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第103話 真理亜の家へ 4 一緒にお風呂

「・・・・・・」


 真央は、真理亜の家のお風呂場にいる。

 と言うのも。


『もう夜も遅いし明日は、休みだからぜひ泊まっていくと良い』


 と真理亜の父に言われたのでお言葉に甘えて真央は、泊まる事になった。

 それで真理亜と一緒にお風呂に行ったが。


「凄く広いな」


 そこは、もはや大浴場と言っていいくらいの広さだった。


「うん、やっぱりそう思うよね」


「真理亜は、毎日こんな広いお風呂に入っているんだな」


「うん、でも一人で入るには、広すぎて落ち着かないんだよね」


「何となくわかる気がする」


 二人は、とりあえず体を洗いにシャワーのある場所に向かう。


「ねえ、真央ちゃん私やってみたい事があるんだ」


「ん、何だ?」


「背中洗いっこしない?」


 真理亜は、そう真央に聞く。


「背中洗いっこ?」


「うん、せっかく真央ちゃんと一緒に入ったんだからしたいなって思って、真央ちゃんの家での時は、やれる雰囲気じゃなかったから」


「あー、そうだったな」


「良いかな?」


 真理亜は、再び真央に聞く。


「ああ、良いよ、やろう」


 真央は、賛成するのだった。


「ふん、ふん」


 真央は、真理亜に背中を洗ってもらっている。


「真央ちゃんどう? 痛くない?」


「ああ、大丈夫だ、ちょうど良いよ」


「良かった」


「真理亜は、背中を洗うのがうまいな」


「真央ちゃん、なんか子供に背中を洗ってもらってる親みたいな事を言ってるよ」


「そうなのか?」


「そうだよ」


 真理亜は、笑ってそう答える。

 まあ実際、真央は、真理亜の母親レイラの妹であるから、叔母と姪の関係であるため、真央のセリフは、あながち間違っては、いないのである。


「真央ちゃん、綺麗な体してるね」


 真理亜は、そう言いだす。


「何だ、いきなり」


「こうして、じっくり見てると何となく綺麗だなと思って」


 真理亜は、真央の背中をじっと見る。

 そして。


「えい」


 真央の背中を指でツウーっと軽くなぞる感じに触る。


「ッ!!」


 真央は、ゾクッとする。


「真理亜!?」


「えへへ、ごめんね真央ちゃん、何だかしたくなっちゃってつい」


 真理亜は、真央に謝罪する。


(そう言えば、姉貴もこんないたずらしてたな)


 真央は、懐かしむように姉レイラの事を思い出す。


「やっぱ、似るものだな」


「真央ちゃん何か言った?」


「いや、それより次は、僕が真理亜の背中を洗う番だな」


「うん、お願い」


 今度は、真央が真理亜の背中を洗っている。


「どうだ?」


「うん、大丈夫だよ」


「なら、良かった」


 そう言って真理亜の背中を洗い続ける。


「なあ、真理亜の髪って長いけど、洗うの大変じゃないのか?」


「うーん、慣れるとそうでもないよ」


「ふーん、それにしても真理亜の髪ってさらさらしてるな」


 真央は、真理亜の髪を触りながらそんな事を言う。


「え?」


「本当に綺麗な髪だな、嫉妬しちゃうかも僕と同じ銀髪なのにこんなに綺麗で」


 真理亜の耳元で囁くように言う。


「ま、真央ちゃん?」


 真理亜は、不安そうな声で真央の名前を呼ぶ。


「・・・・・・ふふ」


 真央は、真理亜の背中を指でツウーっとなぞる。


「ひゃうん!!」


「さっきのお返し」


 そう言って真央は、いたずらな笑みを真理亜に向ける。


「もーう」


 二人は、笑い合うのだった。


「ふうー」


「はあー」


 二人は、湯船に浸かっている。


「しかし、広いな」


「うん、銭湯のお風呂より広いと思うよ」


「ライオン像からお湯が出てるな」


「私も最初は、マンガ以外で初めて見たからびっくりしたよ」


「確かに」


 二人は、のんびり湯を堪能している。


「ところで、真理亜の両親は、良い人達だな」


「え?」


「優しそうな人達だなと思って」


「うん、でも本当の家族じゃないけどね」


「え?」


「私は、この家に養子として迎えられたの」


「そうなのか?」


「うん、私のパパとママは、私が六歳の頃に亡くなったの、それから色々あってこの家に暮らすようになったの」


 真理亜は、そう答える。


「パパとママ? でもさっきは、お父様、お母様と言ってたけど」


「私の中でそう決めたの、お父様、お母様をパパ、ママって言ったら私の本当のパパとママを裏切るんじゃないのかって切り捨てるんじゃないのかって」


「そうか、聞いちゃいけない事だったな、ごめん」


 真央は、謝罪をする。


「ううん、良いの真央ちゃんにもいずれ聞いてほしいと思ってたから」


「彩音達も知っているのか?」


 真央の問いに真理亜は、頷く。


「そうか、真理亜は、あの人達の事をどう思ってるんだ?」


「お父様もお母様も私を本当の娘のように愛してくれているのが、メイドや執事の人達も皆、私を大切に思ってくれているのも伝わってくるの、

私は、この家の本当の家族じゃないのにでも嬉しく感じるの温かくて優しくて私は、この家の人達が大好き、私のもう一つの家族だと思ってる」


 それは、真理亜の嘘偽りのない言葉だった。


「そうか」

 

 真央は、それを聞いて安心したように笑っていた。


「でも、何だか不思議だね、真央ちゃんの前だとなんでも話せちゃう気がするんだ」


「そうなのか?」


「うん、そう言えば前に彩音ちゃんが真央ちゃんと私が何となく似てるって言ってたからそれでなんでも話せちゃうのかな」


「それは、光栄だね」


 真央は、そう答えるのだった。

 

「さあ、のぼせる前に上がろうか?」


「うん、そうだね」


 そう言って二人は、風呂から上がるのだった。

 余談だが、風呂から上がった後に真央は、いちご牛乳を飲み、格別なうまさを味わったそうな。








 

 



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