第154話 水泳練習
本日、二話目の投稿です。
「まずは、水の中で目を開ける練習からしよう」
そう言って真理亜は、真央の手を取ってプールに入る。
「じゃあ、手を繋いだまま私と一緒にプールに潜るね、潜ったら私が手を握るからそうしたら真央ちゃんは、目を開けて」
「わかった」
真央と真理亜は、水の中に潜る。
真理亜が真央の手を握ったので真央は、目を開ける。
目を開けた真央の姿を見た真理亜は、片手でOKのサインを出す。
そして、上がろうと上を指さし真央も頷き二人は、上がった。
「ぷはっ、うん良いよ、じゃあ今度は、手を繋がないから潜って開けて見て」
「わかった」
今度は、真央は、手を繋がず潜る。
そして真央は、目を開ける。
一緒に潜った真理亜は、それを見てOKのサインを出し、再び上がる。
「良いよ真央ちゃん、上手」
「そうか」
「じゃあ、次は、浮く練習をしてみよ」
「わかった」
「えっと、さっきみたいに潜って体の力を抜いてみて、そうしたら浮かぶはずだから、やってみて」
真央は、潜り体の力を抜く。
すると真央の体は、浮いていき水面に背中が浮かんだ。
「うん、じゃあ今度は、上を向いて浮かんでみて」
「わかった」
真央は、上を向いて体の力を抜く。
すると真央の体は、浮いていき水面に浮かんだ。
「凄いね、真央ちゃん上手」
「真理亜の教え方がうまいからさ」
「そうかな、えへへ」
褒められて真理亜は、照れた顔をする。
「真央姉さん、真理亜ちゃんに教えられた事できてるし、水が怖いわけじゃないね」
「泳げない人は、溺れる事に恐怖を感じて水に入るのを怖がるって理由もあるからな」
「でも、見た所真央さんは、そうじゃないですから泳げると思いますね」
「そうか」
「うん、じゃあバタ足の練習をしてみよう」
「わかった」
真央は、座り、プールに足をつける。
「足の先に力を入れないで、できるだけ足全体で動かすってイメージかな、大きく動かさず小さく動かす事を意識してやってみて」
「うん、やってみる」
真央は、バタ足をしてみる。
「つま先に力が入ってるね、力を抜いて」
「わかっていても、難しいな」
難しいと思いながらも真央は、やり続ける。
コツを掴んだのか、だんだん良くなってきていた。
「良いよ今度は、浮かんで壁に手を置いてバタ足してみて」
「うん」
真央は、水面に浮かび壁に手を置きバタ足をする。
すでに水面に浮かぶ方法もバタ足の仕方も覚えた真央にとっては、簡単にできてしまっていた。
「じゃあ今度は、私が掴むからバタ足をしてみて、ついでに顔を水に入れて息継ぎの練習もしよう、バタ足をしながら水に顔をつけて自分のタイミングで良いから顔を上げて空気を吸ってまた水に顔をつけるのそれをバタ足をしながら一定の間隔で意識してやってみて」
「わかった」
真央は、真理亜に言われた事をやってみる。
一定の間隔で呼吸をしてバタ足をする。
難しいが問題なく真央は、できていた。
「凄いね、真央ちゃんどんどん上達してるよ」
「そうか?」
「うん、これなら今日中に泳げるかも」
「確かに真理亜の教え方がうまいのもだけど、真央の上達ぶりは、凄く早いな」
「ええ、ちゃんと教えればすぐにできてしまうみたいですね」
「真央姉さん良いなー、私も真理亜ちゃんに教わりたいよー、何で私泳げるんだよー」
「うん、お前ちょっと落ち着こうな」
「真央ちゃん、クロールをやってみよう」
「わかった」
「クロールは、バタ足をしながら腕を動かして泳ぐのまずは、さっきみたいに壁に手を付けてバタ足をしながら手を片方ずつ交互に動かしてみて」
真理亜に言われ真央は、その通りに動かす。
「良いよ、そしてさっきみたいに呼吸をしてできればどちらか片方で呼吸すると良いよ、右なら右腕を動かす時に顔を上げて呼吸をする感じで、真央ちゃんのやりやすい方でやってみて」
真央は、言われた通りに動かす、右の方がやりやすいのか真央は、右側を向いて呼吸をする。
「うん、じゃあ今度は、私が手を持つからやってみて」
「わかった」
真理亜が手を持ち真央は、クロールをする。
そして、気づけば真央は、真理亜が手を持っていたのもあるが見事に二十五メートルを泳ぎ切っていた。
「真央ちゃん、いよいよ一人で泳いでみて」
「わかった」
真央は、一人で位置につく。
「じゃあ、スタート」
真理亜の合図で真央は、壁を蹴りスタートする。
そして力を抜き体が浮かんだため、すかさず真央は、バタ足をする。
そして腕を交互に動かし、一定の間隔で呼吸をする。
見た感じ完璧にクロールの泳ぎ方を真央は、できていた。
やがて真央は、壁に手を付く。
真央は、二十五メートルを見事泳ぎ切ったのだ。
「やったね、真央ちゃん凄いよ」
嬉しさのあまり、真理亜は、真央に抱きつく。
「真理亜のおかげだよ、ありがとう」
「真央ちゃんが頑張ったからだよ」
「でも、本当に凄いな真央、普通一日で泳げるようになるって中々できないぞ」
「さすが真央姉さんだよ」
「おめでとうございます、真央さん」
「ああ、ありがとう」
何かを成し遂げたのは、素直に嬉しいと真央は、感じていた。
「でも、こんなに早く泳げるなら他の泳ぎもしてみたらどうだ?」
「あ、それ良いかも、真央姉さんなら絶対できるよ」
「そうですね、真央さんならできるかもしれませんね」
「真央ちゃん、他の泳ぎ方もやってみる?」
「そうだな、頼む」
こうして真央は、他の泳ぎも練習するのだった。
「真央姉さん、平泳ぎは、こうスイーっと流れる感じでやってガバッと呼吸すれるんだよ」
「お前のその漫画みたいな説明でわかるのは、感覚で覚えられる奴だけだ、真央平泳ぎは、カエルみたいに泳ぐのをイメージすると良いぞ腕と足を同時に引いて足は、水中を蹴って進み腕は、水を後ろに回すイメージだ」
彩音と沙月説明で真央は、平泳ぎを見事に二十五メートル泳ぎ切る。
「真央さん、背泳ぎは、上を向いてクロールと同じようにすれば良いですよ、ただ向きが上を向いているだけで、その分呼吸は、しなくて良いですけど、頭をぶつけないように注意してください」
唯の説明で真央は、背泳ぎを見事に二十五メートル泳ぎ切る。
「真央ちゃん、凄い」
「真央姉さんの成長速度が私達の想像を遥かに超えてるよ」
「これは、もうどこまで行くか見たくなってきたな」
「そうですね、記録を取って見ましょう」
「皆、方向性が変わってないか?」
その後も真央は、色んな泳ぎの練習をする事になった。
そして、次の水泳の授業。
「宇界さん、凄いわ」
真央が泳げるようになっていた事に、体育の先生は、驚いていた。
そして、クラスの皆は、キャーとか言って歓声を上げていたのだった。
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