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第12話 人間界で暮らす準備

「ええ、確かにイゴールは私ですが」


 レイアの問いにイゴールと呼ばれた男性は答える。

 

「ところでお聞きしてもいいですかな?」


「ああ、いいぞ」


「何故この人間界に魔王クラスの者がいるのですかな?」


 魔王が人間界にいるのは本来珍しい事でもあるから純粋に疑問に思ったイゴールはそう問いかけた。


「それは僕も聞きたい事だ」


「どう言う事ですか?」


「とぼけるなよ、()()()()()()()()()? かつて災害と呼ばれて人間達から恐れられていた魔族」


「イゴールって、まさか《災害のイゴール》!?」


 レイアの言葉に驚くリズ。


「ほう、昔の名を知っているのですか?」


「ああ知っているさ、魔王ではないが当時の魔王と同等の強さだった魔族だ、何百年も前の存在だが今の魔王達でも皆知っているさ」


「そうですか、今でも知られているほど有名でしたか」


「何故あなたがここにいるのですか? 何百年も前に突然いなくなったと聞いていますが」


 ここでリズは疑問を口にする。

 何百年も前にいなくなったイゴールが何故この人間界にいるのかを。


「まあ、簡単な話災害やなんだと言われてきましたが正直毎日がつまんなくて面白い事を探したかったんですよ、でもあっちの世界じゃ何も見つからなくてそこで思ったんですよ、こことは違う世界に行けばもしかしたらと、そこで何かよくわかりませんが魔力を放出させて何か色々やってみたら空間のようなものが現れて試しに通ってみたらこの人間界に来ていたんですよ、その後空間は消えて戻れなくなりましたけどこの世界で色々知識を身に着け暮らしていたらこの世界がすごく面白くてもうここで暮らせばいいやと思って現在に至るって訳です」


 イゴールは人間界に来た経緯を話す。


「何かよくわからないのに来れたのか」


「何と言いますか色々というのがすごく気になりますね」


 レイアとリズは、もう何が何だかわからないという感じだ。


「さて、私の話は以上ですが次はあなた方について話してもらえますか?」


「ああ、そうだな」


 レイアはイゴールに人間界に来た経緯を話す。


「なるほど、そう言う事ですか」


「姉貴は人間界で暮らす事があったらお前の所に行けと言っていたんだが」


「確かにこの世界で暮らすなら私の所に来るのは良いと思いますよ」


 レイアの問いにイゴールは答える。


「ここで暮らすのにお前の許可みたいなのがいるのか?」


「いえ、単純な話であなた方はこの世界で住む場所があるのですか?」


「「あ」」


 イゴールの言葉でレイアとリズは肝心な事に気づく。


「そうですよ、この世界で住む場所がないじゃないですか」


「確かに人間界に来たのは良いが住む場所がなければ何の意味もないな」


「ええ、ですが私の所に来れば大丈夫ですよ」


 レイアにイゴールは大丈夫と答える。


「私が住む場所とかを探しますよ、私この世界ではそう言った仕事もしているのですよ」

 

「そうなのか?」


「はい、この世界で暮らす魔族達の住む場所は私が探しましたので」


「何と言いますか災害と呼ばれたあなたがそんな面倒見の良い仕事をしてくださるとは」


「まあ不思議に思いますが私はこう言うのも結構好きなんですよ」


 さて、と言いながらイゴールは色々な資料を持ってくる。


「では、早速ですがどのような場所に住みたいですか?」


「そうだな、と言ってもこの世界のこ事よく知らないしな」


「そうですね、何がいいのかよくわかりませんし」


 困ったと言うレイアとリズ。


 とここで。


「では、私から提案をよろしいですか?」


 イゴールが助け舟を出す。


「レイア様はマリア様というお方を守るためにこの人間界に来たのですよね?」


「ああ」


「でしたら、まずマリア様について調べてみたらどうですか?」


「マリアについて?」


 イゴールの提案にレイアは首を傾げる。


「ええ、マリア様の住んでおられる場所、もしくはマリア様は幼い少女と言いましたね? でしたら学校に通っておられると思いますのでその学校を調べてみてはいかがですか? 場所がわかればその周辺に近い所を探す事もできますし」


「なるほど、そうすれば私達もマリア様を守りやすくなりますね」


「その通りでございます」


 イゴールの提案に納得のいったリズに頷くイゴール。


「なら、さっそくマリアの周辺について調べるべきだな」


「でしたらその辺は私が調べましょう」


「わかった、そこはリズに任せる」


「はい、お任せください」


「どうやら方針が決まったようですね、では住む場所が見つかるまではここに住むと良いでしょう」


「良いのか?」


「ええ、住む場所を見つけても手続きとかがあって時間が掛かりますのでそれまではここにある空き部屋に住んでもらっています」


「そうか、悪いな」


「お気になさらず、好きでやっている事ですから」


「感謝する」


 こうしてレイアは住む場所を見つけるためにまずマリアの周辺について調べ、その間イゴールの用意した空き部屋に住む事になった。













読んでいただきありがとうございます。


人間界で住む場所を考えていなかったレイアでした。

でもイゴールが準備してくれるようです。


それでは、また次回。

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