真央は。
「ん?」
「どうしました、レイア様?」
「いや、よくわからないが、何かに負けたような感覚を感じたんだが気のせいか」
「今のレイア様が負ける所なんて想像できませんね」
「そうか?」
レイアは、不思議な感覚を感じるのだった。
~おまけ~
「私もやるのですか?」
「ええ、木村さんの実力をぜひとも見たいので」
真央と翔子の勝負が終わった後、唯がハードプロフェッショナルモードをクリアした木村の実力を見たいと言うので木村は、ソロで先程真央達がやったゲームをするのだった。
「では、始めます」
木村は、スタートボタンを押しゲームを開始する。
「えーと、まずここでゾンビ共が邪魔なので手榴弾を使って一気に殺します」
木村は、何の迷いもなく手榴弾でゾンビを倒す。
「で、まだ残ってるのが向こうにいるのでもう一発手榴弾でさらに殺します」
その後木村は、武器を銃に替えゾンビの頭を打っては、移動し打っては、移動しを繰り替えす。
「凄いな木村さん」
「何の迷いもなく打ちまくってるよ」
「当然です、むしろ今日は、調子があまり良くないみたいですね」
「え、そうなの? 小森さん」
「はい、私も時々見ていますので」
「小森さんもこう言うゲーム興味あるの?」
「いえ、正直興味は、ありませんが彼のやっている姿を見るのが楽しくて、その惚れ惚れします」
若干、頬を赤らめて小森は、言う。
「はいはい、ごちそうさま」
「あ」
木村は、ゾンビの攻撃を受ける。
「この野郎、ぶちのめしてやる」
木村は、銃でゾンビを打つ。
若干言葉使いも変わっている。
「あ、ボスが出ましたね、一気に瞬殺しましょう」
宣言通り木村は、あっと言う間にボスを倒し、ゾンビを倒す。
「凄いね、私こう言うゲームは、怖くてあまり見ないけど、木村さんのプレイを見てると、安心して見れると思う」
「確かに見ていて飽きないな」
そして時間が終了した。
「二十三万五千六百ポイントですか、まあまあですね」
「木村さん、調子の良い時は、どれくらいなんですか?」
沙月が木村に問う。
「そうですね、三十万ポイントは、いったと思いますね」
木村の答えに全員が凄いと思うのだった。
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