第125話 シエラの学園生活 3 さっさと片付ける
「あなたですよね? 私に嫌がらせをさせていたのは、稲村樹里さん」
「え?」
稲村樹里、シエラと同じクラスの子である。
「いきなり何を言ってるの?」
樹里は、知らないとでも言いたそうな顔をして言う。
「ごまかしても無駄ですよ、聞きましたから」
~シエラ回想~
「稲村樹里さんですか?」
「うん」
「やはり、そうでしたか」
「え? 気づいてたの?」
シエラの言葉に奈津美は、驚く。
「ええ、皆さんを一通り見た時私に対して彼女だけ笑っていましたからね、ただそれだけでは、証拠になりませんからですからあなたに聞こうとしたのですよ」
「そうだったんだ」
「それで何故皆彼女の言いなりなのですか?」
「それは・・・・・・」
「答えないと続きをしますよ」
そう言ってシエラは、手を伸ばす。
「!! わかったから!!」
そして奈津美は、シエラに話す。
その理由は、単純な物だった。
その樹里と言う子は、親が物凄い大手の企業の社長で彼女は、その娘である。
親が凄いのでまあ、親の権力を持ってクラスの皆を脅したりしてそのクラスを牛耳っていると言う漫画とかでよくあるような感じである。
「なるほど、でもなぜ全員何ですか? 彼女の脅しが効かない人だっているでしょう?」
「私のクラスの子にも樹里ちゃんのお父さんの会社で働いている親がいるの、だからその子達は、彼女の言う事を聞くしかないのよ、私のお父さんもその会社で働いてるから」
「なるほど、逆らったら親に言ってクビにさせると言ったところでしょうか、大手の企業と言いましたね? と言う事は、他の会社と契約したり交渉したりしますよね? もしかしてその子の親の会社で働いていないのに他の子達も言いなりになるのは、交渉相手や契約相手の会社の社員にその子達の親がいると言う事ですか?」
シエラの言葉に奈津美は、頷く。
「それに、樹里ちゃんのお父さんは、樹里ちゃんの事を溺愛してるって言ってたから、私の言う事は、なんでも聞くって言うから、だから」
「そうですか、わかりました、情報ありがとうございます」
そう言ってシエラは、奈津美から離れていく。
「え?」
「あら、どうしました? まさか本気でやるとでも思ってましたか? それとも本当に興味があるのですか?」
「!!、ないない!! ないから!!」
奈津美は、必死で否定する。
「そうですか、まあ大丈夫ですよ」
「え?」
「私が終わらせますから」
~シエラ回想 終~
「そう言うわけですから、何か言いたい事は、ありますか?」
シエラは、樹里に問う。
「・・・・・・」
樹里は、黙っている。
「樹里さん?」
「・・・・・・ムカつく」
「え?」
「アンタ、ムカつくのよ」
樹里は、シエラに敵意を出していた。
「その反応は、あなたの仕業だと思って良いのですか?」
「ええ、そうよやったのは、私よ私がクラスの皆にそうするように言ったのよ」
「おかしいですね、私は、あなたに特に何かしたわけでもないのに何故このような目に会わなければいけないのでしょうか?」
「特に理由なんてないわ、ただアンタが気に入らないだけよアンタみたいに勉強も運動もできて普通に皆と仲良くしているのが気に入らないだけよ」
「そうですか、まあ誰かに嫉妬するのは、当たり前にある感情ですから、別にそれは、いいんですけど、だからと言って親の力でクラスの皆を脅すのは、間違っていますね」
「うるさいわね!! どのみちアンタは、もう私の言いなりになるしかないんだから!! おとなしく言いなりになれば、やめてあげるわよ!!」
樹里は、そうシエラに言う。
「いえいえ、その必要は、ありませんよ」
「え?」
ところがシエラは、特に気にした反応もせずその反応に樹里は、疑問の声を上げていた。
「私にも色々事情がありますからね、こう言う面倒事は、さっさと片付けた方が良いですからね」
そう言ってシエラは、笑みを浮かべ樹里にゆっくりと近づくのだった。
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