表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
162/459

第158話 勝負よ!!

「天使って気づいていないだけで意外と身近にいるものよ」


「それ、とてもわかります」


「わかるのか?」


「そうよ、真理亜は、天使よ、かわいいは、正義とは、良く言ったものね」


「かわいいを嫌いな人なんていませんからね」


「はあ」


「真理亜には、きっと天使の血が流れているのよ」


「そうか、だから真理亜ちゃんは、天使だったんだ」


(いや、魔族の血が流れているよ)


 真央は、内心でそう思うが言葉には、出さないでおく。


「~~~~~~ッ!!」


 真理亜は、恥ずかしくなっていまだに顔を手で隠している。

 穴があったら入りたいと言う気持ちだろう。


「まあ、お姉さんが真理亜の事嫌いじゃないって事は、確かじゃないか・・・まあ恥ずかしいと言えば恥ずかしいがな」


「そうですよ、少し大げさですけど真理亜さんの事を大事に思っているって事ですよ・・・恥ずかしいと言えば恥ずかしいですけど」


 沙月と唯は、真理亜を慰めたりしている。


「・・・・・・この状況は、一体なんですか?」


 その状況を見た小森は、そんな事を言っていた。






「はい、お土産に高級店のケーキを買ってきたよ」


 翔子は、ケーキの箱を開ける。

 中には、色んなケーキが入っている。 


「皆、好きなの取って良いわよ」


 全員食べたいケーキを取り食べる。

 

「真央ちゃん、私のケーキと真央ちゃんのケーキを一口ずつ食べない?」


「ああ、良いぞ」


「じゃあはい、あーん」


 真理亜の差し出したケーキを真央は、食べる。


「うん、真理亜の食べてるケーキもうまいな、ほら真理亜」


 真央も自分のケーキを一口に切って真理亜に差し出し真理亜は、食べる。


「美味しい」


「そうか」


 美味しそうに食べてる真理亜を見て真央も笑っている。


「真理亜、お姉ちゃんも真理亜のケーキ食べたいな」


 その光景を見て翔子は、真理亜に言う。


「はい、お姉様あーん」


「あ~ん、う~ん美味し~い」


 真理亜が差し出したケーキを食べる翔子。


「じゃあ、真理亜もはいあ~ん」


「あーん、美味しいです」


「そう、良かったわ」


 喜んでいる真理亜を見て翔子も喜ぶ。

 そして、どう言うわけか真央の方に、どや顔を向ける。


「・・・・・・?」


 気づいた真央は、ケーキを食べながら不思議に思っている。


「はむ、美味しい」


 真理亜は、美味しそうにケーキを食べている。


「真理亜」


「ん?」


「ほら、ほっぺにクリームがついてるぞ、誰も取らないから落ち着いて食べな」


 真央は、真理亜のほっぺについたクリームを取り食べる。


「えへへ、ありがとう真央ちゃん」


「・・・・・・」


 その光景を見た翔子は、今にも悲鳴を上げそうな顔をしていた。


「・・・・・・そう言う事ね」


 翔子は、何かを確信する。


「真央ちゃん、私と勝負よ!!」


「はい?」


 突然の翔子の発言に真央は、疑問の声を上げる。


「真理亜のお姉ちゃんに相応しいのは、私よ!! 真央ちゃんには、絶対にお姉ちゃんの座は、渡さないわ!! 勝負よ!!」


 翔子は、そう言って真央に勝負を挑むのだった。

 そして真央は。


「・・・・・・??」


 ただ何が何だかわからなかった。

 さて、何故翔子がこんな事を言いだしたのか、翔子の視点で見てみよう。






~side 翔子~


 まず翔子は、現在海外の会社に勤めている。

 そして真理亜の事が好きすぎる彼女にとって、真理亜がいないのは、かなりの痛手である。

 そこで真理亜成分を補充するため月に何回かは、真理亜と電話をして話をしていたのである。

 そこで真理亜から色々な事を聞かされたりしているのである。

 彼女にとっては、それが活力になるのだ。

 ところがある日の事である。

 

「なんですってえええええええええええええええええええー!!」


 真理亜が誘拐された事を聞いたのである。

 幸い真理亜は、無事に救助されたので安堵するがそれでも心配だった翔子は、今すぐにでも真理亜に会いに行きたいと思っていたが今どうしても外せない仕事があったのでどうしてもすぐには、帰る事ができなかったのである。


