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第156話 真理亜の姉登場

「やはり、皆で一緒に海に行きたいな」


「賛成、私海行きたーい」


 真央達は真理亜の家に遊びに来ていた。

 そして、もうすぐ夏休みが来るので真理亜の部屋で夏休みに遊びに行く予定を立てていたのだ。


「となると水着が必要ですね」


 そう言って唯は真央を見る。


「何だ?」


「真央さん、スクール水着以外に水着を持ってますか?」


「いや、持ってないけど」


「では、水着を選ばないといけませんね」


 唯はニコッとしながら言う。

 どこか楽しそうだ。


「いや、学校の水着で良いだろ」


「何言ってるんですか? ダメに決まっているじゃないですか」


 唯は淡々と言う。

 目には光がこもっていない。


「・・・・・・わかった、でも僕はそういうのがよくわからないんだが」


「任せてください、私が真央さんに似合う水着を選びますから」


 唯は嬉しそうに言う。

 目はキラキラしている。


「楽しみだね、夏休み」


「ああ、そうだな」


 会話をしている途中でノックする音が聞こえる。


「はい」


『お嬢様小森です、入ってもよろしいでしょうか?』


「どうぞ」


 真理亜の返事を聞きこの家に仕えているメイドの小森が入って来る。


「お楽しみのところを失礼します、お嬢様、翔子様がお帰りになられるそうです」


「お姉様が?」


「ええ、もうじき来るかと・・・・・・いえ、どうやらもう帰って来られたようです」


「え?」


 すると何やら大急ぎで来る音がする。

 そして、真理亜の部屋の前で止まる。


「・・・・・・ま」


 一人の女性が止まり真理亜を見る。

 そして。


「真理亜ああああああああああー!!」


 真理亜に思い切り抱き着くのだった。


「お、お姉様?」


 突然の事に真理亜は驚く。


「真理亜、私の天使、良かったわ無事で」


「お姉様、どうして?」


「どうしてって、あなたの無事をこの目でちゃんと確認したかったからよ」


「え?」


「怖かったでしょ、変な事されてない? ケガはない? 真理亜が誘拐されたって聞いたから、お姉ちゃん心配で早めの夏休みを貰って帰って来たのよ、本当はすぐにでも帰りたかったんだけどね」


 女性は真理亜を確認しながら言う。


「心配掛けてごめんなさい」


 真理亜は申し訳なさそうに謝る。


「どうして真理亜が謝るの? 真理亜は何も悪くないでしょ?」


「お姉様」


「そうよ、悪いのは真理亜を誘拐したあのクズ共よ、あのクズ共会社をクビにされたくらいで私の天使を誘拐するとは、しかも汚らしい手で真理亜に触るなんて、ふふふ、外に出たらたっぷりとお礼をしなくちゃね、それはもう二度と外に出たくないくらいの恐怖を与えて」


「あ、あの翔子さん、さすがに犯罪的な事はやめた方が」


 女性が不敵な笑みを浮かべながら物騒な事を言うので沙月が忠告するように言う。


「大丈夫よ沙月ちゃん、一つ大人の勉強を教えてあげるわ」


「大人の勉強?」


「ええそうよ、沙月ちゃん、犯罪ってね、バレなければ犯罪にはならないのよ」


「いや、私達に話してる時点で犯罪的な事する気だって言ってるようなものじゃないですか!!」


 不敵な笑みを浮かべて言う女性に沙月はツッコむ。


「大丈夫よ、上手くごまかすから」


「いや、そもそもしないでくださいよ、真理亜を犯罪者の妹にするような事はしないでくださいよ」


「冗談よ、私だってそこまでしないわよ」


「冗談に聞こえなかったんですが」


「そうかしら? あら私ったらいけないわね、皆に挨拶していなかったわ、皆いらっしゃい」


『お邪魔してます』


「あなたが真央ちゃんね」


「はい、宇界真央と言います」


「真理亜の姉の高梨翔子(たかなししょうこ)よ、よろしくね」


 高梨翔子(たかなししょうこ)、高梨家の実の娘で真理亜の義理の姉である。


「よろしくお願いします」


「真理亜が誘拐された時、真理亜についていてくれたんでしょ? ありがとうね」


「いえ、友達のために当然の事をしただけです」


「真理亜から聞いてるけど、本当に真理亜と似てるわね、髪を伸ばせば双子と言っても違和感ないわね」


「そうですか?」


「ええ」


「真理亜の義理の姉と聞きましたが、真理亜の事を大切にしているんですね」


「もちろんよ、そう、あれは私が休暇を貰って家に帰った時の事よ」


 翔子は真理亜と初めて会った時の事を話し出すのだった。




 





 

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