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第126話 シエラの学園生活 4 シエラの恐怖

「私は、面倒な事は、早々に片付ける方なんですよ」


 シエラは、笑みを浮かべながら樹里に近づいていく。


「・・・・・・」


 しかし、樹里からしたらシエラの笑みは、どこか恐怖を感じていた。


「おやおや、どうしました? 急に後ろに下がって」


 シエラが一歩近づく度に樹里は、一歩後ろに下がっていた。


「まあ、逃がす気は、ありませんけどね」


「ッ!!」


 怖くなったのか樹里は、体育館倉庫の入口まで来ていたので、急いで出ようとするが。


「嘘!? 何で!?」


 入口の扉が全く動かず開ける事が出来なかったのだ。

 

「言ったじゃないですか、逃がす気は、ないと」


 扉が開かないのは、シエラが魔法を使って、扉をロックさせていたのだ。

 樹里は、扉を開けようとするが、シエラに肩を掴まれそのまま強引に床に仰向けにされ押さえつけられてしまう。


「さあ、捕まえましたよ、これでもう逃げられませんね」


 樹里の腕を上で交差させそれを右腕で押さえつけ馬乗りになる。

 

「な、何なのよアンタ!?」

 

 樹里は、暴れ出すがシエラの押さえつけている力が強くて逃げる事ができない。


「私をどうするの!?」


「言ったじゃないですか、面倒な事は、さっさと片付けると」


「私にこんな事してタダで済むと思ってるの? 私がパパに言えば、アンタなんて退学させる事だってできるんだから!!」


「それが何だと言うのですか?」


「え?」


「確かにあなたのお父様は、凄い人ですがあなた自身は、特に何もないですよね?」


「なっ!?」


「あなたのお父様は、確かに凄い権力をお持ちですがそれは、お父様の力であって、あなた自身の力では、ないですよ? お父様の力をあなたの力だと思っている事がそもそもの間違いなんですよ」


「うっ」


 シエラの言葉は、樹里に突き刺さっていた。

 本人も何となくそれは、わかっているからだ。


「だから、あなた自身は、何もないだからこうやってあなたを脅せば終わりですよね? お父様に言えばさらに酷い目に会わせるとか言って黙らせれば、ね?」


 シエラは、笑顔で言う。


「い、いや、誰か助けっ・・・んー!!」


 大声を上げて助けを呼ぼうとするが、シエラは、空いている、もう片方の左腕で樹里の口を塞ぎ声を出させないようにする。


「全く、困った子ですね、ちょっとお仕置きしなければいけませんね」


 シエラは、そう言って樹里の口を塞いだまま、顔を動かし首を出させる。


「確か人間って首の頸動脈って言うんでしたっけ、そこをやられると命の危険があるとか実際にそうか試して見ましょうか」


「んんー!?」


「と言っても切れる物がありませんね・・・あ、そうだ良いのがあるじゃないですか」


 そう言ってシエラは、ニヤッとしながら自分の歯を樹里に見せつけるように出す。


「歯って凄いですよね、固い指の爪を歯で噛み切る事ができるんですから人間の首を噛み切るなんてたやすいですよね、では、早速」


 シエラは、樹里の首に顔を近づける。


「!! んー!! んんー!!」


 樹里は、暴れるがシエラの押さえる力が強くてびくともしない。


「ふふ、無駄な事を」


 シエラは、樹里の耳元に顔を近づける。


「おとなしく私を避けさせるだけにしておけば良かったのに、それだけなら私は、何もしなかったんですよ、なのにあなたは、調子に乗って私への嫌がらせなどをしましたね、だから今こんな目に会うんですよ? 選択を間違えましたね」


「んんー!! んんー!!」


「何か言いたそうですね、ああもしかしてあなたを本当に殺したら、私が大変な事になるって事ですか?」


 シエラの言葉に樹里は、必死で頷く。


「それなら心配いりませんよ、だって私には、そんな事をしても簡単に揉み消す事が、できますから」


「んん!?」


「では、もういいですね?」


 シエラは、樹里の首に歯を立てる。

 そして、噛みつく。


「んんー!! んんー!!」


 樹里は、必死で暴れた。

 目に涙を流しながらも必死で暴れた。

 死にたくないと言う思いで無我夢中で暴れていた。


「・・・・・・」


 しかし、シエラは、何も言わず噛む力を強めた。


「んんー!!」


 痛みが走り樹里は、さらに暴れるが押さえつけられているため、全く動けない、ただ痛みが伝わり樹里は、本当に殺される恐怖が彼女を襲っていた。


「んんううううううううー!!」


 もうダメだ、死ぬと思ったその時。


「ぷはっ!!」


 シエラは、首から離れ手も離した。


「はあ、はあ、はあ、はあ」


 樹里は、呼吸を整えている。


「私が、本当に殺すわけないじゃないですか」


 シエラは、笑顔で樹里に言う。


「はあ、はあ、はあ」


「言ったじゃないですか、私にも色々事情がありますので、だから脅しただけですよ」


「はあ、はあ」


 樹里の呼吸がだんだん正常になっていく。


「落ち着きましたね」


「あ、ああ」


 樹里の呼吸は、落ち着いたがどこか様子がおかしい。


「? どうかしたのですか?」


 そう言ってシエラは、樹里を見る。


「・・・・・・あー」


 見ると樹里の下の部分に水たまりができていた。


 








読んでいただきありがとうございます。

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