第99話 お呼ばれ
「真央ちゃん、今日の夕方って空いてる?」
「ん?」
教室で真理亜が真央に聞いてくる。
「夕方? 別に何もないけどどうした?」
「えっとね、良かったら私の家に来てほしいと思って」
「真理亜の家に」
「うん、私が誘拐された時、真央ちゃんの家にお世話になったでしょ? そのお礼がしたいって、お父様とお母様が真央ちゃんを夕飯に招待したいって言ってるの」
「そうなのか、別にお礼なんていいのに」
真央は、特に気にしては、いないようである。
「良いんじゃないのか、真央」
「そうですよ、真理亜さんのご両親のお誘いなんですから」
「真央姉さん、羨ましいよー」
「ダメかな?」
真理亜は、真央に聞く。
「いや、良いけど明日は、休みだしそれに」
「それに?」
「友達の家に行くのは、初めてだから楽しみだなと思って」
真央は、笑って真理亜に答える。
そして。
「うん、じゃあ待ってるね」
真理亜も笑顔で答えるのだった。
~side レイアの住むマンション~
「と言うわけでシエラ、僕は、真理亜の家に行くことになったんだが」
「わかりました、私とセレナちゃんでお留守番をしていますね」
シエラとセレナは、マンションの留守を任される事になった。
「セレナ、夕飯は、昨日作った物がありますから、温めて食べてください」
「はい、わかりました」
そう言ってレイアとリズは、部屋を出て行き外で待つ。
しばらくすると、真理亜の家の迎えの車が到着する。
「初めまして、私は、高梨家に仕える執事の木村と申します、お二人をお迎えに参りました、どうぞ中へ」
執事の木村は、後部座席のドアを開け、レイアとリズは、車の中に入る。
「シートベルトは、よろしいでしょうか?」
「大丈夫です」
「私も大丈夫です」
「では、出発します」
レイアとリズがシートベルトをしたのを確認した木村は、車を発進させる。
(そう言えば、真理亜の家ってどんなのだろう?)
車の中でレイアは、そんな事を考える。
(金持ちの家だとは、思うけど彩音達に聞いてみたら)
『真理亜ちゃんの家? 凄かったよ』
『ああ、確かにアレは、凄かったな、それしか言えない』
『確かに具体的にどうかと言われても、凄かったとしか言えませんね』
(なんて言ってたからな、どう凄いんだ?)
彩音達の言った事を思い返しながら、真央は、考える。
(んー、着いてみればわかるか)
「お待たせしました、もうすぐ着きます」
考えていると執事の木村がもうすぐ真理亜の家に着くことを伝える。
(お、そろそろ着くようだな・・・・・・)
レイアは、真理亜の家を見て固まった。
「お疲れ様です、では、こちらへ」
木村は、ドアを開けレイアとリズは、降りる。
しかし二人は、一向に固まっていた。
「なあリズ、どう思う?」
「そうですね、とにかく凄いとしか他に言いようがありませんね」
二人は、真理亜の家を見てそう言う。
そう真理亜の家は、一目見たら、あ、これ絶対金持ちの住む家だわ、と思えるくらいの大豪邸だった。
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