「ああ、真理亜が心配だわ電話で話は、しているけどそれでも心配だわ、さっさと終わらせて実家に帰りたい」


 翔子は、気が焦っていたがそれでも仕事は、きちんとこなしていてしかもいつもより早く作業をしていたのでその時は、同僚も凄いと言っていたらしい。

 やがて仕事が一段落し翔子は、長い夏休みを貰い実家に帰宅したのである。


 そして帰宅し真理亜の無事を確認し翔子は、安堵するのである。

 その時に真央と初めて会うのである。


(真理亜から似ていると聞いたけど本当に似てるわね、双子と言っても違和感が全くないわ)


 真理亜と電話している時に真理亜から真央の事も当然聞いているので実際に見て似ている事に驚いていたのである。


 さらに、翔子が気になったのは、真理亜を見ている時の真央の表情である。


(あの子何なの? 真理亜に対する表情が明らかに友達と言う感じじゃないわ、何て言うか友達とは、違うような何て言えばいいのかしら、そうまるで家族に向けるような目で見ているわ)


 翔子は、真央を見てそう感じていた。

 さすが真理亜の姉と言うべきか中々の洞察力を持っている。

 そしてさらに確信を持てるような事が起きた。

 ケーキを食べていた時である。

 真央と真理亜がお互いにケーキを食べさせ合いその光景を見る翔子。


(真央ちゃんのあの顔あれは、そうかわいい妹を相手にしているそれよ、まさか)


 ここで翔子は、ある事に気づく。

 それは。


(まさか真央ちゃん真理亜のお姉ちゃんになろうとしているのでは!?)


 何故そう言う結論になるのかは、わからないがそう言う人もいるのだろう。

 だって人間だから。


(そうよ、だって真央ちゃんの真理亜に対する態度って何となく家族に対する感じに近いもん、こうしちゃいられないわ!!)


 すると翔子も真理亜とケーキを食べさせ合う。


(ふふん、どうよ私だって真理亜とこれぐらいの事できるんだから)


 この時真央に向けたどや顔には、こう言う意味があったのである。

 ところが翔子は、さらなる驚愕な光景を目の当たりにする。

 それは、真理亜のほっぺについたクリームを手で取り真央が食べた光景である。


(あ、あれは!! 子供が食べてる時ほっぺについたのをお母さんが取って食べるあれ!! または、小さい妹が食べてる時に姉がやるのと同じ行為をしている!!)


 翔子は、内心焦っている。

 実際に焦る必要は、ないと思うのだが翔子にとっては、一大事なのである。


(まさか、本当に真央ちゃん真理亜のお姉ちゃんになる気なの!? しかもよく見ると真理亜も真央ちゃんにまんざらでもない感じだし、まさかこのまま真理亜を取られちゃうの? そんなの嫌!!)


 翔子は、その光景で今にも悲鳴を上げそうになるがこらえる。

 そもそもどうしてそう言う考えになるのだろうか。


「・・・・・・そう言う事ね」

 

 翔子は、そう口に出していた。


(そうよ、真央ちゃんは、真理亜のお姉ちゃんの座を狙っているのよ、でなければあんな表情しないもの、油断してたわ、正直彩音ちゃんより厄介だわ彩音ちゃんは、まだ大丈夫だって沙月ちゃんは、言っていたから様子見する事にしたけど真央ちゃんは、今決着をつけなければならないわね)


 すでに忘れている人もいるだろうが彩音は、真理亜の事が好きである。

 結婚したいほど好きであるがそれは、沙月曰くまだ初期の段階なので、そこまで行っているわけでは、ないのである。

 沙月は、将来的に彩音が変わらないなら強制的にも更生させる気なので翔子もその事を聞いているのでその時は、喜んで手伝う事を決めているので彩音の事は、まだ大丈夫だと判断しているが、真央の場合は、違うようである。

 翔子は、海外にいて真理亜と会えるのは、限られているが真央は、毎日学校で真理亜に会うので、もしかしたら真央に真理亜の姉の座を奪われてしまうかもしれないと感じたのである。

 だからこそ。


「真央ちゃん、私と勝負よ!!」


 と言う事になったのである。

 全くわからないと思う者もいるだろうが、そう思ってしまったのだから仕方ないのである。

 だって人間だから、世界にたくさんいるのだからこう言った思考回路を持った人間がいてもおかしくないと言えばおかしくないだろう。


 こうして翔子は、真央に勝負を挑むのだった。

 続く。

 


 

 


 


 

 

 





 

読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