第141話 シエラ、一時帰還 3 シスターズ達、準備をする
「では、シュナちゃん達、今から私達が護衛する真理亜様を教えますね、セレナちゃん」
「はい」
シエラに言われセレナは、スマホを取り出す。
「シエラ、それは、何だ?」
カリスは、セレナのスマホが気になっている。
「これは、スマートフォンと言って人間界の人間達が連絡を取ったりとかをするのに使う道具ですね」
「なるほど、通話玉のような物か」
「まあ、似たような物ですね、セレナちゃん」
「今出しました」
セレナは、真理亜の映っている写真を見せる。
ちなみにいつ、どこで、どうやって撮ったかは、ご想像にお任せします。
「この、綺麗で長い銀髪の少女がレイラ様の娘の真理亜様です、この方が我々の護衛対象です」
「その前にシエラこれは、何だ? こんな小さな物に何故人が入っている?」
「確かに、どう見ても絵では、ないしまるで本物みたいに」
「写真機能ですよ」
『しゃしんきのう?』
全員が疑問の声を上げる。
「実際に見た方が早いですね、セレナちゃん」
「はい、シエラお姉様、旦那様奥様も一緒に寄ってください、はい撮りますよ」
そう言ってセレナは、シャッターのボタンを押す。
「はい、撮れました」
「今のは、何だ?」
「音がしたみたいだけど」
「セレナちゃん、どうですか?」
「はい、綺麗に撮れましたよ」
セレナは、シエラ達に先程撮った写真を見せる。
「これは」
「え? 私達?」
カリスとセイラは、自分達が写っている事に驚く。
「これが、写真機能ですよ、その場で撮った物をこのスマホにその時のままの状態で記録させることができるのです」
「ほう、便利だな」
「しかも、いつでも見れるので、思い出作りとかにも使われるそうですよ、この写真を撮った日は、こんな事があったとか」
「素敵ね、人間界では、こんな便利な物がたくさんあるのね」
「はい、それは、もう驚くくらいにたくさんありますよ、また今度持ってきます、では、そろそろ見てもらいましょう、セレナちゃん」
「はい」
セレナは、真理亜が写っている写真を見せる。
「この方がレイアお姉ちゃんの姉であるレイラ様の娘、真理亜様です、私達がレイアお姉ちゃんの命でお守りするお方です」
真理亜の写真を見せながらシエラが説明をする。
ちなみに、いつ、どこで、どうやって撮ったかは、ご想像にお任せします。
「ふむ、この長い銀髪の子がレイラ殿の娘か」
「一目でわかるわ、レイラさんの面影があるもの」
「ちなみに、真理亜様は、自分に魔族の血が流れている事を知りませんし、レイラ様が真理亜様の魔力を封印しているので、魔族の力は、ありませんので人間としての寿命を全うするだけです」
「と言う事は、レイア殿も」
「当然、真理亜様に自分が叔母だと言う事は、話していませんし話す気もないそうです、ただ一番傍にいて真理亜様を守るだけです、ですので私達も人知れず真理亜様を護衛する必要があります、良いですかシスターズ達?」
「承知した、護衛対象が何も知らず感づかれる事もなく、護衛をすれば良いと言う事か」
「そう言う事でしたら、お任せください」
「あたし等に任せときなシエラ姉、その子が安心して暮らせるように完璧に護衛してやるよ」
「頼もしいですね、ですがそれだけでは、ありません、真理亜様の命を狙う者達もいるので、シュナちゃん達以外にもシスターズ達を随時人間界に行かせますので、他のシスターズ達にもいつでも行けるように準備をしておいてください」
「お嬢様、他のシスターズ達には、私達から伝えておきましょう」
「お願いします、リルさん、メルさん、ところでディアナちゃんは、どうしました? ディアナちゃんにも行ってもらいたいのですが」
シエラは、そう言って辺りを見渡す。
ディアナとは、レイアシスターズの一人であり、現在は、この屋敷のメイドとして働いている。
「夕食の買い出しをしに行きました」
「お嬢様が帰って来て、他の皆もいるので一緒に行こうと言ったのですが、相変わらず自分は、結構と言って自分の仕事をしています」
リルとメルがシエラの問いに答える。
「ディアナって、あの元人間のメイドだよな? 仕事は、できるけど何だか不愛想な子だったな」
シーナは、ディアナの事を思い出しそんな事を言う。
「人間だった時の境遇で必要以上に他人と関わったり、仲良くしようとは、しませんからね」
「それは、知っているけどだからと言ってあそこまで関わりを持たないとこっちも困るぞ」
「ええ、ですからこれを機にディアナちゃんにも人間界に行ってもらおうと思います、私の勘ですけど彼女は、人間界に行った方が良いと思うんですよ」
確信は、ないがシエラは、そう思わずには、いられなかった。
「そうか、シエラのやる事に私がとやかく言っても仕方ないしな、少しは、良い方に変わってくれるように祈るよ」
「そうですね、リルさん、ディアナちゃんにも言っておいてください」
「畏まりました」
「では、シュナちゃん、ミレイちゃん、シオンちゃん人間界に行く準備をしてください」
シュナ達は、頷く。
「ちなみに、人間界の常識とか知識もしっかり覚えてもらいますからね、この世界とは、明らかに違いますから根気よく行きましょう」
「・・・・・・セレナ姉上、そんなに凄いのか?」
「ええ、凄いですよ、覚悟を決めてください、生半可な覚悟だと絶望して立ち直れなくなりますから」
「そんなにですか」
「大丈夫かな? あたし」
セレナの言葉にシュナ、ミレイ、シオンは、ちゃんとやれるかどうか不安でいっぱいだった。
こうしてシエラは、真理亜を守るためにシスターズ達を随時送る準備をしていくのだった。
そして、当然レイアは、そんな事も知らずいつの間にかシスターズ達がたくさん来ていた事に何とも言えない状態になるのだった。
読んでいただきありがとうございます。
次回からレイア側の話に戻ります。




